【うちの夫は子供がほしくない】第5話をネタバレありでわかりやすく解説する

ずっちー
前話のおさらい
  • ミカは行きつけになったダイニングバー「こみに亭」を心の拠り所としていた 。
  • しかし、そこで出会ったアンナから「子宝に恵まれる薬草」と称する高額商品を強引に勧められた 。
  • 見知らぬ男性客の機転で難を逃れたものの、ミカは大切な居場所を失ってしまった 。
  • この一件を機に、ミカは自分が夫シュンとの子供の問題から「気づかないフリ」をして、問題を先送りにしてきただけだと痛感した 。

【うちの夫は子供がほしくない】第5話をネタバレありでわかりやすく解説する

せっかく見つけた居場所を失い、自分自身の心と向き合うことになったミカ。第5話「私の中の天秤」では、彼女の中で揺れ動く感情がついに限界を迎え、夫婦の関係は大きな転換点を迎えます。

私の中の天秤、その限界

ミカは、自分の中の気持ちを整理しようとします 。彼女の心の中には、一つの天秤がありました

片方の皿には、「子どもがほしい」という強い気持ち

もう片方の皿には、「子どもがいるリスク・デメリット」 、「子どもがいないからこそのメリット」 、「愛する人の気持ちに寄りそってあげたい」という想い

これまでミカは、後者の皿に意識的に重りを乗せることで、なんとか天秤のバランスを保とうとしてきました 。しかし最近、そのバランスが崩れ始めていました。「子どもがほしい」という皿が、どんどん重くなってきていたのです

そして、彼女は悟ります。 「多分もう」「これ以上は無理なんだ」と

心の天秤は、どうやっても「子どもがほしい」という方へ傾いてしまう 。そして、その先には「考えたくないけど考えないといけない2文字」 、つまり「離婚」が浮かんでいました

「おどしじゃないよ」涙の決意

その夜、シュンと二人でベッドに入ります。シュンは「つけなくていいよ」と、避妊をせずに愛情を確かめ合おうとします 。以前なら喜べたはずのその言葉も、今のミカには響きません。

彼女は、震える声で決意を口にします。 「もしこのまま もっと避妊されるなら」「別れるのも視野に入れなきゃいけない…かも」。

シュンは「何言ってんの?おどしか!!」と動揺しますが 、ミカは静かに「おどしじゃないよ」と答えるのでした

シュンは、今のままの二人の生活が「ずっと安泰なのはわかるよね?」と冷静に説得を試みます 。たとえ離婚して再婚できたとしても、子供ができる保証はない、と 。そして、「今はまだってだけでいずれはって言ってるんだよ?」と、いつもの言葉を繰り返します

しかし、ミカの苦しみは別のところにありました。 「今のこの 作ろうとすらできない状況がすごく辛いの」。 たとえ頑張ってもできなかったとしても、それはそれでいい 。でも、挑戦することすら許されない状況が、彼女を追い詰めていたのです

夫の譲歩と、妻の覚悟

ミカの悲痛な訴えと覚悟を前に、シュンはついに折れます。 しかし、その口から出た言葉は、愛情からではなく、冷たい計算によるものでした。

「別れるくらいなら子どもいる方がマシだわ」。

「じゃあ」「作ろう 子ども」。

その言葉に、ミカは「本当!?!」と涙を浮かべます 。シュンが「作るって…言ってくれた…!」 。長年の願いが叶った瞬間でした。彼女は早速、基礎体温表をダウンロードし、妊活への第一歩を踏み出します

結婚生活は「落としどころ」

喜びの一方で、ミカは冷静に自分たちの関係を見つめ直していました。「結婚生活は お互いの落としどころを見つけていくことが大切だもんね」

「あの俺様なシュンが譲歩してくれたんだもの」 。だから、自分も歩み寄らなければいけない 。ミカは一つの覚悟を決めます。

「もし自然にできなかったらそれはもう諦めよう」

それ以上はわがままを言わない、と。以前から妊娠についての知識は調べていたミカは 、夫の譲歩に応える形で、自分の中の新たな「落としどころ」を見出したのでした。

【うちの夫は子供がほしくない】第5話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、読んでいて胸が張り裂けそうになるほど、ミカの心の痛みが伝わってくる回でした。心の中を「天秤」で表現する描写が非常に巧みで、彼女の葛藤が視覚的に伝わってきました。愛する人の気持ちを尊重したい気持ちと、どうしても譲れない自分の願い。このバランスを取ろうと必死だったミカが、ついに「もう無理なんだ」と限界を認めるシーンは、見ていて涙が出そうになりました。

そして、ベッドでの対決シーン。ミカが「別れるのも視野に」と切り出した瞬間は、息を呑みました。これはもう、ただの夫婦喧嘩ではありません。お互いの人生の根幹を揺るがす、魂のぶつかり合いです。シュンの冷たいまでの正論も、ミカの「作ろうとすらできない状況が辛い」という悲痛な叫びも、どちらも理解できてしまうからこそ、この問題の根深さを感じます。

最終的にシュンは折れましたが、その理由が「別れるくらいならマシ」というのは、あまりにも切ないですね。喜びいっぱいのミカの表情とは裏腹に、読者としては一抹の不安を覚えてしまいます。これは本当に「解決」なのでしょうか。

最後のミカのモノローグ、「結婚生活は落としどころを見つけていくことが大切」。これは真理だと思います。シュンが譲歩したから、自分も「自然にできなかったら諦める」という覚悟を決める。この健気な姿には心を打たれましたが、果たしてこの「落としどころ」は、二人を本当の幸せに導いてくれるのでしょうか。大きな一歩を踏み出したようで、実はもっと危ういバランスの上に立ってしまったような、そんな予感をさせるラストでした。

【うちの夫は子供がほしくない】第5話のネタバレまとめ

  • ミカは心の中の天秤で「子供がほしい」という気持ちが抑えきれないほど重くなっていることを自覚し、これ以上は無理だと限界を感じる 。
  • ミカはシュンに対し、このまま避妊を続けるなら離婚も視野に入れるという決意を伝える 。
  • シュンは、ミカの「作ろうとすらできないのが辛い」という訴えと離婚の可能性を前に、「別れるくらいなら子どもいる方がマシ」という理由で子供を作ることに同意する 。
  • 長年の願いが叶ったミカは喜ぶと同時に、「シュンが譲歩してくれたのだから」と、もし自然に妊娠できなかった場合はきっぱりと諦めるという覚悟を決める 。

◁前の記事はこちらから

あわせて読みたい
【うちの夫は子供がほしくない】第4話をネタバレありでわかりやすく解説する
【うちの夫は子供がほしくない】第4話をネタバレありでわかりやすく解説する

▷次の記事はこちらから

あわせて読みたい
【うちの夫は子供がほしくない】第6話をネタバレありでわかりやすく解説する
【うちの夫は子供がほしくない】第6話をネタバレありでわかりやすく解説する
ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
記事URLをコピーしました