【さよならお兄ちゃん】20話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 星が残した手紙の続きには、兄たち一人ひとりに対する、具体的で、そして深い愛情の形が綴られていました。その健気なまでの愛情を知った兄たちは、後悔の念に、さらに深く苛まれることになります。
- 長兄の珉が、かつての「心のポスト」の中に、星の手紙とは別に、もう一つの封筒が入っていることを発見しました。その封筒には、星の運命を決定づけた、「星眠計画」に関する全ての書類が入っていることが強く示唆されます。
【さよならお兄ちゃん】第20話をネタバレありでわかりやすく解説する
時が止まったかのような、静寂に包まれた屋根裏部屋で見つかった、運命の「星眠計画」の封筒。兄たちが、その中身を確かめようとした、まさにその時でした。階下から、何かが激しく争うような、大きな騒ぎ声が聞こえてきたのです。それは、愛する妹、星が、この世に最後に残した、ささやかな思い出を巡る、新たな、そして決定的な争いの始まりを告げる、不協和音でした。
階下からの騒ぎ声
家政婦の、これまで聞いたことのないほど、切羽詰まった悲鳴にも似た声が、屋根裏部屋まで響き渡ってきます。
「お嬢様、どうか、そのようなことはなさらないでくださいませ!」
そのただならぬ、騒がしい声に、兄たちはハッと息を呑みます。
「もしかして、星が、戻ってきたのか…?」
一縷の望みを胸に、期待に心を膨らませながら、兄たちは、声がする階下へと、我先にと急ぎます。彼らはまだ、心のどこかで、星が、いつものように、はにかんだ笑顔で帰ってくるという、あまりにも淡く、そして都合の良い希望を、完全には捨てきれていないのです。
月の本性の爆発
しかし、彼らが、階下で目の当たりにしたのは、期待していたような、感動の再会の光景では、断じてありませんでした。そこでは、長年この家に仕える家政婦と、実の妹である月(タル)が、何かを取り合って、激しく揉み合っていたのです。
「お嬢様、お願いでございます。どうか、それだけはおやめください!」
家政婦が、涙ながらに、必死に止めようとしています。しかし、月は、もはやその本性を隠そうともせず、狂気に満ちた怒りを、家政婦に叩きつけていました。
「うるさいわね、このクソババア!いい加減、調子に乗るんじゃないわよ!あの女は、もうとっくの昔に、この家から追い出されたのよ!それなのに、どうして、こんなゴミを、いつまでも残しておく必要があるのよ!」
月の言う、その「ゴミ」とは、紛れもなく、星が、この家に残していった、ささやかな私物のことでした。家族で撮った、色褪せたアルバムや、兄たちからプレゼントされた、思い出の品々。それら全てを、月は、憎しみを込めて「ゴミ」だと言い放ったのです。
家政婦は、声を震わせながら、必死に訴えます。
「これは、ゴミなどではございません。星お嬢様が、この世に最後に残された、たった一つの、大切な形見なのでございます。」
しかし、その悲痛な叫びが、もはや月の耳に届くことはありません。
「よく聞きなさいよ。この家の、唯一無二のお嬢様は、この私なのよ。あの女じゃないわ。」
その言葉には、星に対する、長年蓄積された、どす黒い嫉妬と、この家における、自分の絶対的な立場を、何としてでも誇示したいという、歪んだ欲望が、醜く渦巻いていました。
最後の形見を巡る攻防
家政婦は、その小柄な体で、必死に抵抗を試みます。
「だめです。それは、星お嬢様が、最後に残された、大切なお品なのでございます。どうか、お手を触れないでくださいませ。」
しかし、月は、その懇願を聞く耳など、もはや持ち合わせていません。
「ただの写真のくせに、思い出だなんて、笑わせるんじゃないわよ。こんなもの、全部、この手でビリビリに破り捨ててやるわ!」
月は、星と家族が、幸せそうに微笑んでいる、一枚の写真を、その手の中に掴み取ると、憎しみを込めて、それを引き裂こうとします。その狂気に満ちた、醜い表情には、もはや、これまで兄たちの前で見せていた、可憐で、健気な妹の面影は、どこにも残っていませんでした。
「この家で、本当に愛されている妹は、この私だけなのよ!誰にも、この私に勝つことなんて、できやしないんだから!」
兄たちの登場
月が、自らの完全なる勝利を確信したかのように、甲高い声で叫んだ、まさに、その瞬間でした。
「お前、一体、何をしているんだ!」
兄たちが、その場に、到着したのです。彼らが、そこで見たもの。それは、星の、ささやかで、かけがえのない思い出を、憎しみのままに踏みにじろうとする、実の妹、月の、狂気的な姿と、それを、自らの身を挺して、必死で守ろうとする、家政婦の、悲痛な姿でした。
これまで、兄たちは、月の、巧みな嘘と、完璧な演技の言葉だけを信じ、その結果として、星を、精神的、そして肉体的に、追い詰めてきました。しかし、今、目の前で繰り広げられている、この信じがたい光景は、一体、誰が、本当の「悪」であるのかを、何よりも雄弁に、そして明確に、示していました。
物語は、兄たちが、ついに、愛する妹、月の、隠されていた本性を、その目で、はっきりと目の当たりにしてしまったところで、静かに幕を閉じます。月の、巧妙に張り巡らされた嘘と、完璧に計算された演技は、ついに、その限界を迎えようとしていました。星が、この世に最後に残した、たった一つの形見が、月の、厚い仮面を、無残にも剥がし、この家族に、さらなる、そして決定的な真実を、突きつけることになるのです。
【さよならお兄ちゃん】第20話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回の第20話は、これまで巧みに隠されてきた、月の醜い本性が、ついに兄たちの前で、白日の下に晒されるという、物語の転換点となる、非常に重要な回でした。見ていて、正直、本当にスカッとしましたが、それと同時に、これまで、月の、あまりにも稚拙な嘘に、いとも簡単に気づくことができなかった、兄たちへの、抑えきれない怒りも、こみ上げてきました。
「こんなゴミは、なぜ、いつまでも残してるのよ!」という、月の、吐き捨てるようなセリフは、彼女の、歪んだ人間性を、何よりも象徴しています。星にとって、何物にも代えがたい、かけがえのない思い出の品々を、何の躊躇もなく「ゴミ」と断じる。この、常軌を逸した感性を持っている時点で、彼女が、どれほど、歪んで、そして、醜い心を持っているかが、よくわかります。
家政婦の、「これは、お嬢様が、この世に最後に残された、たった一つの、大切な形見なのでございます」という、悲痛な言葉が、本当に、切なく、そして、胸に突き刺さりました。彼女だけが、この物語の中で、唯一、星の、本当の気持ちを理解し、その、ささやかな思い出を、必死に守ろうとしている。彼女こそが、この物語における、唯一の良心と言えるでしょう。
「この家で、本当に愛されている妹は、この私だけなのよ!」という、月の、ヒステリックな叫びは、彼女の心の奥底に、深く根を張っている、強烈な劣等感の、裏返しのように聞こえました。本当に、自分自身が愛されているという、絶対的な自信があるのならば、わざわざ、こんな行動に出るはずがありません。彼女は、常に、自分自身を、姉である星と比較し、何としてでも、星に勝つことだけを考えて、その歪んだ人生を、生きてきたのでしょう。
兄たちが、「何をしているんだ!」と、絶妙なタイミングで登場するシーンは、まさに、「待ってました!」という感じでした。これまで、月の、巧みな言葉に騙され続け、その結果として、星の心を、深く、そして、回復不可能なほどに傷つけ続けてきた彼らが、ついに、月の、醜い本性を、その目で、はっきりと目の当たりにする。ここから、この物語は、大きく、そして、決定的に、動いていくはずです。
しかし、それと同時に、こうも思ってしまいます。一体、なぜ、もっと早く、気づくことができなかったのか、と。星が、どれだけ、必死に、その苦しみを訴えても、誰一人として、信じようとはしなかったのに、月の、ほんの少しの、狂気的な行動を見ただけで、初めて、彼女への疑いを抱く。あまりにも、遅すぎます。
月の、巧妙な嘘が、全て暴かれた後、兄たちは、一体どうするのでしょうか。そして、屋根裏部屋に残されたままになっている、「星眠計画」の、あの忌まわしい封筒。二つの、残酷な真実が、全て明らかになった時、この、歪んだ家族は、本当の意味で、音を立てて、崩壊していくのかもしれません。
【さよならお兄ちゃん】20話のネタバレまとめ
- 階下から聞こえてくる、ただならぬ騒ぎ声を聞きつけ、兄たちは、星が戻ってきたのではないかと、淡い期待を抱きます。
- しかし、彼らが階下で目にしたのは、家政婦と、実の妹である月が、星の遺品を巡って、激しく争っている姿でした。
- 月は、星が残した、かけがえのない思い出の品々を「ゴミ」と呼び、憎しみを込めて、それを破り捨てようとします。
- 家政婦は、「これは、お嬢様が、この世に最後に残された、たった一つの、大切な形見です」と、涙ながらに、必死の抵抗を試みます。
- 月は、「この家の、唯一無二のお嬢様は、この私よ」と、これまで隠していた、醜い本性を、ついに露わにします。
- 物語の最後、兄たちが、その、月の、狂気的な行動を、はっきりと目撃してしまいます。
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