【さよならお兄ちゃん】36話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 星はビデオメッセージの中で兄たち一人ひとりに向けて最後の言葉を残していました。
- 長兄の珉には彼の仕事の成功を祝い、そして彼の幸せを心から願う言葉を。
- 次兄の勛には彼の目の回復を喜び、そして自分の目を通して新しい世界を見てほしいと願う言葉を。
- 三男の哲には彼の健康を気遣い、そして彼に自分自身を大切にしてほしいと願う言葉をそれぞれ贈りました。
- そのあまりにも優しく、そして自己犠牲的な愛情に満ちた言葉は、兄たちの心を深くそして容赦なく抉っていくのでした。
【さよならお兄ちゃん】第36話をネタバレありでわかりやすく解説する
星が兄たち一人ひとりに向けて残した最後のメッセージ。その言葉は彼らの心の最も柔らかい部分を容赦なく抉り、そして忘れていたはずの温かい記憶を呼び覚まします。しかしその記憶が温かければ温かいほど、現在の絶望はより深くそして暗くなっていくのでした。
蘇る温かい記憶
ビデオメッセージの中で自分に語りかける星の優しい声を聞きながら、三男の哲の脳裏には遠い昔のある日の記憶が鮮やかに蘇ります。
「もしまたあんな奴らがちょっかいを出してきたら、すぐにお兄ちゃんに言うんだぞ。あいつらなんてどうってことないんだから。お兄ちゃんは元々17対1で戦っても勝っちゃうくらい強いんだからな。もう一度でもお前にあんなひどいことをしたら、お兄ちゃんが絶対に許さないから。だからこれからはもう何も心配するな?」
「いいか?分かったか?もう一度でもだぞ!すぐにお兄ちゃんに言うんだ。分かったな?よし、笑ったな。分かったか?」
その少しぶっきらぼうで、でも愛情に満ち溢れた兄の言葉を聞いて、星は心の底から嬉しそうにそして無邪気に笑っています。今の彼らの関係からは到底想像もできない、仲睦まじい兄妹の姿がそこにありました。
両親へ、そして最後の願い
ビデオメッセージは続きます。
「ママ、そしてパパ」
「温かい家と温かい思い出をたくさんたくさんくれて、本当にありがとうございました」
「そして心からおめでとうございます。待ち望んでいた実の娘さんが見つかったんだから、これからは本当の家族三人でいつまでも幸せに過ごしてくださいね」
「ママとパパの娘になれたこと、そしてお兄ちゃんたちの妹になれたことが、私の人生の中で本当に本当に幸せだった。こんなにも素敵な良い夢を見させてくれて本当にありがとう」
「でももう夢から覚める時間だから、私もそろそろ去らなきゃいけないんだ」
「だからもし来世というものがあるのなら、私たちは…。」
言葉に詰まりながらも星は、まるで自らの胸が張り裂けて消えてしまうのを堪えるかのように、最後の最後の言葉を紡ぎ出します。
「もう二度と、家族として会わないように」
そのあまりにも悲しく、そして残酷な最後の願いを聞いて、家族はもはやその場にとどまることもできず、ただ床に泣き崩れるしかありませんでした。
【さよならお兄ちゃん】第36話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回の第36話は星のビデオメッセージの完結編であり、そしてこの物語の本当の結末が描かれた、あまりにも悲しくそして美しい回でした。
特に三男の哲の回想シーンは、彼らがかつてどれほど仲睦まじい兄妹であったかを鮮やかに描き出し、そしてその失われてしまった時間の尊さを改めて私たちに突きつけてきます。「17対1で勝つ」という彼の少し子供じみた武勇伝が、今はただ悲しくそして虚しく響きます。
そして星の両親へのメッセージ。「実の娘が見つかったんだからこれからは本当の家族で幸せに過ごしてください」という彼女の言葉は、一見祝福の言葉のように聞こえますが、その裏側には自分はもはやこの家の本当の家族ではないのだという深い諦めと絶望が隠されています。その健気さがあまりにも痛々しくて、涙が止まりませんでした。
そして最後の「もう二度と家族として会わないように」という彼女の最後の願い。それは彼女がこの12年間の人生で味わった幸せと、そして絶望の全てが凝縮された魂の叫びだったのでしょう。彼女はもはや来世で再び同じ苦しみを味わうことを拒絶したのです。そのあまりにも悲しい決断に、ただ胸が締め付けられる思いです。
この物語は私たちに多くの問いを投げかけました。そしてその答えは簡単には見つからないでしょう。しかし星という一人の少女が確かにこの世界に存在し、そして誰よりも深く家族を愛していたというその事実だけは、永遠に私たちの心に残り続けるはずです。
【さよならお兄ちゃん】36話のネタバレまとめ
- 星のビデオメッセージを聞きながら、三男の哲はかつての星との温かい記憶を思い出していました。
- 星はメッセージの中で両親への感謝と、そして実の娘が見つかったことへの祝福の言葉を述べました。
- しかしその言葉の裏側には深い諦めと絶望が隠されており、彼女は「もう夢から覚めたから私も去らなきゃ」と自らの死を示唆します。
- そして物語の最後、星は「来世ではもう二度と家族として会わないように」というあまりにも悲しく、そして残酷な最後の願いを口にし、その言葉を聞いた家族はただ泣き崩れるしかありませんでした。
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