悪役令嬢

【ある継母のメルヘン】11話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 次男エリアスとの対話を通じて、彼が「シュリーに捨てられること」を恐れていた本心を知る
  • シュリーは「子供たちを置いて出て行ったりしない」と固く約束し、エリアスと和解、家族の絆が芽生えた
  • しかし安堵も束の間、エリアスから新たに双子の姉レイチェルが家庭教師マダム・ルアゼルとの間に深刻な問題を抱えていることが打ち明けられた

【ある継母のメルヘン】第11話をネタバレありでわかりやすく解説する

子供たちとの絆を取り戻し始めたシュリーは、ついに諸悪の根源である叔父叔母、ルクレツィアとヴァレンティノに反撃の狼煙を上げます。屋敷の乗っ取り計画を真正面から暴き、真っ向から対決するシュリー。そして、その戦いの中で、子供たち、特に長男ジェレミーとの間に決定的で感動的な変化が訪れるのでした。

陰謀を暴き、追放を宣言するシュリー

シュリーは、ルクレツィアとヴァレンティノがくつろぐ部屋の扉を、静かに、しかし力強く開きました。「特別な良い話でもあるのかしら?」と楽しげに尋ねるルクレツィアに対し、シュリーは冷たく言い放ちます。

「お二人に、今この瞬間をもって、この屋敷への出入りを禁じます」

突然の追放宣言に戸惑う二人に対し、シュリーは冷静に、そして毅然と彼らの罪状を並べ立てていきました。

  • 使用人を買収し、屋敷内の情報を操作したこと
  • 家庭教師と共謀し、レイチェルを無理やり社交界デビューさせ、自らの利益に繋げようとしたこと
  • 評判の悪いヴァレンティノをエリアスの剣術指導者に任命させ、シュリーの当主としての判断力を疑わせる噂を広めたこと

「親切なふりをして子供たちの面倒を見ていたのは、あなた方の動かしやすい後継者を作るための計画だったのでしょう?」

シュリーの鋭い指摘に、二人の顔から笑みが消えます。物陰からは、子供たちが固唾を呑んでその様子を見守っていました。

炸裂する平手打ち!シュリーの逆襲

「少し信頼度が低いだけだ」と見苦しい言い訳をするヴァレンティノ。しかし、図星を指されたルクレツィアはついに本性を現します。彼女はシュリーの目の前に進み出ると、その頬に思いきり平手打ちを食らわせました。

「田舎から来た貧乏人が、身の程を弁えなさい!」

激しい音と共に、シュリーの体がよろめきます。子供たちが息を呑む中、ルクレツィアは兄の遺言を盾にシュリーを罵倒しました。

しかし、1度目の人生のように、ただやられるだけのシュリーではありません。彼女は顔を上げると、ルクレツィアの頬に、渾身の力で平手打ちをやり返したのです!

あまりに予想外の反撃に、ルクレツィアもヴァレンティノも、そして見守っていた子供たちも驚愕します。

「人を殴るというのは、自分も殴られる覚悟があるということでしょう?」

シュリーの瞳には、決して屈しない強い意志の光が宿っていました。

「母上をいじめるな!」子供たちの参戦

逆上したルクレツィアが再び手を振り上げた、その瞬間でした。

「やめて!」

双子の姉レイチェルが猛スピードで駆け寄り、ルクレツィアの腕にしがみつきます。

「ニセモノをいじめるな!」

そう叫びながら、レイチェルは泣きじゃくり、小さな拳で必死にルクレツィアを叩きました。その姿に、弟のレオンも泣き出し、場は一気に騒然となります。

ヴァレンティノは、シュリーの後ろに隠れるエリアスを見つけ、「あれはエリアスを思ってやったことだ」と見苦しい言い訳を始めます。騒ぎを聞きつけた騎士団長アルベルンが駆けつけ、事態を収拾しようとしますが、そこに最後の一人が現れました。長男、ジェレミーです。

ジェレミーの決定打「母上が嫌うなら仕方ない」

ルクレツィアは待ってましたとばかりに、ジェレミーに泣きつきました。「ジェレミー、聞いてちょうだい!あなたの継母がおかしな誤解をして…!」

しかし、ジェレミーの視線は氷のように冷ややかでした。

「叔母上たちが悪巧みをし、エリアスとレイチェルをいじめたことは事実です」

彼は冷静に事実を告げ、そして、決定的な一言を放ったのです。

「自分は案外息子として従順でして。母上であるシュリーがあなた方を嫌うなら、それは仕方のないことです」

母上――。

その言葉は、雷のようにシュリーの心を打ちました。1度目の人生で、冷たい氷のような目で自分を見ていたジェレミーが、今、自分を「母」と呼んだ。一生聞くことはないと思っていた、その一言。シュリーは信じられない思いで、ただ呆然と息子を見つめるしかありませんでした。

我に返ったシュリーは、当主として、そして母として、最後の命令を下します。

「今すぐこの屋敷からお去りなさい。誰かとの別れの挨拶も、馬車を貸すことも、一切禁じます」

その顔には、全ての戦いに勝利した者の、晴れやかな笑顔が浮かんでいました。


【ある継母のメルヘン】第11話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、間違いなくこれまでの物語で最高の「神回」でした!スカッとすると同時に、涙が止まらない感動的な展開に、読みながら何度も胸が熱くなりました。

まず、シュリーの平手打ち返し!1度目の人生でどれほど悔しい思いをしてきたかを思うと、この反撃シーンは本当に爽快でした。彼女がただの可哀想なヒロインではなく、自らの手で運命を切り開く強い女性であることを改めて証明してくれましたね。

そして、何よりも子供たちの行動には涙腺が崩壊しました。これまでシュリーを「ニセモノ」と呼び続けてきたレイチェルが、「ニセモノをいじめるな!」と叫んで彼女を守ったシーン。そこには、歪んだ形ではあっても、シュリーを「自分の家族」だと認める気持ちが確かにありました。

極めつけは、ジェレミーの「母上」呼びです。この一言が持つ重みと破壊力は凄まじいものがありました。ずっと冷たい態度を取り続けてきた彼が、最も重要な局面でシュリーを「母」として認め、その盾となった。この瞬間のシュリーの感動を想像すると、こちらまで涙が溢れてきます。

バラバラだった家族が、共通の敵を前にして初めて心を一つにした瞬間。これは、ノイヴァンシュタイン家の本当の意味での夜明けだと感じさせる、素晴らしい一話でした。

【ある継母のメルヘン】第11話のネタバレまとめ

  • シュリーは、叔母ルクレツィアと叔父ヴァレンティノの屋敷乗っ取り計画を暴露し、彼らに追放を宣言した
  • 逆上したルクレツィアに平手打ちされるが、シュリーは臆することなく平手打ちをやり返して反撃する
  • 双子のレイチェルが「ニセモノをいじめるな!」と泣きながらシュリーを守り、子供たちが彼女の味方についた
  • 最後に現れた長男ジェレミーが、初めてシュリーを「母上」と呼び、彼女の決定を全面的に支持したことが決定打となる
  • 子供たちという最強の味方を得たシュリーは、ルクレツィアとヴァレンティノを屋敷から完全に追放することに成功した

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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