【さよならお兄ちゃん】21話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 階下から聞こえてくるただならぬ騒ぎ声を聞きつけ、兄たちは、星が戻ってきたのではないかと淡い期待を抱き、急いでその場所へと向かいました。
- しかし、彼らがそこで目の当たりにしたのは、家政婦と、実の妹である月が、星の遺品を巡って激しく争っているという、信じがたい光景でした。
- 月は、星が残したかけがえのない思い出の品々を「ゴミ」と呼び、憎しみを込めて、それを破り捨てようとします。その狂気的な行動を、家政婦は涙ながらに、必死に止めようと抵抗していました。
- ついに月は、「この家の唯一のお嬢様は私よ」と、これまで巧妙に隠してきた醜い本性を露わにし、その狂気に満ちた行動を、兄たちがはっきりと目撃してしまいました。
【さよならお兄ちゃん】第21話をネタバレありでわかりやすく解説する
星の思い出が詰まったスクラップブックを、憎しみのままに引き裂こうとする月。その狂気的な光景を目の当たりにした兄たちの心は、ついに、そして完全に、決壊します。それは、長年にわたる偽りの愛情の終焉であり、取り返しのつかない後悔の始まりでした。
兄たちの怒りと月の開き直り
三男の哲(チョル)が、これまで抑えていた全ての感情を爆発させ、月に向かって怒声を浴びせます。その声は、もはや妹に向けるものではなく、憎むべき敵に向けるそれでした。
「何してるんだ!南宮月(ナムグン・タル)、お前、頭がおかしいんじゃないのか?お前に、これを破る権利なんて、これっぽっちもねえんだよ!」
しかし、月は、そんな兄の怒りにも全く動じることなく、まるで他人事のように、悪びれる様子もなく言い返します。その瞳には、反省の色など微塵もありません。
「ただのスクラップブックじゃないの。何をそんなに怒っているのよ。彼女は、自分からお兄ちゃんたちを捨てて、この家を出ていったのよ。こんなもの、私と一緒にもっと素敵なものを、また作ればいいじゃない」
その言葉を聞いた瞬間、哲の中で、何かが、ぷつりと音を立てて切れました。星がどれほど家族を愛し、この思い出を大切にしていたか。それを全く理解しようとしない月の無神経さが、彼の最後の理性を吹き飛ばしたのです。
「お前が、あの子と同じだと思っているのか!?」
思わず、握りしめた拳で月を殴ろうとするのを、必死の理性で自制する哲。彼の体は、怒りと後悔で、わなわなと震えていました。
「消えろ!」
それは、これまで妹として愛してきたはずの月に対する、完全な拒絶の言葉でした。血の繋がりさえも、もはや彼らの間には意味をなさなくなっていました。
破られた思い出と幸せだった過去
兄たちは、床に散らばった、無残にも破かれたスクラップブックのページを、まるで、壊れてしまった宝物を扱うかのように、一枚、また一枚と、震える手で拾い集めます。その破れた写真の断片を見つめながら、彼らの脳裏に、遠い昔の、幸せだった日々の記憶が、鮮やかに蘇ってくるのでした。
回想の中、まだ幼い星が、完成したばかりのスクラップブックを、誇らしげに兄たちに見せています。その笑顔は、太陽のように明るく、純粋でした。
「見て、お兄ちゃんたち!すごいでしょ?この一冊、ぜーんぶ、私が埋めたんだよ。これ全部、私たち家族の、大切な、大切な思い出なんだからね」
その言葉に、長兄の珉(ミン)が、優しい眼差しで答えます。
「いつの間に、こんなにたくさん作ったんだ?大変だっただろう、ビョル」
星は、心から嬉しそうに、はにかみながら言います。
「昔のことを思い出していると、なんだか楽しくなっちゃって。私たち、本当に幸せだったんだなって、改めて思ったから」
三男の哲が、そのスクラップブックを、愛おしそうに撫でながら、約束します。
「これからは、俺たちも一緒に作ろうぜ。じいさん、ばあさんになっても、みんなで一緒に、これを見返せるようにな」
次男の勛(フン)もまた、その言葉に、深く頷きます。
「そうだな。じゃあ、大切にしないとな。これは、ビョルが、俺たちのために作ってくれた、世界でたった一つの宝物なんだから」
修復不可能な現実と絶望
過去の、あまりにも温かく、そして輝かしい記憶から、兄たちは、厳しい現実へと引き戻されます。長兄の珉は、どこかへ電話をかけていました。その声は、焦りと必死さで震えていました。
「もしもし、急で申し訳ないんだが、今すぐ、写真の修復をお願いしたいんだ」
しかし、その必死の行動を、次男の勛が、力なく、そして絶望に満ちた声で制します。
「もう、無駄だよ、兄さん。破れた写真は、もう二度と、元には戻せない」
その言葉に、三男の哲が、悲痛な声で問いかけます。
「じゃあ、俺たちは、どうすればいいんだよ。ビョルが、もし帰ってきて、これを見たら…」
その時、これまで静かに事の成り行きを見守っていた家政婦が、静かに、しかし、はっきりと、冷徹な真実を告げます。彼女の声には、何の感情も込められていませんでした。
「そんなことは、決してありません。お嬢様は、もう二度と、この家には戻ってこないでしょう」
その言葉は、まるで、死刑宣告のように、兄たちの心に、深く、そして、重く響き渡るのでした。星はもういない。その事実が、彼らの最後の希望さえも、無慈悲に打ち砕いたのです。
【さよならお兄ちゃん】第21話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回の第21話は、月の醜い本性が完全に露呈し、それによって、兄たちが、ようやく、しかし、あまりにも遅く、真実に気づかされるという、物語の大きな転換点となる回でした。
月の、「ただのスクラップブックでしょ」「私と一緒にまた作ればいいじゃない」という、悪びれる様子の一切ない、開き直った態度は、もはや、サイコパスの領域に達していると感じました。彼女にとって、他人の大切な思い出や、愛情のこもった品々は、自分の欲望を満たすための、単なる道具でしかないのでしょう。その歪んだ価値観に、心の底からの嫌悪感を覚えます。
そして、そんな月の本性を目の当たりにして、ようやく、兄たちが、星と月を、明確に区別し、月を完全に拒絶したシーンは、遅すぎるとはいえ、少しだけ、胸がすく思いがしました。「お前が、あの子と同じだと思っているのか!?」という哲の叫びは、彼の中で、星の価値が、決して揺らぐことのない、絶対的なものになったことを、証明しています。
しかし、その後の、破られたスクラップブックを前にして、幸せだった過去を思い出す回想シーンは、あまりにも切なく、そして、残酷でした。星の、どこまでも純粋で、健気な愛情と、それに応えていた、かつての兄たちの優しさ。その、輝かしいほどの幸せな記憶が、現在の、取り返しのつかない悲劇的な状況を、より一層、際立たせています。
「もう戻せない」という勛の言葉は、単に、破れた写真を指しているだけではないのでしょう。それは、星との、失われてしまった時間、そして、踏みにじってしまった信頼関係そのものが、もはや、修復不可能であることを、象徴しているように感じました。
そして、最後に、家政婦が告げた、「お嬢様は、もう、二度と、この家には戻ってこないでしょう」という、冷徹な真実。この一言が、兄たちの、心の奥底にかすかに残っていた、最後の希望の光さえも、無慈悲に消し去ってしまいました。彼らが、これから、どのような絶望の淵に立たされるのか、想像するだけで、胸が苦しくなります。
屋根裏部屋には、まだ、あの「星眠計画」の封筒が、残されたままです。月の嘘が暴かれ、そして、星がもう戻らないという事実を突きつけられた彼らが、次に、あの封筒の真実を知った時、この家族は、一体、どうなってしまうのでしょうか。本当の地獄は、まだ、始まったばかりなのかもしれません。
【さよならお兄ちゃん】21話のネタバレまとめ
- 月が、星が作った、思い出のスクラップブックを破り捨て、その狂気的な行動に、兄たちが激怒します。
- 月は、「私とまた作ればいい」と、悪びれる様子もなく開き直り、その態度に、兄たちは、彼女を完全に拒絶します。
- 破られたスクラップブックのページを拾い集めながら、兄たちは、星と共に過ごした、幸せだった過去の温かい記憶を思い出し、深い後悔に苛まれます。
- 長兄・珉が、写真の修復を試みようとしますが、次兄・勛は「もう戻せない」と、その絶望的な現実を口にします。
- 物語の最後、家政婦が、兄たちに、「お嬢様は、もう二度と戻ってこないでしょう」という、冷徹な真実を告げ、彼らの最後の希望を打ち砕きます。
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