【さよならお兄ちゃん】22話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 月が、星が作った思い出のスクラップブックを破り捨て、その狂気的な行動に、兄たちが激怒しました。
- 月は、「私とまた作ればいい」と悪びれる様子もなく開き直り、その態度に、兄たちは彼女を完全に拒絶します。
- 破られたスクラップブックのページを拾い集めながら、兄たちは、星と共に過ごした幸せだった過去の温かい記憶を思い出し、深い後悔に苛まれました。
- 物語の最後、家政婦が兄たちに、「お嬢様は、もう二度と戻ってこないでしょう」という冷徹な真実を告げ、彼らの最後の希望を打ち砕きました。
【さよならお兄ちゃん】第22話をネタバレありでわかりやすく解説する
家政婦から告げられた、「星はもう戻らない」という、冷徹な死刑宣告。しかし、兄たちは、まだ、その残酷な現実を受け入れることができずにいました。彼らは、空虚な希望にすがりつき、自分たちの罪を償うための、身勝手な計画を語り始めます。
届かぬ後悔と空虚な計画
長兄の珉(ミン)が、まるで信じられないといった様子で、家政婦の言葉の、その真意を問い詰めます。
「どういう意味だ?星が、もう二度と戻らないとは。」
「たとえ、お嬢様のお体が、いつか、このお屋敷にお戻りになったとしても、一度、深く、深く傷ついてしまったその心が、そう簡単には…元には戻らない、ということでございます。」
家政婦の、どこまでも冷徹で、そして、一切の感情を排したかのような言葉に、兄たちは、ただ、黙り込むしかありませんでした。彼女の言葉は、物理的な距離ではなく、星との間にできてしまった、決して埋めることのできない心の溝の深さを、的確に指摘していたのです。しかし、それでも、彼らは、まだ、諦めようとはしません。いや、諦めることが、できなかったのです。自分たちの罪の重さから目を逸らすために、彼らは必死に希望を探し続けます。
「ビョル(星)が、戻ってきてさえくれれば、俺たちは、何だってする。どんな手を使ってでも、あいつに許してもらう方法を、必ず見つければいいんだ。スクラップブックなんて、こんなもの、何百回でも、何千回でも、俺たちが、また、新しく作ってやればいいじゃないか。」
「俺たちが、気づくのが、あまりにも、遅すぎただけなんだ。星は、もう、18歳になったんだ。これからは、星が、ほんの一瞬たりとも、寂しい思いをすることがないように、俺たちが、全力で守ってやる。俺たちの、この気持ちが、あの子の心に、心の底から届くように、努力すればいいんだ。」
「そうだよ。星が、もし帰ってきたら、今度こそ、家族みんなで、ちゃんとした、家族写真を撮ろう。あいつがずっと望んでいたことだからな。」
「お祝いが終わったら、昔、俺たちが飼ってた、チャプサリに、そっくりな子犬を買ってあげるって、俺、あいつと約束したんだ。星が戻ってくる前に、早く、その子犬を見つけないと。」
「同じような犬なんて、一体、どこで探せばいいんだ」
「写真さえあれば、何とかなる。どんな手を使っても、必ず、必ず見つけ出してやる。手がかりは、この家の中に、必ずあるんだから。」
彼らの言葉は、一見すると星への深い愛情に満ちているように聞こえます。しかし、その実態は、自分たちの罪悪感を軽減するための、あまりにも自己中心的な計画でしかありませんでした。
監視カメラが映し出した、衝撃の真実
場面は変わり、兄たちは、屋敷の至る所に設置された、無数の監視カメラの記録を、まるで、何かに取り憑かれたかのように、食い入るような目つきで見つめていました。星が、この家を出ていく前の、何か、ほんの些細なことでもいい、彼女の行方の手がかりになるような映像が、残ってはいないかと、必死に探しているのです。
「映像が、こんなにたくさんあるけど、一体、どうやって、全部探すんだ?」
「一つずつ、全部、見ていくんだよ。どんなに時間がかかっても、構わない。必ず、何か、手がかりがあるはずだ。俺たちは、もう、何も見逃さない」
そして、彼らは、ついに、ある一つの、決定的な映像にたどり着きます。そこに映し出されていたのは、彼らが、決して信じることのできない、そして、決して信じたくはなかった、あまりにも衝撃的な光景でした。
それは、実の妹である月が、星の頬を、何の躊躇もなく、そして、ありったけの憎しみを込めて、力いっぱい、平手打ちしているシーンでした。さらに、月の口元は、何かを罵っているかのように歪んでおり、その表情は、これまで兄たちの前で見せていた、可憐で病弱な妹の姿とは、全くの別人でした。
兄弟たちは、その、あまりにも鮮明な映像を前にして、ただ、唖然とするしかありません。時間が止まったかのような沈黙の中、誰かが、か細い声で呟きます。
「タル(月)が…ビョルを…?」
自分たちが、これまで、いかに愚かで、そして、いかに残酷な過ちを、平然と犯し続けてきたのか。その、冷徹で、そして、動かしようのない事実が、今、動かぬ証拠となって、彼らに、容赦なく突きつけられたのです。月の純粋さを信じ、星の訴えを「演技」だと断罪してきた自分たちの目が、いかに曇っていたかを、彼らは、この瞬間、痛感したのでした。
【さよならお兄ちゃん】第22話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回の第22話は、兄たちの、どこまでも自己中心的で、そして、空虚な希望に満ちた計画と、それとは対照的に、監視カメラが映し出した、冷徹で、残酷な真実との対比が、非常に印象的な回でした。
家政婦の、「一度、深く傷ついてしまった心が、そう簡単には…元には戻らない」という言葉は、まさに、この物語の核心を突いています。兄たちは、スクラップブックを作り直したり、犬をプレゼントしたりすれば、星の心が元に戻ると、本気で信じているようですが、それは、あまりにも、浅はかで、自己中心的な考え方です。彼らは、星が受けた、心の傷の深さを、全く理解できていないのです。プレゼントや物質的なもので償えるほど、星の心は単純ではありません。
「俺たちの気持ちが、あの子の心に、心から届くように」という言葉も、聞いていて、虚しさを感じました。彼らが、本当に、星の気持ちを理解しようとしていたのなら、そもそも、こんな事態には、なっていなかったはずです。彼らが、今、届けようとしているのは、星への愛情ではなく、自分たちの、罪悪感を、少しでも軽くしたいという、ただの自己満足に過ぎないのかもしれません。
そして、物語の最後に、監視カメラによって、月の、決定的な暴力シーンが、明らかになりました。これまで、月の、巧みな嘘と、完璧な演技に、いとも簡単に騙され続けてきた兄たちにとって、この、動かぬ証拠は、まさに、青天の霹靂であったことでしょう。
「タルが…ビョルを…?」という、彼らの、信じられないといった様子の呟きが、彼らが、いかに、月のことを、純粋で、無垢な存在だと、信じ込んでいたかを、物語っています。しかし、その信頼は、完全に、裏切られました。この暴力シーンは、月の本性を暴くだけでなく、兄たちの「見る目のなさ」と「愚かさ」をも、同時に証明してしまいました。
この、衝撃的な映像を見たことで、兄たちは、ようやく、自分たちが、どれほど、大きな過ちを犯してしまったのかを、本当の意味で、理解し始めるのかもしれません。しかし、その気づきは、あまりにも、あまりにも、遅すぎました。
月の暴力、そして、屋根裏部屋に残された、「星眠計画」の封筒。二つの、残酷な真実が、これから、兄たちを、さらなる絶望の淵へと、突き落としていくことになるのでしょう。彼らが、本当の意味で、自分たちの罪と向き合い、そして、償うことができる日は、果たして、やってくるのでしょうか。
【さよならお兄ちゃん】22話のネタバレまとめ
- 家政婦から、「星はもう戻らない」と告げられた兄たちは、それでも諦めきれず、自分たちの罪を償うための、空虚な計画を語り合います。
- 彼らは、スクラップブックを作り直したり、新しい家族写真を撮ったり、犬をプレゼントしたりすれば、星の心が戻ると、安易に考えていました。
- 星が家を出ていく前の、何らかの手がかりを探すため、兄たちは、屋敷に設置された、膨大な量の監視カメラの映像を、一つずつ確認し始めます。
- そして、彼らは、ついに、月が、星の頬を、憎しみを込めて、力いっぱい平手打ちしている、衝撃的な映像を発見してしまいます。
- 物語の最後、兄たちは、これまで信じてきた、月の、純粋で無垢なイメージが、全て、偽りであったという、動かぬ証拠を突きつけられ、ただ唖然とするしかありませんでした。
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