【うちの夫は子供がほしくない】第11話をネタバレありでわかりやすく解説する

ずっちー
前話のおさらい

  • シュンの「俺よりも大事なのかよ」という叫びをきっかけに、彼が親から一番に愛されなかった子供時代のトラウマが明らかになりました。
  • 彼は、子供ができたらミカにとっての一番ではなくなることへの恐怖と、自分が親として無条件の愛を注げる自信がないという「親になることへの恐怖」を涙ながらに告白しました。
  • 彼の本心を初めて理解したミカは、感謝の言葉を伝えました。
  • シュンは以前のような優しい夫の姿を取り戻そうとしますが、ミカは彼の告白が「遅すぎた」と感じており、二人の間には依然として大きな課題が横たわっていました。

【うちの夫は子供がほしくない】第11話をネタバレありでわかりやすく解説する

夫の魂の告白を受け、二人の関係は新たな局面を迎えました。第11話「妻の決断」では、すべての本音を知った上で、ミカが自らの人生のために下す、静かで、しかし揺るぎない決断が描かれます。

変わらないもの、変えられないもの

シュンの話を聞いて、ミカはある結論に至ります。 子供が欲しいか欲しくないかという問題は、メリットやデメリットといった理屈ではなく、もっと漠然とした、その人の根源的な感覚に近いものなのだ、と。 それは、子供を持つことに対して、その人がなんとなく「ポジティブ」なのか、それとも「ネガティブ」なのかという違いでしかありません。

そして、その感覚は、簡単には変わらないものだとミカは悟ります。 むしろ、その人にとって大切だからこそ、無理に変えるべきではないものなのだ、と。

ミカは、子供のいない人生が不幸だとは決して思っていません。 このままシュンと二人で、自由に旅行をしたりして暮らす人生も、本当に幸せなものだろうと心から思います。

天秤の示す先〜妻の決断〜

しかし、それでも。 二つの幸せを天秤にかけた時、何度やり直しても、どうしても子供のいる人生の方に傾いてしまうのです。

ミカの頭の中では、冷静なもう一人の自分がささやきかけます。この平穏な生活を捨てるのか、と。 35歳という年齢で、今から新しい相手が見つかる保証はない。 たとえ再婚できても、子供ができる可能性は高くない。

それでも、彼女の決意は揺らぎませんでした。 ミカは、自分の欄だけを記入した離婚届をテーブルの上に置きます。 「ごめんね」と心の中でつぶやき、彼女はすでにウィークリーマンションを借りたことをシュンに告げるのでした。

一人暮らしの始まりと未来への希望

段ボールに囲まれた新しい部屋で、ミカは「今日から一人で暮らすんだ…」という現実を噛みしめます。 感傷的になってはいけない、と自分に言い聞かせながら荷物を片付けていると、一冊の古い旅行ガイドブックを見つけます。 それは、大学時代に友人と行くはずだった卒業旅行の計画書でした。 あの時は、直前に東日本大震災があって行けなかったのです。

シュンは海外旅行があまり好きではなかったため、彼との旅行はいつも国内でした。 でも、今なら行ける。 その思いは、彼女の心に小さな希望の光を灯します。

涙がこぼれ落ちます。 それが嬉しい涙なのか、悲しい涙なのか、自分でもわかりません。 長年悩み続けた日々から抜け出せた喜びと、夫と別れた寂しさ、そしてこれからの未来への不安。 全ての感情が、本当の気持ちでした。 でも、彼女は前を向きます。荷解きをするように、これからのことも、自分の感情も、一つずつ整理して、自分の力で道を切り開いていけるはずだ、と。

夫のその後

一方、一人残されたシュンはベッドに横たわり、スマートフォンを眺めていました。 彼は、後々面倒なことにならないよう、親には離婚するかもしれないと伝えておかなければ、と考えていました。 そういえば、もう何年も地元に帰っておらず、両親にも会っていないことに気づきます。

その時、高校のサッカー部のグループチャットに、一件のメッセージが届きました。 地元で店を出すという同級生からの、プレオープンの誘いでした。 それは、彼が故郷へ帰り、自らの過去と向き合うための、一つのきっかけとなるのかもしれません。

【うちの夫は子供がほしくない】第11話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、ミカの静かで、しかし非常に力強い決断に胸を打たれる回でした。シュンの告白を経て、彼女がたどり着いた「子供が欲しいかどうかは、変えられないし、変えるべきではない根源的なもの」という結論は、この物語の核心を突くものだと思います。どちらが正しいか、間違っているかではなく、ただ「違う」だけ。その違いを認め、相手を尊重した上で、それでも自分の人生のために前に進むことを選んだ彼女の姿は、とても凛として見えました。

離婚届を置いて家を出るという行動は、大きな痛みを伴うものですが、その後の彼女の姿には不思議と悲壮感がありませんでした。古い旅行ガイドを見つけて「今なら行ける」と希望を見出すシーンは、彼女が「シュンの妻」という役割から解放され、「一人の人間・ミカ」としての人生を取り戻し始めた象徴的な場面だと感じます。嬉しさと悲しさが入り混じった涙は、彼女がこれから歩むであろう人生の複雑さと豊かさを予感させてくれました。

最後のシュンの場面も印象的です。彼もまた、この別れをきっかけに、長年避けてきたであろう自身のルーツ、つまり故郷や両親と向き合うことになるのかもしれません。二人は別々の道を歩み始めましたが、それはお互いが自分自身の人生を生き直すための、必然的な一歩だったのではないでしょうか。切ないけれど、確かな希望を感じさせる、素晴らしい回でした。

【うちの…】第11話のネタバレまとめ

  • シュンの本心を知ったミカは、子供を望むか望まないかは、理屈ではなく変えることのできない個人の本質的な感覚だと結論付けます。
  • 二人でいる幸せも理解しつつ、どうしても子供を望む自分の気持ちを諦めることはできないと悟ります。
  • ミカは自ら離婚届に署名し、家を出て一人暮らしを始めるという決断を下します。
  • 新生活を始め、ミカは過去に諦めた海外旅行など、自分のための人生を歩み始める希望を見出します。
  • 一方、一人になったシュンのもとに、故郷の友人から連絡が入り、彼もまた自身の過去と向き合うきっかけを得ます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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