【ある継母のメルヘン】6話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 1度目の人生の記憶を元に、シュリーは親族会議で堂々とした態度で夫の兄妹たちを圧倒した
- 叔父ミュラー伯爵は家の運営権への介入を提案するが、シュリーは彼らの下心を見抜き、回答を保留する
- シュリーは彼らを敵視するだけでなく、聴聞会を乗り切るために利用することも視野に入れていた
- 会議の最後に、亡き夫の妹ルクレツィアが不気味な笑顔で「ささやかなお願い」を切り出してきた
【ある継母のメルヘン】第6話をネタバレありでわかりやすく解説する
腹黒い親戚たちとの腹の探り合いを終えたシュリー。亡き夫の妹、ルクレツィアが切り出した「ささやかなお願い」は、意外にも子供たちを気遣うものでした。シュリーがこの提案を受け入れたことで、事態は新たな局面を迎えます。そしてその夜、長男ジェレミーとの間に、関係の変化を予感させる出来事が起こるのでした。
夜の庭でジェレミーとの対話
傍系家族との会議を終えた夜。執事のロベルトがシュリーの部屋を訪れると、そこはもぬけの殻でした。あれだけ疲れる会議の後だというのに、机の上の書類は完璧に処理されています。
その頃シュリーは、騎士団長アルベルンの護衛のもと、気分転換に夜の庭を散歩していました。ひんやりとした夜の空気が、会議で火照った頭を冷やしてくれます。
そこへ、長男のジェレミーがやってきました。
「こんな夜中にふらふらと…」
まるで夜遊びをとがめるような口調ですが、その瞳には心配の色も窺えます。シュリーは逆に、子供の就寝時間を過ぎているジェレミーをからかい、彼を不服そうな顔にさせました。
まだどこかぎこちないながらも、以前の険悪な雰囲気とは違う空気が二人の間に流れます。ジェレミーはシュリーに話があると言い、騎士団長アルベルンに席を外すよう願いました。
ルクレツィアの意外な「ささやかなお願い」
二人きりになると、ジェレミーはディナーの前に叔母のルクレツィアと話したことを切り出しました。そして、会議の最後に彼女が口にした「ささやかなお願い」の内容をシュリーに問いただします。
シュリーは子供たちに報告し忘れていたことを詫びながら、ルクレツィアの提案について説明しました。
「兄の突然の死で、子供たちの心に大きな傷ができたのではないか…」
「もし許されるなら、数日間この屋敷で過ごし、あの子たちを直接慰めてあげたい」
これが、彼女のお願いの全てでした。
ルクレツィアはもともと子供たち、特に双子と仲が良かったため、シュリーはこれを良い申し出だと判断し、快く了承したのでした。
叔父叔母たちの協力、その裏にあるシュリーの計算
ルクレツィアの提案は、他の兄妹にも影響を与えました。姉の優しさに触発されたのか、弟のヴァレンティノも「チビたちに何かしてやりたい」と申し出たのです。
「剣などいかがかしら?」
シュリーがそう提案すると、ジェレミーは信じられないという顔をします。ヴァレンティノは騎士とはいえ、実力は怪しいものだとジェレミーは考えていたからです。しかしシュリーは、次男エリアスの有り余るエネルギーを発散させる良い機会だと考え、ヴァレンティノに剣術の指導を任せることにしました。
さらに、ルクレツィアが双子の姉レイチェルの**デビュタント(社交界デビュー)**の準備を手伝う話まで、とんとん拍子に進んだことを説明します。
もちろん、シュリーは彼らを心から信頼しているわけではありません。しかし、父を亡くしたばかりの子供たちの精神的な安定を考えれば、慣れている大人がそばにいることは重要です。そして何より、厄介な親戚たちに「貸し」を作り、彼らの機嫌をとっておくことは、今後の聴聞会を乗り切るための計算高い一手でもあったのです。
突然の惨劇!双子が浴びせた冷たい水
シュリーの説明を聞きながら、ジェレミーは彼女をじっと見つめて言いました。
「…理由は分かりませんが、なんだか夫人の様子がおかしい」
シュリーの急な変化に、誰よりも鋭く気づいていたのは、やはり長男のジェレミーでした。
シュリーは話を逸らしますが、ジェレミーは意外にも、叔父叔母たちの申し出が弟妹にとって良い機会かもしれないと認め始めます。エリアスの剣術指導も、レイチェルのデビュタントの準備も、確かに子供たちのためになる。少しずつですが、ジェレミーがシュリーの考えを理解しようとし始めている、そんな確かな手応えを感じた瞬間でした。
しかし、その穏やかな時間は、唐突に引き裂かれます。
バシャアアアアア!
突如、頭上から大量の水が降り注ぎ、シュリーは為す術もなく濡れそぼって地面に倒れ込んでしまいました。
見上げると、そこには空のバケツを持った双子のレイチェルと、悪びれもなく笑うレオンの姿が。
レイチェルは冷たく言い放ちます。
「偽物は罰を受けなきゃ。夜更かしをした罰よ」
父の死による悲しみが、幼い双子をここまで残酷にさせてしまったのでしょうか。ようやく見え始めた希望の光は、子供たちの無邪気な悪意によって、冷たい水とともに無残に消え去ってしまったのでした。
【ある継母のメルヘン】第6話を読んだ感想(ネタバレあり)
てっきり厄介事を押し付けてくるかと思いきや、ルクレツィアの「お願い」が意外にもまともで驚きました。もちろん、その裏には屋敷に入り込んで主導権を握ろうという下心が見え隠れしますが…。それをシュリーが冷静に見抜き、子供たちのケアと親戚対策を同時に進めるためのカードとして利用する展開は、本当にお見事です!
そして、今回はジェレミーとの関係に大きな進展がありましたね!彼がシュリーの変化に気づき、不満を漏らしながらも彼女の決定を認め始めている様子は、今後の雪解けを大いに期待させてくれます。この二人が手を取り合う日が来れば、ノイヴァンシュタイン家は安泰でしょう。
しかし、そんな希望に満ちた空気を一瞬で凍りつかせた双子のイタズラには、読んでいて本当に胸が痛みました…。父を亡くした悲しみや寂しさが、継母への攻撃という歪んだ形で表れてしまっているのでしょう。子供たちの純粋さが、時としてどれだけ鋭い刃物になるのかを思い知らされます。
ずぶ濡れになって倒れたシュリーを見て、ジェレミーはどう動くのか。そしてシュリーは、この残酷な仕打ちにどう向き合っていくのか。ようやく縮まり始めた家族の距離が、この事件によって再び引き裂かれてしまわないか、心配でなりません。
【ある継母のメルヘン】第6話のネタバレまとめ
- シュリーは夜の庭を散歩中、長男ジェレミーと遭遇し、二人きりで対話する
- 叔母ルクレツィアの「お願い」とは、子供たちを慰めるために数日間屋敷に滞在したい、というものだった
- シュリーはこれを了承し、さらに叔父ヴァレンティノに次男エリアスの剣術指導を、ルクレツィアに双子レイチェルのデビュタントの準備を任せる
- ジェレミーはシュリーの変化に気づきながらも、彼女の決定に一定の理解を示し始める
- しかし、会話の直後、シュリーは双子のレイチェルとレオンに「偽物」と呼ばれ、頭から冷水を浴びせられ倒れてしまう
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