【60点の夫婦でいいのに】8話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【60点の夫婦でいいのに】第8話をネタバレありで解説する
ついに物語は最終回。第7話のマンション総会で全ての罪を暴かれた不倫カップル、尚弥と円佳が迎える当然の結末と、沙紀と宗一郎が手にする新しい未来、そして、その数年後へと続く「次世代の物語」が描かれます。全ての登場人物の物語に決着がつく、感動とカタルシスのフィナーレです。
悪あがきと自滅、崩壊する不倫カップル
マンション総会で全てを失った円佳でしたが、その態度は最後まで醜いものでした。「ばっかみたい!」「ただの負け犬の遠吠えでしょ」と沙紀を罵り、「旦那に捨てられた0点の自分を恨んだら?」と、悪あがきを続けます。
一方、自分の未来が完全に潰えたことを悟った尚弥は、錯乱する円佳を「きめぇんだよ!」と突き飛ばし、今度は沙紀に泣きつきます。「許してくれよ」「離婚も0点も嘘だ」「円佳に脅されてたんだ!」と、あまりにも見苦しい言い訳を並べ立てるのでした。
しかし、もう沙紀の心は揺らぎません。「ふざけないで!」と尚弥を一蹴すると、「これ以上は弁護士を通して」「あなたとは一切話さない」と、きっぱりと関係の終わりを告げます。誰からも見捨てられた不倫カップルは、その場で完全に崩壊したのでした。
それぞれの結末、そして新しい「同志」関係
数日後、登場人物たちの新たな人生が描かれます。
- 沙紀と陽菜: 尚弥とは無事に離婚が成立し、慰謝料もしっかりと受け取りました 。パートだった仕事も正社員となり、愛する娘・陽菜と二人で希望に満ちた新生活をスタートさせます 。
- 尚弥: 円佳に不倫だけでなく横領の事実もバラされ、会社を懲戒解雇されます 。慰謝料とこれまでの散財がたたり、経済的に破綻するという末路を迎えました 。
- 宗一郎: 宗一郎も円佳と無事に離婚を成立させました 。その後も沙紀とは連絡を取り合い、お互いの子どもを連れて公園で遊ぶなど、協力して育児をこなす**「同志のような関係」**を築いています 。
数年後…娘・梨佳が誓う「不幸の連鎖」の断絶
物語の最後、時間は数年後へと飛びます。一人、部屋で古いアルバムをめくっているのは、円佳の娘である、成長した梨佳の姿でした。彼女の脳裏に浮かぶのは、母・円佳がかつて辿った悲劇の記憶です。そして、その母もまた、梨佳にとっての祖母から続く「不幸の連鎖」の中にいたことを、彼女は知っていました。
梨佳は、静かに、しかし強く心に誓います。
「私は決めた お母さんのように 人を不幸にしない そして―― 不幸にならない」
母親が果たせなかった誓いを、今、娘である梨佳が受け継ぎました。それは、自らの意志で負の連鎖を断ち切り、新しい時代を生きるという固い決意の表れでした。母が流した涙の理由を知る彼女が、自らの手で幸せを掴み取ろうとするその姿を最後に、この長く続いた物語は静かに幕を下ろします。
まとめ【60点の夫婦でいいのに】8話を読んだ感想
全8話にわたる復讐と再生の物語は、見事な決着を迎えました。読後感は非常に晴れやかで、特に、最後まで見苦しい言い訳を続ける尚弥を、沙紀がきっぱりと切り捨てるシーンは、彼女の完全な自立を象徴していて胸がすく思いがしました。沙紀と宗一郎が恋愛関係になるのではなく、互いの子どもを思う親として、そして同じ痛みを乗り越えた「同志」として新たな関係を築く結末も、非常に誠実で好感が持てました。
そして何より、最終場面で描かれた、数年後の娘・梨佳の姿には心を揺さぶられました。この物語が単なる不倫への復讐劇ではなく、世代を超えて受け継がれてしまう「不幸の連鎖」という、より根深く、普遍的なテーマを描いていたことに気づかされます。
母親と同じ過ちを繰り返すまいと誓う梨佳の姿は、この物語が、親世代の清算だけで終わるのではなく、その子どもたちが過去をどう受け止め、未来をどう生きるかという、次世代への希望と課題を提示していることを示しています。彼女の静かな決意は、悲しい過去から目をそらさず、それでも前を向いて歩もうとする人間の強さを感じさせ、物語全体に深い余韻を残してくれました。多くのことを考えさせられる、まさに傑作と呼ぶにふさわしい最終回でした。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから
