【さよならお兄ちゃん】29話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 家族は星が今日こそは帰ってくると信じ、彼女を迎えるためにオーダーメイドの靴や外車、高級ジュエリー、そして家一軒といった豪華絢爛なプレゼントを用意していました。
  • そのあまりにも滑稽で自己満足に満ちた光景を、家政婦は冷ややかに見つめ、そして月は嫉妬と憎しみの炎を燃やしていました。
  • しかし星はいつまで経っても現れず、家族は次第に不安と焦りを募らせていきます。
  • 物語の最後、玄関の方で誰かがドアを開ける音がし、家族は星が帰ってきたのではないかと淡い期待を抱きました。

【さよならお兄ちゃん】第29話をネタバレありでわかりやすく解説する

玄関のドアが開く音。それは、家族が待ち望んでいた星の帰還を告げるものではありませんでした。代わりに現れたのは一人の配達員。そして彼が届けた一つの荷物が、家族を想像を絶する絶望の淵へと突き落とすことになるのです。

届けられた、残酷な真実

しかしそこに立っていたのは、待ち望んでいた星の姿ではなく、見知らぬ一人の配達員でした。

ナムグン・ビョル様のお宅でしょうか?お荷物でございます

長兄の珉がまだ期待を捨てきれずに問いかけます。
もしかして、それは星が俺たちに送ってくれた贈り物なのか?
母親もまたその言葉にわずかな希望を見出します。
まあ、自分の誕生日だというのに、私たちのことまで気にかけてくれて…。
三男の哲が逸る気持ちを抑えきれずに言います。
早く、中身を見てみようぜ

しかしその荷物の中身を見た瞬間、一同は言葉を失い、その場に凍りつきました。

次兄の勛が震える声で呟きます。
これは…私が、あのドナーの方に送った手紙だ…。

勛は信じられないといった様子で、配達員に向かって詰め寄ります。
宛先が間違っているんじゃないか?これは病院にお願いして、ドナーの方に直接送ってもらうように頼んだ手紙なんだ!

しかし配達員は淡々と、そして事務的に答えるだけでした。
いいえ。ご住所はこちらで間違いなく正確に記載されております。間違いはございません
だから、ドナーに渡すためのものだって言ってるんだ!

そのあまりにも剣幕に、配達員は怪訝な表情を浮かべながらも、そそくさとその場を退散していきました。

絶望の淵で

次兄の勛が力なくその場に崩れ落ちます。
どうして…ありえない…。

その手紙をひったくるようにして取り上げて中身を確認する三男の哲。
そんな、バカな話あるわけないだろ!

そんな…そんなはずがないんだ…。クソッ!

あまりにも突然、そしてあまりにも残酷な形で突きつけられた真実。星こそが勛に光を与えてくれた角膜のドナーであったという事実。困惑し、そして絶望する一同。彼らの空虚な期待は今、完全に打ち砕かれてしまったのです。

【さよならお兄ちゃん】第29話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回の第29話は、物語の最大の謎の一つであった角膜提供者の正体が、ついに明らかになるという非常に衝撃的な回でした。そしてその真実の明かされ方が、あまりにも残酷で、そして皮肉に満ちていたことにただ言葉を失いました。

家族が星の帰りを待ちわび、豪華なプレゼントを用意しているまさにそのタイミングで届けられた一通の手紙。その手紙が彼らの自己満足に満ちた償いの幻想を、木っ端微塵に打ち砕く。このあまりにも計算され尽くした脚本には、もはや感嘆するしかありません。

「ドナーに渡すためのものだって言ってるんだ!」と必死に現実を否定しようとする勛の姿。そして「そんなバカな話あるわけないだろ!」と怒りを爆発させる哲の姿。彼らの反応はそれぞれ異なりますが、その根底にあるのは同じ、信じたくないという絶望的な気持ちなのでしょう。

自分たちが追い出し、そして虐待してきた妹が、実は自分たちの命の恩人であった。このあまりにも重く、そして残酷な事実を彼らはこれからどのように受け止めていくのでしょうか。

星はなぜこのタイミングでこの手紙を返送してきたのでしょうか。それは彼らへの最後の復讐だったのでしょうか。それともただ、もう何も受け取りたくないという拒絶の意思表示だったのでしょうか。その真意はまだ分かりませんが、この一通の手紙が家族の運命を決定的に変えてしまったことだけは間違いありません。

物語はいよいよ最終的な結末へと向かっていきます。全ての真実を知った家族がどのような選択をするのか、最後まで見届けたいと思います。

【さよならお兄ちゃん】29話のネタバレまとめ

  • 家族が星の帰りを待ちわびていたその時、一人の配達員が現れ、一つの荷物を届けました。
  • その荷物の中身は、次兄の勛が角膜のドナーに宛てて書いた感謝の手紙でした。
  • 兄たちは配達員に宛先が間違っていると詰め寄りますが、配達員は住所は正確だと答えるだけでした。
  • その手紙によって、星こそが勛の角膜のドナーであったという衝撃的な真実が明らかになり、家族は絶望の淵に突き落とされます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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