悪役令嬢

【ある継母のメルヘン】9話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 病み上がりのシュリーは、屋敷の雰囲気がおかしくなっているという「違和感」の正体を探り始めていた
  • 庭で次男エリアスに因縁をつけられるが、シュリーは笑顔で冷静に対応し、彼の反抗をジェレミーが制した
  • 叔母ルクレツィアはレイチェルの早期の社交界デビューを勧めるが、シュリーはこれを毅然と断る
  • その夜、ルクレツィアとヴァレンティノが、シュリーを追い出して家を「丸のみ」にする恐ろしい計画を立てていることが明らかになった

【ある継母のメルヘン】第9話をネタバレありでわかりやすく解説する

屋敷に漂う違和感の正体を突き止めるため、シュリーがついに本格的な行動を開始します。まずは亡き夫のための「追悼招宴」を自ら主催することで当主としての威厳を示し、さらに信頼する3人の責任者を集めて、屋敷内で巧妙に進められていた情報操作の実態を暴き出そうとするのでした。

当主の威厳を示す「追悼招宴」への決意

叔父叔母たちが屋敷に来てから数日。シュリーは、1度目の人生で全ての親戚を追い出した後の物寂しい静けさとは違う、奇妙な違和感に包まれていました。(もしかしたら、間違った選択をしたのかもしれない…)そんな不安が彼女の心をよぎります。

葬儀に関する決済処理を終えたシュリーの次の課題は、亡き夫のための**「追悼招宴」**です。

1度目の人生では、貴族議員会で夫の親友ニュルンベル卿がこの招宴を提案し、資金や場所の援助まで申し出てくれました。当時のシュリーは、彼の善意にただ「同意します」と静かに頷くことしかできなかったのです。

しかし、今のシュリーは違います。

(ニュルンベル卿は心配してくださったのでしょう。でも…!)

今の彼女には、誰の助けも借りず、自らの力でやり遂げる自信がありました。追悼招宴の開催は、当主としての決定能力を証明し、家が安定していることを内外に示す絶好の機会なのです。やることが山積みだと、むしろ仕事に燃えるシュリーの姿を、執事長のロベルトは目を丸くして見つめていました。

使用人たちの裏切り?闇夜に響く噂話

仕事に集中しすぎたシュリーは、夜更けに気分転換のため、ランタンを手に一人で屋敷内を散歩していました。すると、どこからか使用人たちのひそひそ話が聞こえてきます。

「どうせ間もなくいなくなる人間さ」

「多数の者がすでに背を向けている。誰の下につくべきか、よく考えることだ」

それは、明らかにシュリーのことでした。彼女を当主として認めず、完全に見限っている言葉です。声の主はランタンの光に気づくと、慌ててその場を去っていきました。唖然とするシュリー。屋敷内に渦巻く不穏な空気が、ただの思い過ごしではないことを確信した瞬間でした。

白いハンカチが合図、秘密の謁見

翌朝の食卓は、奇妙な空気に包まれていました。ルクレツィアが一人楽しげに社交界の話をする一方で、子供たちは押し黙り、静かに食事をしています。シュリーが授業の様子を尋ねても、エリアスとレイチェルからは「別に」「普通」と素っ気ない返事が返ってくるだけ。ルクレツィアがすかさず「厳しい先生が怖いのかしら」などとフォローを入れますが、その光景はシュリーの違和感をさらに強めるのでした。

食事の後、シュリーが廊下を歩いていると、一人の騎士が声をかけてきました。彼は落とし物だと言って白いレースのハンカチを手渡しながら、小声でこう囁きます。

「アルベルン団長が、内密に謁見をお望みです」

それは、屋敷内の異常事態を知らせる、秘密の合図でした。

暴かれる情報操作!3人の責任者の連絡網は遮断されていた

シュリーの部屋に、彼女が最も信頼する3人の責任者が集められました。騎士団長アルベルン、執事長ロベルト、そして侍女長グウェンです。

シュリーは、なぜ正規の手続きを踏まず、内密に謁見を求めたのかとアルベルンに問います。

アルベルンの口から語られたのは、衝撃的な事実でした。叔父ヴァレンティノによるエリアスへの剣術指導が、**「躾のレベルを超えている」**と騎士団内で問題視されていたのです。アルベルンは、この危険な状況を執事長ロベルトを通してシュリーに報告したにもかかわらず、何の返事もなかったと訴えます。

しかし、ロベルトは**「騎士団からそのような報告は一切受けておりません」**と驚愕。彼は逆に、使用人たちの間で広まっている「シュリーが間もなく屋敷を離れる」という噂の真偽を確かめるために呼ばれたのだと思っていました。

その噂を、今度は侍女長のグウェンが「存じ上げません」と否定します。

騎士団、執事、侍女。この屋敷を支える3人の責任者の間の連絡網(疎通ライン)が、何者かによって完全に遮断されていたのです。

全てのピースが繋がりました。使用人たちの奇妙な動揺、行き違う報告、そして昨夜の噂話。シュリーは全てを理解しました。

「ロベルト」

静かですが、決して揺るがない声で、シュリーは命令します。

「他の者に知られぬよう、ただちに使用人全員を集合させなさい」

彼女の瞳には、黒い陰謀の正体を暴き、家を守り抜くという固い決意の炎が燃えていました。

【ある継母のメルヘン】第9話を読んだ感想(ネタバレあり)

ついにシュリーの反撃が始まりましたね!今回は読んでいて「待ってました!」と快哉を叫びたくなるような展開でした。特に、信頼する3人を集めて、屋敷内の異常事態の全貌を鮮やかに解き明かしていく様子は、まるで名探偵のよう。1度目の人生でただ翻弄されるだけだった少女が、ここまで冷静沈着なリーダーに成長したのかと思うと、胸が熱くなります。

それにしても、ルクレツィアたちのやり口は本当に陰湿ですね。暴力や脅迫ではなく、巧妙な情報操作でじわじわとシュリーを孤立させ、屋敷を内側から崩壊させようとする手口には、悪寒が走りました。使用人たちの噂話のシーンは、味方が誰もいなくなる恐怖を感じさせます。

そして、ヴァレンティノのエリアスへの指導が「躾レベルを超えている」というのも非常に気になります。これはもはや虐待なのではないでしょうか。子供たちが元気をなくしている本当の理由がここにあるのかもしれません。

最後の「使用人全員集合!」の命令には、痺れました。シュリーがこれからどんな手で裏切り者を炙り出し、黒幕である叔父叔母たちに一撃を食らわせるのか。次回の展開が楽しみでなりません!

【ある継母のメルヘン】第9話のネタバレまとめ

  • シュリーは当主としての威厳を示すため、亡き夫の「追悼招宴」を自ら主催することを決意する
  • 夜の散歩中、使用人たちが「シュリーはもうすぐいなくなる」と噂しているのを耳にし、屋敷内の不穏な動きを確信する
  • 騎士団長アルベルンから内密の謁見を求められ、信頼する執事長、侍女長と共に話を聞く
  • ヴァレンティノのエリアスへの行き過ぎた指導が問題になっていたが、その報告はシュリーたちに届いていなかった
  • 3人の責任者間の連絡網が何者かによって遮断され、情報が操作されていたことが判明する
  • 全てを悟ったシュリーは、陰謀の正体を暴くため、使用人全員を召集するよう命じた

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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