【うちの夫は子供がほしくない】第13話をネタバレありでわかりやすく解説する

ずっちー
前話のおさらい
  • 離婚の報告のため、シュンは長年疎遠だった実家へ向かいました 。
  • そこで父から、両親はシュンの結婚直後に離婚しており、世間体やシュンの就職のために夫婦のフリを続けていたという衝撃の事実を知らされました 。
  • その後、自分の店を持って自立していた母と再会し、「相手の覚悟を尊重するのも愛」という、これからの彼の人生にとって重要なアドバイスを受けました 。
  • 旧友との再会で、周囲が抱く理想のイメージと現実とのギャップに直面し、彼は自らの口から離婚の事実を告げることになりました 。

【うちの夫は子供がほしくない】第13話をネタバレありでわかりやすく解説する

自らの過去と向き合うため、故郷に戻ったシュン 。旧友との再会は、彼に自身の凝り固まった心を見つめ直す、最後のきっかけを与えます。第13話「自分だけ時間がとまっていた」では、シュンがたどり着いた答えと、二人がそれぞれ歩み出す新たな道が描かれます。

旧友との語らいと新たな気づき

同級生の店のプレオープンパーティーは続きます 。そこで、一人の友人が、かつて婚約破棄をした経験を語り始めました 。その驚くべき理由は、「彼女に経験があることが受け入れられなかった」というものでした

友人は、好きだからこそ受け入れようと努力し、カウンセリングにも通ったと言います 。しかし、どうしてもその考えを変えることができず、一緒にいることがお互いを苦しめる結果になってしまったと話しました

その話を聞いていたシュンは、「考えがちょっとやそっとじゃ変えられないってのはわかる」と、深く共感します 。そして、自分も今、離婚の危機にあることを打ち明けるのでした 。あの鉄仮面のようなシュンからの告白に、友人たちは驚きを隠せません

止まっていた時間

パーティーが終わり、母からのメールで、シュンは実家の自分の部屋で眠ることにしました 。扉を開けると、そこは彼が家を出た時のまま、時が止まったような空間でした

酔いが覚めた翌朝、シュンは昨夜のことを振り返ります 。そして、あることに気づきました。自分の中の両親の記憶は、子供の頃のまま止まっていたのではないか、と。彼の記憶の中の父と母は、子供が嫌いで冷たく、人間味のない存在でした 。しかし、昨日再会した彼らは、本当に記憶の中の人物と同じだったのでしょうか

恐れの正体

シュンの中で、長年の思い込みが崩れていきます。子供の頃、あれほど恐れ、軽蔑していた両親 。しかし、大人になった今、改めて見てみれば、彼らもまた、ただの「ごく普通の人間」だったのかもしれません

その瞬間、シュンは自分の恐怖の正体を悟ります。彼は、ようやく手に入れたと思っていたミカとの幸せを失うことを、何よりも恐れていたのです 。その恐怖心から、彼は必死に抵抗していました。話を先延ばしにしたり、怒ってみせたり、理屈で彼女を言いくるめようとしたり 。それら全てが、幸せを失いたくない一心からの行動だったのです。

それぞれの旅路

場面は変わり、ミカがアパートに戻ってきます。2週間も家を留守にしていた彼女は、山積みの郵便物を手に取ります 。その中には、「受理証明書」と書かれた一通の封筒がありました 。二人の離婚が、法的に成立したことを示すものでした。

彼女は、旅してきた北欧の空を思い返します。「素敵だったぁ…」とつぶやくその表情は、晴れやかです 。物語は、彼女が新たな人生へと歩み出す後ろ姿で、静かに幕を閉じます。

【うちの夫は子供がほしくない】第13話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、シュンの心の解放と、二人の旅立ちを描いた、静かで感動的な最終回でした。旧友の告白が、シュン自身の凝り固まった心を解きほぐす鏡の役割を果たしたのが見事でしたね。自分と同じように、変えられない価値観に苦しむ友人の姿を通して、彼は初めて自分を客観視できたのかもしれません。

そして、時が止まったままの子供部屋。ここは、彼の心の象徴そのものでした。彼はずっと、子供の頃の視点で両親を裁き、その恐怖に縛られて生きてきた。しかし、故郷に帰ったことで、彼の時間は再び動き出しました。両親が、恐ろしい怪物などではなく、ただの不器用で普通の人間だったと気づいた瞬間は、彼にとって本当の意味での「大人になる」瞬間だったのではないでしょうか。

自分の恐怖の正体が「幸せを失うこと」だったと悟るシーンは、この物語の核心でした。彼の全ての行動は、不器用な愛情の裏返しだった。そのことに彼自身が気づけたことが、何よりの救いです。

ラストシーンのミカの姿も、とても印象的でした。離婚届の受理証明書と、楽しかった北欧旅行の思い出。それは、一つの関係の終わりと、新しい人生の始まりを象徴しているようでした。そこにはもう、苦悩や葛藤の色はなく、未来へ向かう清々しさだけが感じられました。二人は別々の道を歩むことになりましたが、この旅を通して、それぞれが自分自身を見つめ、過去を乗り越えることができた。そう思える、希望に満ちたラストだったと思います。

【うちの夫は子供がほしくない】第13話のネタバレまとめ

  • 旧友との再会で、自分と同じように変えられない価値観に苦しむ友人の話を聞き、シュンは自身の状況を客観的に見つめ直し、離婚の危機にあることを打ち明けます 。
  • 時が止まったままの子供部屋で、シュンは自分の中の両親の記憶が子供時代のままであり、大人になった今、彼らもまた普通の人間だったと気づきます 。
  • 彼は、自分がミカとの幸せを失うことを恐れるあまり、頑なに抵抗していたのだと、自身の行動の根本的な理由を悟ります 。
  • 一方、2週間の北欧旅行から帰宅したミカは、郵便物の中に離婚届の「受理証明書」を見つけます 。二人の関係は終わりを告げ、それぞれが新たな人生を歩み始めます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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