【さよならお兄ちゃん】23話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 家政婦から、「星はもう戻らない」と告げられた兄たちは、それでもなお、その残酷な現実を受け入れることができず、スクラップブックを作り直したり、犬をプレゼントしたりすれば、星の心が戻るという、あまりにも空虚で、自己中心的な計画を語り合っていました。
  • 星が、この家を出ていく前の、何らかの手がかりを探すため、兄たちは、屋敷の至る所に設置された、膨大な量の監視カメラの映像を、一つずつ、確認し始めます。
  • そして、彼らは、ついに、実の妹である月が、星の頬を、何の躊躇もなく、そして、ありったけの憎しみを込めて、力いっぱい平手打ちしているという、決して信じたくはなかった、衝撃的な映像を発見してしまいました。

【さよならお兄ちゃん】第23話をネタバレありでわかりやすく解説する

監視カメラが映し出した、月の、信じがたい暴力。その映像は、これから明らかになる、彼女の醜い本性の、ほんの序章に過ぎませんでした。映像は続き、兄たちの前では決して見せることのなかった、月の、恐るべき二面性と、星が耐え忍んできた、あまりにも過酷な現実を、容赦なく映し出していきます。

監視カメラが暴く月の本性

映像の中で、月は、星に対して、氷のように冷たい、侮蔑に満ちた言葉を、次々と投げつけていました。その言葉の一つ一つが、星の存在そのものを否定する、鋭い刃となって突き刺さります。

本当に、厚かましい女ね。あなたなんかに、私たち家族の大切な、家族旅行に参加する資格なんて、これっぽっちもないのよ

その言葉に、星は、か細い声で、必死に懇願します。その瞳には、純粋な憧れと、切実な願いが浮かんでいました。

お願い…。一度だけでいいの。私も、みんなと一緒に、家族旅行に行きたいの…

しかし、月は、そんな星の、ささやかな願いを、鼻で笑い、無慈悲に踏みにじります。

あなたの家族じゃなくて、私の家族よ。いい加減、自分の身の程を知りなさいよ。まるで、蛭(ひる)みたいに、いつまでも、この家にくっつかないでくれる?

まさにその時、何も知らない長兄の珉が、部屋に入ってきて、明るい声で言います。

みんな、そろそろ、出発しようか

その声を聞いた瞬間、星は、今あった全ての屈辱を、心の奥底に押し殺し、作り笑顔で、兄に答えます。その健気さは、見る者の胸を締め付けます。

ごめんなさい、お兄ちゃん。なんだか、急に体調が悪くなっちゃったから、私は、やめておくわ。みんなは、私のことなんて気にしないで、楽しんきてね

その、あまりにも健気な嘘を、兄たちは、いとも簡単に見抜くことができませんでした。

三男の哲が、苛立ちを隠そうともせず、吐き捨てます。
急に、どうしたんだよ。みんな、お前のことを、ずっと待ってたんだぞ。クソ、本当に頭にくるぜ。勝手にしろ、さっさと消えろ
次男の勛もまた、冷ややかに言い放ちます。
どうせ、俺たちが、引き止めてくれるのを、期待してるんだろう
長兄の珉でさえも、星の心を、顧みることはありませんでした。
月、行こう

家族が、楽しそうに家を出ていった後、たった一人、その場に残された星が、声を殺して、静かに泣き崩れる姿を、監視カメラは、ただ、無情に映し出していました。

遅すぎた真実の理解と歪んだ優先順位

監視カメラの映像が、終わりました。部屋には、重い沈黙が流れます。

次男の勛が、まるで、自分の心臓を抉られたかのような、苦痛に満ちた表情で、呟きす。

俺は、ただ、だだをこねているだけなんだと、そう思っていた。完全に、勘違いしていたんだ。ビョルには…あのような、辛い理由があったんだな

長兄の珉もまた、怒りと後悔に、唇を噛み締めながら言います。

南宮月が…あの女が、俺たちを、ずっと騙していたんだ

しかし、三男の哲が、次に口にした言葉は、あまりにも、場違いで、そして、現実か目を背けたものでした。

とりあえず、まず、チャプサリ(犬)を探そうぜ。星のことは、後で、ゆっくり問い詰めればいい

新たなる衝撃の発見

兄たちは、哲の、その歪んだ提案を受け入れ、今度は、かつて飼っていた愛犬、チャプサリの事件に関する手がかりを探すために、さらに、監視カメラの映像を、遡り始めます。

そして、次男の勛が、何かを見つけ、息を呑みました。

兄さん、これを見ろ

その映像を見た長兄の珉は、ただ、一言、そう口にしました。

狂ってる

果たしてそこには何が映っていたのでしょうか。

【さよならお兄ちゃん】第23話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回の第23話は、監視カメラという、客観的な視点から、月の、常軌を逸した二面性と、星が、いかに、孤独で、過酷な状況に置かれていたかが、克明に描かれた、非常に胸が痛む回でした。

「私の家族よ」「蛭みたいにくっつかないで」という、月の、あまりにも残酷な暴言。そして、そんな屈辱的な言葉を浴びせられてもなお、兄たちの前では、健気に笑顔を装い、一人で涙を流す、星の姿。この、あまりにも悲しい対比に、涙が止まりませんでした。彼女は、最後の最後まで、家族の輪を乱すまいと、たった一人で、全ての苦しみを、背負い込んでいたのです。

そして、そんな星の、健気な嘘を、誰一人として見抜くことができず、「だだをこねている」「引き止めるのを期待してるのか」と、冷たい言葉を浴びせかける、兄たちの愚かさには、もはや、怒りを通り越して、呆れるしかありません。彼らは、自分たちの、都合の良い解釈でしか、物事を見ることができていなかったのです。

映像を見終えた後の、彼らの反応もまた、非常に示唆に富んでいました。勛と珉は、ようやく、自分たちの過ちと、月に騙されていたという事実に気づき、後悔の念を抱き始めています。しかし、哲の、「とりあえず、まずチャプサリを探そう」というセリフには、愕然とさせられました。彼は、まだ、ことの重大さを、全く理解できていないのです。目の前の、残酷な真実から目をそらし、犬を探すという、より簡単な問題に、逃げ込もうとしている。この、精神的な未熟さこそが、彼らが、星を、ここまで追い詰めてしまった、根本的な原因なのかもしれません。

そして、物語の最後に、長兄の珉が、思わず「狂ってる」と呟いた、新たなる映像。一体、そこには、どんな、地獄のような光景が、映し出されていたというのでしょうか。月の、狂気は、まだ、底が見えません。チャプサリの事件の真相が、これから、この家族に、さらなる絶望を、もたらすことになるのは、間違いないでしょう。

【さよならお兄ちゃん】23話のネタバレまとめ

  • 監視カメラの映像には、月が、星に対して、「私の家族よ」「蛭みたい」などの暴言を吐き、家族旅行への参加を、執拗に妨害している様子が映っていました。
  • 星は、兄たちの前では、その事実を隠し、体調不良を装って旅行を辞退しますが、兄たちは、それを信じずに、彼女を冷たく突き放していました。
  • 映像を見終えた兄たちは、月に騙されていたという事実に、ようやく気づき、後悔の念に駆られます。
  • しかし、三男の哲は、月の追求よりも、まず、犬(チャプサリ)を探すことを優先するという、ズレた反応を見せます。
  • 物語の最後、兄たちは、さらに映像を遡り、チャプサリの事件に関する、新たな、そして、「狂っている」と評されるほどの、衝撃的な事実が映った映像を発見してしまいます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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