【ある継母のメルヘン】10話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- シュリーは当主として「追悼招宴」を自ら主催することを決意し、仕事に打ち込んでいた
- 夜の散歩中、使用人たちが「シュリーはもうすぐいなくなる」と噂しているのを耳にする
- 信頼する3人の責任者(騎士団長、執事長、侍女長)を召集し、彼らの連絡網が遮断され情報操作されていた事実を突き止める
- 全てを悟ったシュリーは、陰謀を暴くため使用人全員を召集するよう命じた
【ある継母のメルヘン】第10話をネタバレありでわかりやすく解説する
屋敷内の情報操作を確信したシュリーは、まず問題の中心人物である次男エリアスと向き合うことを決意します。逃げるエリアスとの追いかけっこの末、シュリーはこれまで知ることのなかった彼の本当の気持ちと、叔父ヴァレンティノから受けていた精神的な虐待の事実を知るのでした。これは、バラバラだった家族が再生へと向かう、大きな一歩となります。
逃げるエリアス!裏庭での大追いかけっこ
使用人全員の召集を命じたシュリーは、休む間もなく階段を駆け上がり、次男エリアスの部屋へと向かいます。しかし、彼はすでに部屋にはおらず、裏庭で長男ジェレミーと一緒にいるとの報告を受け、シュリーは重いドレスの裾を翻してダッシュで後を追いました。
シュリーの姿を認めるやいなや、エリアスは脱兎のごとく逃げ出します。
「どうして逃げるの!」「止まりなさい!」
シュリーとジェレミーの叫び声も耳に入らないのか、エリアスは「止まるはずないだろ!」と必死の形相です。息を切らし、重いドレスに悪態をつきながらも必死に追いかけるシュリー。そのコミカルながらも切実な追いかけっこは、エリアスが派手に転んでしまったことで、ようやく幕を閉じました。
「いなくならないで」エリアスの涙の告白
シュリーに捕まったエリアス。なぜシュリーに何も教えてくれなかったのか、という問いに答えたのはジェレミーでした。エリアス本人から、**「絶対に夫人には話すな」**と固く口止めされていたのです。
そして、エリアスは堰を切ったように、これまで一人で抱え込んできた恐怖と悲しみを吐き出しました。
原因は、叔父ヴァレンティノによる剣術の指導でした。彼は稽古にかこつけてエリアスを痛めつけ、**「何もできない」「悔しいならママに泣きつけ」**と嘲笑っていたのです。さらに、ヴァレンティノは悪魔のように囁きました。
「指南を頼んだのはあの方(シュリー)だ」「毎日悪ガキの面倒を見させられたら、きっと逃げ出すだろうな」
その言葉は、両親を相次いで亡くしたエリアスの心を深く蝕んでいました。彼は、自分たちが迷惑をかければ、シュリーも父や母のようにいなくなってしまうのではないかと、ずっと怯えていたのです。
「父上のように…母上のように…どこかへ消えてしまうんじゃないかって…!」
反抗的な態度の裏に隠されていたのは、継母への憎しみではなく、「また一人ぼっちになりたくない」という、子供の純粋で悲痛な叫びでした。
「置いていかない」シュリーの約束と家族の絆
エリアスの涙の告白に、シュリーは言葉を失い、ただ呆然と立ち尽くします。自分がこれまで見てきた子供たちの姿は、ほんの一面に過ぎなかった。彼らは自分を憎んでいるのではなく、ただ大切な人を失うことを恐れている、傷ついた子供だったのです。
(今だからこそ見える…)
1度目の人生では、彼らと向き合うことから逃げていた自分。シュリーは、自分自身もまた、孤独と悲しみに胸を痛める「子供」だったのだと、静かに悟ります。
ハッと我に返ったシュリーは、涙でぐしゃぐしゃのエリアスの前に立つと、はっきりと伝えました。
「あなたたちのことを、生意気で我儘だとは思っているわ。でも…一度だって、煩わしいとか、意気地なしだなんて思ったことはない」
そして、彼の瞳を真っ直ぐに見つめ、力強く約束します。
「だから…あなたたちを置いて、私が出て行ったりはしない」
その言葉に、エリアスは声を上げて泣きじゃくりました。それは、長い間彼を縛り付けていた不安の鎖が解けた瞬間でした。噂を真に受けていたのね、とシュリーが少し意地悪く笑うと、ようやくエリアスの顔にも笑顔が戻ります。ノイヴァンシュタイン家に、初めて確かな家族の絆が生まれた瞬間でした。
新たな問題発覚!レイチェルと“魔女みたいなばあさん”
和やかな雰囲気に包まれる中、シュリーは念を押します。「もう隠し事はないわね?」
その言葉に、エリアスはびくりと肩を震わせ、観念したように白状しました。
「夫人には内緒だって、頼まれたことがまだ…」
その頃、屋敷の別の場所では、双子の姉レイチェルが家庭教師の授業に行くのを嫌がり、二人がかりの侍女に引きずられてもなお、必死に手すりにしがみついて抵抗していました。
エリアスが打ち明けた新たな問題。それは、レイチェルのことでした。
「レイチェルのことなんだ…あの、魔女みたいなばあさんとの…!」
エリアスの口から語られた「魔女みたいなばあさん」とは、厳格な家庭教師マダム・ルアゼルのこと。エリアスの問題が解決したのも束の間、今度はレイチェルが深刻なSOSを発していたのです。
【ある継母のメルヘン】第10話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は涙腺が緩みっぱなしの、本当に感動的な回でした。エリアスの告白シーンは、読んでいて胸が張り裂けそうになりました。あれだけ反抗的だった彼の心の奥に、こんなにも繊細で純粋な「捨てられたくない」という恐怖が隠されていたなんて…。彼の涙に、思わずもらい泣きしてしまいました。
そして、その叫びを受け止めたシュリーの「置いていかない」という約束。これは、エリアスだけでなく、孤独だったシュリー自身の心をも救う、魔法のような言葉だったのではないでしょうか。ようやく、彼らが本当の意味で「家族」になるための第一歩を踏み出せたのだと感じます。不器用ながらも兄として弟を心配していたジェレミーの存在も、とても良かったですね。
しかし、感動に浸る間もなく、今度はレイチェルに問題が発生!エリアスが「魔女みたいなばあさん」とまで言う家庭教師マダム・ルアゼルが、一体レイチェルに何をしているというのでしょうか。子供たちの受難はまだ続くのかと思うと、心が痛みます。シュリーがエリアスと結んだ絆を力に、この新たな問題にどう立ち向かうのか。目が離せません!
【ある継母のメルヘン】第10話のネタバレまとめ
- シュリーは、屋敷内の情報操作の件でまず次男エリアスと向き合うため、彼を追いかけた
- エリアスは、叔父ヴァレンティノから「シュリーはお前たちのせいで逃げ出す」と精神的な虐待を受けていたことを涙ながらに告白する
- 彼の反抗的な態度は、シュリーに捨てられることへの恐怖が原因だった
- シュリーは「子供たちを置いて出て行ったりしない」と固く約束し、エリアスと和解。二人の間に初めて絆が生まれる
- しかし、安堵も束の間、エリアスから新たに双子の姉レイチェルが家庭教師マダム・ルアゼルとの間に深刻な問題を抱えていることを打ち明けられた
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