【うちの夫は子供がほしくない】第10話をネタバレありでわかりやすく解説する

ずっちー
前話のおさらい
  • シュンの「俺よりも大事なのかよ」という叫びをきっかけに、彼が親から一番に愛されなかった子供時代のトラウマが明らかになりました 。
  • 彼は、子供ができたらミカにとっての一番ではなくなること、そして自分が親として無条件の愛を注げる自信がないという「親になることへの恐怖」を涙ながらに告白しました 。
  • 彼の本心を初めて理解したミカは、感謝の言葉を伝えました 。
  • シュンは以前のような優しい夫の姿を取り戻そうとしますが、ミカは彼の告白が「遅すぎた」と感じていました 。

【うちの夫は子供がほしくない】第10話をネタバレありでわかりやすく解説する

前話でついに明かされたシュンの心の傷。第10話「夫の本音」では、物語の視点がシュンに移り、これまで語られることのなかった彼の内面と、ミカとのすれ違いがなぜここまで大きくなってしまったのか、その経緯が彼の目線で描かれます。

夫の本音〜シュン視点で描かれる過去〜

物語は、シュンのモノローグから始まります 。彼は子供の頃から自分が冷めている性格だと自覚しており、何事もそつなく要領良くこなして生きてきたと考えていました

そんな彼にとっての転機は、ミカとのある日のデートでした 。テーマパークでパレードを見ながら、ミカが無邪気に「女の子も男の子もほしいな!」「2人ほしい!」と語りかけた瞬間、シュンの心臓はドシンと揺れました

その時彼は、生まれて初めて、自分は子供が欲しくないと明確に自覚したのです 。その気づきは、職場で聞いた会話と重なりました。優秀な女性の同僚が、「キャリアやチャンスを諦めたくない」「女性はまだまだ働きづらい」という理由で、自分は子供を欲しくないと話していたのです

時代の流れとミカへの誤解

シュンは、自分の「子供が欲しくない」という気持ちを、時代の変化で正当化しようとします 。彼はもともと子供があまり好きではなく 、職場の同僚たちも「一昔前は結婚出産みたいな固定観念があったけど、今は多様化が進んで幸せは人それぞれ」と話していました

彼は、自分の考えこそが現代的な「令和って感じ」であり 、古い固定観念にとらわれているミカの方が考えを改めるべきだと考えていたのです

しかし、その考えには彼自身も矛盾を感じていました 。ミカは学生時代から、自己主張が強いタイプではなく、むしろ半歩下がって歩くような、古風なしきたりを大切にする女性だったからです 。そんな彼女を理解していたにもかかわらず、シュンは自分の考えを押し通そうとしていました。

乗り切れたはずの時間と、変わってしまった妻

シュンは、ミカと二人だけの生活に充分幸せを感じていました 。結婚して最初の数年は、彼女のメンタルを安定させるために、できる限り優しく接することで、子供が欲しいという気持ちを乗り切れると考えていたのです

彼は、ミカも40歳を過ぎれば子供の話をしなくなるだろうと、どこか軽く考えていました 。しかし、彼の予想とは裏腹に、ミカの要求は年々強まっていき、ついには「別れるのも視野に入れてる」という言葉まで飛び出すようになります

あんなにニコニコして穏やかな子だったミカが、まるで別人のようになってしまった 。その変化に、シュンは大きなショックを受けていました

八方ふさがりの孤独

変わってしまったミカを見るのが辛く、シュンは次第に家にいたくないと感じるようになっていきます

問題の解決の糸口は見つからず、彼は八方ふさがりの状態でした 。しかし、子供の頃から誰かに相談などしたことがなかった彼は、こんなみっともないことを誰かに話すことなどできませんでした

自分一人ではもう解決できないところまで来ている 。そう薄々気づいていながらも、彼は同僚との飲み会に逃げ、妻は理解があるフリをしていました 。そうして孤独を深めていった先に、あの夜の激しい衝突があったのです

【うちの夫は子供がほしくない】第10話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、物語の視点がシュンに移ることで、彼の行動原理や苦悩が手に取るようにわかり、非常に深みのある回でした。これまで一方的にミカを苦しめる存在に見えていたシュンでしたが、彼もまた、彼自身の価値観と現実との間で深く悩み、孤独に陥っていたのだと知ることができました。

特に印象的だったのは、テーマパークでの出来事です。ミカにとっては幸せな未来を語る何気ない一言が、シュンにとっては「自分は子供を欲しくない」という本音を自覚させられる、心臓が凍るような瞬間だった。この認識のズレこそが、二人のすれ違いの原点だったのですね。

彼が、自分の気持ちを「時代の流れ」や「多様性」といった言葉で正当化しようとする姿は、とても人間らしいと感じました。人は誰しも、自分の弱さや本音を、もっともらしい理屈で武装したくなるものです。彼は、自分が「正しい」と思い込むことで、ミカの気持ちと向き合うことから逃げていたのかもしれません。

そして、最も胸が痛んだのは、彼の孤独です。誰にも相談できず、家にいることさえ辛くなり、ただただ時間が過ぎるのを待つしかなかった。彼の不器用さとプライドの高さが、事態をさらに悪化させてしまった。この章を読んで、夫婦の問題はどちらか一方だけが悪いということはなく、双方の視点から見なければ本質は理解できないのだと、改めて痛感させられました。

【うちの夫は子供がほしくない】第10話のネタバレまとめ

  • 物語の視点がシュンに移り、彼が「子供を欲しくない」と明確に自覚したのが、ミカとのテーマパークでのデートだったことが明かされます 。
  • シュンは、自分の考えを「多様性を重んじる現代的な価値観」だと正当化し、ミカが古い考えにとらわれているのだと考えることで、問題から目をそらしていました 。
  • 彼は、ミカも40歳を過ぎれば子供を諦めるだろうと軽く考えていましたが、彼女の要求がエスカレートし、別れを切り出されたことで、深く追い詰められていきます 。
  • 誰にも相談できず八方ふさがりの状態に陥ったシュンは、家にいることが辛くなり、解決策を見いだせないまま孤独を深めていきました 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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