【さよならお兄ちゃん】45話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 罪悪感に苛まれる家族と、精神が崩壊してしまった月の「その後」が描かれました。
- 物語は3ヶ月後へと進み、三兄弟は憔悴しながらも、必死に星の行方を捜し続けていました。
- 雑踏の中、長兄・珉が星によく似た後ろ姿の女性を発見し、万感の思いを込めて声をかけたところで、物語は衝撃的な引きを迎えました。
【さよならお兄ちゃん】第45話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、雑踏の中で星らしき女性を見つけ、希望を胸に駆け寄った長兄・珉。果たして、彼の願いは届くのでしょうか。今回は、残酷な現実と、そして深まる謎の中で、ついに星の行方へと繋がるかもしれない、一筋の光が見えてくる重要なエピソードです。
打ち砕かれた希望
「ビョル。やっと、君を…。」 長兄・珉が震える声で呼びかけ、肩を掴んだその女性。ゆっくりと振り向いた彼女の顔は、しかし、珉が焦がれるほどに探し求めていた妹のものではありませんでした。
「なによ?狂ったの?」
見知らぬ女性から向けられる、怪訝そうな、そして冷たい視線。その一言が、珉の心に燃え上がっていた淡い希望の炎を、一瞬にして吹き消してしまいました。駆け寄ってきた弟たちも、その光景を目の当たりにし、言葉なく肩を落とします。天国から地獄へ。彼らの心は、再び深い絶望の淵へと突き落とされてしまったのです。
消された存在「見つからない理由」
3ヶ月もの間、世界中を必死に探し回っても、星の行方は全く掴めていませんでした。次男の勛は、苛立ちと焦りを隠せない様子で呟きます。
「3ヶ月も経ったんだぞ。世界中を探し回ったのに…なんで、情報が一つもないんだ。」
彼の疑問はもっともでした。巨大企業であるMKグループの持つ、莫大な資金力と世界中に張り巡らされた情報網。それらをすべて駆使しても、たった一人の少女の情報が、まるで神隠しにでもあったかのように、何一つ手に入らないのです。この異常な事態に、兄弟たちはただ訝しむことしかできません。
彼らは、まだ知る由もありませんでした。星の情報が見つからない本当の理由。それは、皮肉にも長兄・珉が星のために名付けたプロジェクト、「星睡眠計画」によって、彼女のすべての個人記録がシステム上から完全に抹消されてしまっているという、あまりにも残酷な真実を…。
時が止まった食卓
場面は、南宮家のダイニングテーブルへと移ります。豪華な調度品に囲まれてはいるものの、そこに家族の団欒という温かさは微塵もありませんでした。まるで時が止まってしまったかのように、誰もが重い沈黙の中に沈んでいます。
それぞれが抱える後悔の形
母親は、今はもういない娘の写真を、宝物のように固く抱きしめています。父親は、悲しみを忘れるかのように、ただ黙々と強い酒を喉に流し込むだけ。次男の勛は、星からもらった最後の贈り物であるヘッドホンを、祈るように握り締めていました。三男の哲もまた、傍らに置いたレシピ帳に目を落とし、お腹のあたりをそっとさすっています。
それぞれが、星との思い出の品を傍らに、決して消えることのない後悔の念に囚われていました。会話のない食卓は、心がバラバラになってしまった、この家族の現状を静かに物語っていたのです。
記憶の扉が開くとき
そんな重苦しい沈黙の中、長兄の珉は、自らがもらった手作りのトロフィーを握りしめながら、消え入りそうな声で呟きます。 「星…一体、どこにいるんだ…。」 その時、トロフィーが引き金となり、彼の脳裏にある過去の記憶が鮮明に蘇ってきました。
「私が志願者になるから」- 無邪気な約束
それは、彼の「星睡眠計画」が承認されたばかりの頃。星は、自分のことのように喜び、手作りのトロフィーをプレゼントしてくれました。 「じゃじゃーん!プロジェクト承認おめでとう!」 「まだ祝うには早いさ。肝心の志願者がいないと、研究を進められないからな。」 悩みを打ち明ける兄に、星は太陽のような笑顔で、無邪気な約束をしてくれたのです。 「心配しないで、お兄ちゃん!私が大きくなったら、志願者になってあげるから!」
まさかの可能性
もちろん、それは子供の純粋な応援の言葉でした。珉もまた、その優しさが嬉しくて、こう答えたのです。 「冗談でもそんなことは言うな。どんな業績や実験よりも、君が一番大事なんだ。君が一生幸せでいてくれれば、それでいい。」
…君が一番大事だ。その言葉が、今の珉の胸に鋭く突き刺さります。そして、彼はハッとしました。 星の無邪気な一言。志願者が見つからないという自分の悩み。そして、忽然と消えた星の個人記録。
バラバラだったパズルのピースが、頭の中で一つに繋がっていくのを感じます。
「…志願者?」
珉が呟いたその一言。それは、あの時の冗談が、実は冗談ではなかったのではないかという、恐ろしい可能性に気づいた瞬間でした。星は、自らの意思で、兄のプロジェクトの被験者、つまり「志願者」になったのではないか…? 物語の最大の謎であった星の失踪。その真相へと繋がる扉が、今、静かに開かれようとしていました。
【さよならお兄ちゃん】第45話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回もまた、希望からの絶望という、ジェットコースターのような展開に心を揺さぶられました。冒頭の人違いシーンは、どこかで「やっぱりそうだよな」と思ってはいても、兄弟たちの落胆する姿を見ると、こちらまで胸が痛くなりますね。
そして、中盤で描かれた南宮家の食卓のシーン。会話もなく、それぞれがただ自分の後悔と向き合っている姿は、本当に見ていて辛かったです。あれだけ賑やかだったはずの家族が、たった一人の少女を失っただけで、ここまで冷え切ってしまう。星がいかにこの家族にとっての「太陽」であったかを、改めて痛感させられました。
しかし、今回のハイライトは、なんと言っても最後の長兄の「気づき」でしょう。「星睡眠計画」という、星のために名付けられたはずのプロジェクトが、皮肉にも彼女の存在そのものを消し去ってしまったかもしれない、という可能性。このあまりにも残酷な真実に、思わず鳥肌が立ちました。自分の研究が、最愛の妹を追い詰める一因になったかもしれないなんて、珉の心中を察するに余りあります。
もし本当に星が志願者になっていたとしたら、彼女は一体どんな思いでその決断を下したのでしょうか。家族への絶望から、自らの存在を消し去りたかったのか。それとも、そこには別の理由があるのか…。ようやく見えた一筋の光が、希望へと繋がるのか、それともさらなる絶望への入り口なのか。物語の核心に迫る展開に、次週が待ちきれません!
【さよならお兄ちゃん】45話のネタバレまとめ
- 長兄・珉が声をかけた女性はやはり人違いであり、兄弟たちは再び深い絶望に包まれました。
- MKグループの総力をもってしても星の情報が一切見つからないのは、「星睡眠計画」によって彼女の個人記録がシステム上から抹消されていたためでした。
- 南宮家の食卓では、家族全員が会話もなく、それぞれが星の思い出の品を手に、後悔と悲しみに暮れていました。
- 長兄・珉は、過去の星との会話を思い出し、彼女が自ら「星睡眠計画」の志願者になったのではないかという、衝撃的な可能性にたどり着きます。
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