【さよならお兄ちゃん】46話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 長兄・珉が声をかけた女性は人違いであり、兄弟たちは再び深い絶望に包まれました。
  • MKグループの総力をもってしても星の情報が一切見つからない中、家族はそれぞれの形で後悔と悲しみに暮れていました。
  • 長兄・珉は、過去の星との会話を思い出し、彼女が自ら「星睡眠計画」の志願者になったのではないかという、衝撃的な可能性にたどり着きます。

【さよならお兄ちゃん】第46話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、長兄・珉の脳裏に浮かんだ「志願者」というキーワード。それは、暗闇の中で探し続けていた妹の行方を示す、唯一の手がかりでした。今回は、その一つのキーワードから、これまで散りばめられてきた伏線が一気に繋がり、ついに星の失踪に関する残酷な真実の輪郭が浮かび上がります。

繋がる点と線「消えた記録の謎」

「志願者…?」

長兄・珉の頭の中では、その言葉が何度も繰り返されていました。そして、彼は現在の不可解な状況と、そのキーワードを結びつけていきます。

「死んだ形跡もない。しかし、生きているという証拠もない。まるで、初めから存在しなかったかのように、すべての記録が、嘘のように消えた。

なぜ、一人の人間の記録がここまで完璧に消え失せてしまうのか。その答えは、彼自身の過去の発言の中にありました。彼の脳裏に、プロジェクトに関する、ある重要な指示を下した日の記憶が蘇ります。

自らが下した「非情なる指示」

「カプセルに入った瞬間、死亡処理しろ」

それは、「星睡眠計画」を始動させるにあたり、研究チームに下した絶対的な命令でした。

「『星睡眠計画』は、徹底した機密保持が原則だ。」

「志願者の情報は、絶対に外部に流出してはならない。」

そして、彼は誰にも反論を許さない、冷徹な声でこう続けたのです。

「カプセルに入った瞬間、志願者は死亡したものとして処理し、関連するすべての個人記録を完全に削除しろ。」

研究の機密を守るためとはいえ、それは一人の人間の「存在」そのものを社会的に抹消するという、あまりにも非情な指示でした。

皮肉な真実

もちろん、その時の彼には想像すらできていませんでした。自らが下したその冷徹な指示が、巡り巡って、世界で一番大切な妹の捜索を阻む最大の壁となるなど。星の情報がどこにも見つからなかった理由。それは、他でもない、自分自身の命令が忠実に実行された結果だったのです。このあまりにも皮肉で、残酷な真実に、珉は愕然とするしかありませんでした。

記憶のパズルが完成する時

震える彼の脳裏に、さらに別の記憶の断片がフラッシュバックします。それは、物語の序盤、第2話で描かれた、何気ない車窓からの光景でした。

あの日の光景

車で移動中、道の脇で誰かが倒れているのを、彼は確かに見ていました。その時は気にも留めませんでしたが、今になって、その光景が持つ決定的な意味に気づいてしまったのです。

「そうだ、あの日…あれは、研究所へ向かう道だ。」

3つの符合

そして、珉の頭の中で、これまでバラバラだった記憶のパズルが、恐ろしい形を成して組み合わさっていきます。

  1. あの日、星が倒れていた場所は、彼女が普段は決して行くことのない「研究所へ向かう道」だった。
  2. 星が家族の前から姿を消した「あの日」は、プロジェクトの最初の志願者が「カプセルに入る日」と、日付が完全に一致する。
  3. そして、その志願者の個人記録は、カプセルに入った瞬間に、自分の命令で「すべて削除」されているはず。

「まさか…!」

全てのピースがはまった瞬間、疑惑は、もはや揺るがすことのできない絶望的な確信へと変わりました。

真実の待つ場所へ

珉は、椅子から転げ落ちるように立ち上がると、何かに取り憑かれたように家を飛び出していきます。彼の行き先は、ただ一つ。真実が眠る場所、あの研究所しかありません。

「ミン!どこへ行くの?星の消息でもわかったの?」

母親が、かすかな希望を込めて背中に問いかけますが、彼に振り返る余裕はありませんでした。

彼がこれから目の当たりにするのは、希望なのでしょうか。それとも、取り返しのつかない、本当の絶望なのでしょうか。物語は、ついに核心へと迫るべく、クライマックスに向けて一気に加速し始めます。

【さよならお兄ちゃん】第46話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、息をのむような謎解きと伏線回収の連続で、ページをめくる手が止まりませんでした!これまで、なぜ星の情報が全く見つからないのか不思議に思っていましたが、その理由が「長兄自身の命令」だったとは…。この皮肉すぎる展開には、思わず唸ってしまいました。

自分の研究への厳格さや、機密保持という仕事上の正義が、結果的に最愛の妹の存在を社会的に消し去ってしまった。この事実に気づいた時の珉の心境を思うと、本当に胸が痛みます。彼はこれから、自分自身が作り出したシステムと戦わなければならないのですね。

そして、第2話の何気ないワンシーンが、ここにきてこれほど重要な伏線だったという構成の見事さには、ただただ感服するばかりです。物語の最初から、全てが仕組まれていたのだと思うと、鳥肌が立ちました。こういう発見があるから、漫画を読むのはやめられません。

いよいよ、星のいる場所(と思われる場所)が特定されました。しかし、そこは希望の場所であると同時に、「死亡処理」という絶望的なキーワードと結びついています。果たして、珉は研究所で何を見つけるのでしょうか。生きている星との再会を願いたい気持ちと、最悪の事態を覚悟しなければならない緊張感。これまでの後悔や悲しみとは質の違う、サスペンスフルな展開に、心臓がバクバクしています。次週が本当に待ち遠しいです!

【さならお兄ちゃん】46話のネタバレまとめ

  • 長兄・珉は、星の情報が完全に消去された理由が、自らが指示した「星睡眠計画」の非情な機密保持ルールにあると確信しました。
  • そのルールとは、志願者が研究用のカプセルに入った瞬間に戸籍上「死亡」したものとして処理し、全ての個人記録を削除するというものでした。
  • さらに、星がいなくなった日と最初の志願者がカプセルに入った日が同じであること、そして以前、星が研究所へ向かう道で倒れていたことを思い出します。
  • 全ての状況証拠が繋がり、星が志願者になったと確信した珉は、真実を確かめるために、一人で研究所へと急ぎました。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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