【うちの夫は子供がほしくない】第4話をネタバレありでわかりやすく解説する

ずっちー
前話のおさらい
  • 夫のシュンが仕事で多忙になり、ミカは孤独な夜を過ごすことが増えた 。
  • 一人で入ったダイニングバーでスピリチュアルカウンセラーのアンナと出会い、「幸せには敏感で不幸には鈍感に」というアドバイスに心が救われた 。
  • 帰宅後、夫のために夜食を用意し「私良い奥さんやれてる」と自分を肯定することで、心の平穏を取り戻そうとした 。

【うちの夫は子供がほしくない】第4話をネタバレありでわかりやすく解説する

新たな出会いをきっかけに、少しだけ心の平穏を取り戻したミカ。しかし、その安らぎは長くは続きませんでした。第4話では、せっかく見つけた「居場所」が予期せぬ形で失われ、ミカは自分自身の心に潜む「本当の問題」と向き合うことになります。

心の平穏を取り戻したミカの日常

第4話のタイトルは「居場所がほしい」

あの夜以来、ミカは仕事が落ち着いているときに、ダイニングバー「こみに亭」に通うようになりました

不思議なことに、バーに通い始めてから、ミカの心は穏やかになりました 。フリーランスになってからは社会的な所属がなく、友人も子持ちが多くて気軽に遊べない 。話し相手といえば夫のシュンくらいだったため 、知らず知らずのうちに彼に精神的な負荷をかけてしまっていたのかもしれない、とミカは考えます

「たぶん私は居場所がほしかったんだと思う」

新しい話せる場所ができたことで心に余裕が生まれ、人にも優しくなれるようになった気がする 、とミカは感じていました。シュンが仕事から帰ってきたときも、以前よりずっと穏やかな気持ちで「おつかれさま」と迎えることができています

忍び寄る怪しい影

ある日、いつものように「こみに亭」を訪れると、アンナが待ち構えていたかのように声をかけてきました

「ミカちゃんのためにアタシ頑張っちゃったわ」 。そう言って彼女が取り出したのは、怪しげな袋でした。

「これ 子宝に恵まれる薬草よ」

アンナは、子供を欲しがっていたミカのために特別な薬草を手に入れたのだと言い、強引に購入を勧め始めます。提示された価格は6袋セットで72,000円 。あまりの高額にミカは絶句します。

アンナは「会員になればもっとお得なのよ」 、「通院しても全然だったのにコレ飲んだらできたって人もいるの」 と、まくし立てます。さらには、「優秀会員に選ばれたアタシが、会長にどうしてもって頼み込んで1セットだけ売ってもらえたの!」 と、ミカが断りづらい状況へと追い込んでいくのでした。

救いの手と失われた居場所

明らかに怪しい勧誘に、ミカは「どっ…どうしよう」とパニックに陥ります 。助けを求めようにも、店のオーナーは見て見ぬフリ

その時、ミカの窮地を救ったのは、隣の席に座っていた見知らぬ男性客でした。 彼はミカにそっと耳打ちします。「大丈夫ですか?」 、「もしよかったら電話に出るフリして外に出ちゃってください」 、「良いタイミング見て自分かけますんで」

彼の機転により、ミカは「すみません ちょっと仕事の電話を…」という口実で、その場をなんとか抜け出すことに成功します 。電話は非通知でかけられており、お礼を言うこともできませんでした

助かったことに安堵するミカでしたが、すぐに厳しい現実に気づきます。 「でももうこみに亭にも行けなくなっちゃったな」 。せっかく見つけた大切な居場所は、こんな形で失われてしまったのです

気づかないフリをしていた「本当の問題」

一人帰り道を歩きながら、ミカは自分自身の心と向き合います。 アンナが少し怪しい人物であることは、「でもホントは最初からなんとなく気づいてた」

ではなぜ、気づかないフリをしていたのか。 「だって気づいちゃったら せっかく手に入れた居場所を失っちゃうんだもん」

居心地の良い場所を失いたくない一心で、見て見ぬフリをしていたのです

そして、ミカは悟ります。 「シュンとの関係もこれと同じだって」

夫が「いずれはほしいって言ってくれてるし…!」という言葉を必死に信じようとしているけれど、本当は心の奥底で気づいている 。夫が本心では子供を望んでいないという事実に。

居場所を失いたくないからアンナの怪しさに目をつぶったように、シュンとの関係を壊したくないから、子供という大きな問題をただ「先送りにしてるだけだ」と 、ミカは痛感するのでした。

【うちの夫は子供がほしくない】第4話を読んだ感想(ネタバレあり)

前半、ミカが「こみに亭」という居場所を見つけ、心が穏やかになっていく様子に、読者として本当にホッとしていました。だからこそ、後半の急転直下の展開には息を呑みました。アンナの正体は、やはりというべきか、人の弱みにつけこむ悪質なもので、ミカが追い詰められていく場面は自分のことのようにハラハラしましたね。

そんな絶体絶命のピンチを救ってくれた、名も知らぬ男性の存在には心から「グッジョブ!」と言いたいです。世の中にはアンナのような人もいれば、こんな風にさりげない善意を発揮できる人もいるのだなと、少しだけ救われた気持ちになりました。

しかし、この第4話で最も心に突き刺さったのは、最後のミカの自己分析です。「気づいてたけど、気づかないフリをしてた」。この言葉の重み。それは、ただ居場所を失ったことへの後悔だけではなく、夫であるシュンとの関係そのものにも向けられた、痛切な刃でした。

心地よい関係を維持するために、一番大事な問題から目をそらす。この心理は、多かれ少なかれ、誰の心にも存在するのではないでしょうか。ミカが自分自身の「弱さ」と向き合った瞬間、物語は一気に深みを増したように感じます。居場所を失い、そして自分の中の「見ないフリ」にも気づいてしまったミカ。彼女はこれから、先送りにし続けてきた問題と、どう向き合っていくのでしょうか。次回の展開が、これまで以上に気になります。

【うちの夫は子供がほしくない】第4話のネタバレまとめ

  • ミカは行きつけになったダイニングバー「こみに亭」を心の拠り所とし、穏やかな日々を取り戻していた 。
  • ある日、バーで出会ったアンナから「子宝に恵まれる薬草」と称する高額な商品を強引に勧められてしまう 。
  • 追い詰められたミカは、その場に居合わせた見知らぬ男性客の機転によって、なんとかその場を逃れることができた 。
  • この一件で大切な居場所を失ったミカは、自分がアンナの怪しさに「気づかないフリ」をしていたことに気づく 。
  • そしてそれは、夫シュンが本当は子供を望んでいないという事実から目をそらし、問題を先送りにしている自分自身の姿と同じだと痛感するのだった 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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