【さよならお兄ちゃん】32話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 角膜の提供者が星であったと知り、次兄の勛はショックのあまり自暴自棄になる。
- 家族は星の安否を気遣い、家政婦にその行方を尋ねますが、家政婦は多くを語りません。
- 母親の必死の懇願に家政婦はついに重い口を開き、星が屋根裏部屋に残した革のポーチの存在を明かしました。
- 兄たちがそのポーチを開けると、中には「星眠計画」と記された一通の書類が入っていました。
【さよならお兄ちゃん】第32話をネタバレありでわかりやすく解説する
家政婦に示された最後の希望の糸、屋根裏部屋に残された革のポーチ。しかしその中から現れたのは、希望とはあまりにもかけ離れた絶望の証明書でした。それは家族の最後の望みを無慈悲に打ち砕く、一枚の紙切れだったのです。
絶望の証明書
革のポーチの中から静かに現れた一枚の書類。そこに記されていたのは「死亡証明書」という、あまりにも冷たくそして残酷な文字でした。その信じがたい現実を目の当たりにし、母親はその場で気を失い崩れ落ちます。
「星…なんてことを…。星、ダメだ、これは…。星…!」
長兄の珉は受け入れることのできないその事実を前にして、死亡証明書を強く強く握りしめ、ただ涙ながらに愛する妹の名前を呼び続けることしかできませんでした。
「それがお嬢様がこの世に残された最後の品でございます」
家政婦の静かな言葉が部屋に重く響きます。
「そんな馬鹿げたこと言うな!元気だった子がなぜ急にそんなことをするんだ!」
三男の哲が怒りと悲しみに声を震わせます。
「署名の日は5月11日…。でも14日にも俺たちと一緒にいたじゃないか…。」
長兄の珉がかろうじて言葉を紡ぎます。
最後の悪あがき
「知っていたんですね」
次男の勛が家政婦を睨みつけます。
「星が私たちを騙すために、わざとあなたにお願いしたんだろう!」
彼はまだこの残酷な現実を受け入れることができず、家政婦に語気を荒らげて抗議します。しかしそのあまりにも身勝手な言葉を、三男の哲が静かに諭しました。
「兄さん…今まで私たちは目も心も閉ざしていたから気づかなかったんだ。彼女はもう戻りたくなんてなかったんだよ」
「兄さん、星は自分の命を賭けて、俺たちに冗談を言うようなそんな子じゃない」
その言葉で兄たちはこれが嘘偽りのない、そして決して覆すことのできない事実なのだと気付かされるのでした。
「星に…一度だけでも会わせてください…。」
長兄の珉がか細い声でそう懇願します。
家政婦の魂の叫び
そのあまりにも身勝手な発言の数々に、これまでずっと耐え忍んできた家政婦の心の糸がついにぷつりと切れました。心から星を大切に思い続けてきた彼女の我慢は、もう限界を迎えていたのです。
「本当に、お嬢様のことを、愛していたというのなら、どうして、あんな、ひどい、真似を!どうして、あんな、残酷な、扱いを、したのですか!もう、遅いのです!何もかも、全て!」
家政婦は涙ながらにそう叫びながら、長兄の珉の手に何かを強く握らせました。
「これはお嬢様が遠い旅に出られる前に、若様たちに残された最後の贈り物でございます」
果たしてそれは一体なんなのでしょうか。
【さよならお兄ちゃん】第32話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回の第32話はこれまでの全ての伏線が一つに収束し、そして家族が完全な絶望の淵に突き落とされる、まさに物語のクライマックスでした。「死亡証明書」というあまりにも直接的で、そして残酷な真実の突きつけ方にただ言葉を失いました。
特に兄たちの反応がそれぞれ異なっていたのが、非常に印象的でした。現実を受け入れられず涙ながらに星の名前を呼び続ける長兄の珉。怒りと悲しみに声を震わせる三男の哲。そして最後まで現実から目を背けようと家政婦に詰め寄る次男の勛。彼らのそれぞれの後悔の形が痛いほどに伝わってきて、胸が締め付けられるようでした。
そして家政婦の魂の叫び。「どうしてあんなひどい真似を!」という彼女の言葉は、まさに私たち読者の気持ちを代弁してくれていたように思います。彼女だけが星の本当の苦しみを理解し、そしてその悲しみに寄り添ってきた。彼女の存在がこの救いのない物語の中で、唯一の光だったのかもしれません。
最後に家政婦が珉の手に握らせた星からの最後の贈り物。それは一体何なのでしょうか。それは残された家族に救いをもたらすものなのでしょうか。それともさらなる絶望を突きつけるものなのでしょうか。物語はいよいよ最終回へと向かっていきます。
【さよならお兄ちゃん】32話のネタバレまとめ
- 屋根裏部屋の革のポーチの中から、星の「死亡証明書」が発見され、家族は絶望の淵に突き落とされます。
- 兄たちはそれぞれ異なる形でその残酷な現実を受け止めようとしますが、その後悔はあまりにも深くそして重いものでした。
- 次男の勛が家政婦に詰め寄りますが、三男の哲がそれを諭し、これが覆すことのできない事実であることを認めさせます。
- 家族のあまりにも身勝手な言動についに家政婦の我慢が限界を迎え、彼女は涙ながらにその怒りをぶつけます。
- 物語の最後、家政婦は長兄の珉の手に、星からの最後の贈り物を握らせました。
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