【タコピーの原罪】第8話「しずかキングダム」あらすじから結末まで全てネタバレ解説

第7話「タコピーの告解」 まりなちゃんの両親の激しい口論が続く中、タコピーはまりなちゃんの写真の前で、まりなちゃんを死に至らしめてしまったこと、そしてその結果、家庭を壊してしまったことを涙ながらに告白します。さらに、脳裏に蘇るしずかちゃんの「ありがとうタコピー、殺してくれて」という言葉を受け、タコピーは歪んだ決意を固め、時を同じくしてまりなちゃんの遺体が発見されるという衝撃的な展開を迎えました。
【タコピーの原罪】第8話「しずかキングダム」をネタバレありで解説する
前話でまりなの遺体が発見されるという衝撃的な終わり方をしましたが、第8話「しずかキングダム」では、その後の登場人物たちの動揺や、しずかの恐るべき本性がさらに明らかになります。物語はますます予測不可能な方向へと進んでいきます。
まりなの死と隠蔽工作の綻び
学校の教室では、先生からクラスの皆へ、雲母坂まりなが亡くなったことが正式に告げられます 。その知らせに動揺する生徒たち。東は、まりなに姿を変えていたタコピーに対し、激しく動揺しながら「今すぐ 変身を 解け!!!!」と命令します 。その直後、刑事らしき人物が事情聴取を求めます 。
東は内心、まりなの本当の死亡日時はタコピーのひみつ道具「思い出ボックス」で改ざんし、指紋も拭き取ったためバレていない、警察の捜査は地質調査という想定外の事態で見つかったものの、このまま黙っていれば大丈夫だと考えていました 。しかし、ニュースではまりなが頭部を強く殴られた痕跡から殺人事件として捜査が進められていると報じられます 。タコピーは「本当に 黙ってて いんだっピか??」と良心の呵責に苦しみますが、東は「・・・大丈夫だ 大丈夫 大丈夫・・・ 大丈夫」と自身に言い聞かせるように繰り返すのでした 。
タコピーは、まりなやその家族のことを思い、「これ以上かくすよりも正直におはなし するとか」と東に訴えますが、追い詰められた東は「そんな話しても仕方ないだろうが」「もう バレたんだよ 見つかったんだよ」とタコピーに手をあげてしまいます 。
しずかの無邪気な圧力と東の焦り
まりなの死という衝撃的な出来事があったにも関わらず、しずかは以前と変わらない様子で東に近づき、「作戦会議しないの?」「…もうすぐ 夏休みなのに サボったら だめじゃん」「東くんが 言ったんだよね 夏休みなら 東京 行けるって」と、チャッピーに会うための東京行きの計画を無邪気に促します 。
東は「こんな時に この街を 離れるのは …いや」とためらいを見せますが、しずかの期待と、自らが「隠せるって言ったんだ なのに見つかった」「もっと上手く できたんじゃ ないか」「次は絶対 上手くやる」という強迫観念に駆られ、精神的に追い詰められていく様子が描かれます 。
潤也の心配と母の諦観
東の兄である潤也は、まりなの事件について弟を心配し、「同じクラスの子なんだろ?」「なんかあったら 相談乗るから」と声をかけますが、東は「大丈夫………」と力なく答えるのみです 。
一方、東の母は、息子の異変に気づいていながらも、どこか突き放したような態度を見せ始めます。勉強もせず、わざと悪い点を取る東の行動を、気を引くための幼稚な行動だと断じ、「だからもう いいよ お母さんも がんばらない ことにした」「おやつも毎日 食べればいいし 何点取っても いいから キミの 好きなように やりなね」と告げ、東を絶望させます 。
しずかの策略と東の決断
しずかは、まりなが亡くなる直前の様子について「最近のまりなちゃん おかしかったよね 急にペコペコ しだしてさ」「弱みでも 握られてたんじゃね?」「誰に?」「あいつだよ 久世さん!」と、あたかもまりなが誰かに脅迫されていたかのように話し、罪を他人に向けようとします 。さらに、「東くんの 言う通り わからないことは 答えなかった」「犯人は 大人だって みんな 思うはずだ」と東に囁き、アリバイ工作をより巧妙にしようと持ちかけます 。
そんな中、しずかは夏休みに再び警察署へ行かなければならなくなったこと、しかし自分はチャッピーに会いに行きたいから行けないこと、捕まるのも困ることを理由に、「だから 代わりを」と東に頼みます 。東は「大丈夫! 何でも 言って! 僕が全部 解決して みせるよ! 僕が」と、しずかのために全てを引き受ける決意を固めます 。
しずかの恐るべき提案
そして、しずかは東に対し、「ありがとう 東くん」と笑顔を見せながら、「じゃあさ これ持って 自首してくれない かな」と、凶器と思われるものを差し出すのでした 。しずかの言葉は、まりなを助けたい、しずかの力になりたいと願う東の純粋な気持ちを踏みにじるかのような、恐ろしくも残酷な提案でした。
まとめ【タコピーの原罪】第8話「しずかキングダム」を読んだ感想
第8話「しずかキングダム」は、まりなの死が確定した後の、登場人物たちの歪んだ心理と絶望的な状況が描かれ、息苦しさが一層増した回でした。特に、しずかの本性が恐ろしいほどに明らかになり、タイトル通り、彼女が築き上げようとしている「しずかキングダム」の異常性が際立っています。
しずかは、まりなの死を全く意に介さず、自分の目的(チャッピーに会うこと、東京へ行くこと)のためだけに周囲を利用し、東を巧みに操ろうとします。彼女の言葉は無邪気さを装いながらも計算高く、まりなを貶めるような発言や、東に罪をなすりつけようとする策略は、小学生とは思えないほどの冷酷さを感じさせます。彼女にとって、他者の感情や命は自分の目的を達成するための道具でしかないかのようです。
一方、東はしずかへの歪んだ献身と、自らが招いた事態への責任感、そして母親からの拒絶によって、精神的に極限まで追い詰められています。「僕が全部解決してみせる」という言葉は悲壮な決意に満ちていますが、それがしずかの言いなりになることでしかないという現実はあまりにも残酷です。彼の純粋さや優しさが、ことごとく裏目に出てしまう展開には胸が痛みます。
東の母親の態度の変化も、この物語の救いのなさを象徴しているように感じました。息子の異変に対して「頑張らないことにした」という諦観は、東にとって最後の拠り所を失わせるものであり、彼をさらなる孤立へと追いやります。
タコピーの良心の呵責や、潤也の弟を思う気持ちがわずかな光として描かれるものの、物語全体を覆う絶望感は深まるばかりです。しずかが東に自首を促すという衝撃的なラストは、もはや破滅以外の道が見えないかのような気にさせられます。この先、彼らがどのような運命を辿るのか、重い気持ちで見守るしかありません。
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