【じゃああんたが作ってみろよ】14話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 第12話では、勝男(かつお)の兄・鷹広(たかひろ)が登場し、二人の複雑な関係性が描かれました 。
- 勝男は、鷹広も父親と同じ「男はこうあるべき」という古い価値観(呪い)に縛られていると感じ、彼に共感を覚えました 。
- 兄が作れない「とり天」を自分が作れるようになることを決意し、後輩たちの助けを借りて挑戦するも、最初は失敗に終わりました 。
- 勝男は後輩たちに「鷹広兄さんに俺のとり天を食べてほしい」と熱い想いを語り、その理由を探る展開となりました 。
【じゃああんたが作ってみろよ】第14話をネタバレありでわかりやすく解説する
兄・鷹広にとり天を渡すため、後輩たちの協力を得て空港へ向かった勝男。第14話は、その空港での兄弟の対峙と、勝男の過去に隠された料理への想いが明らかになる、感動的な回です。
空港での対峙 – 兄へ託す「とり天」
勝男は空港で兄・鷹広を見つけ、駆け寄ります 。 「俺が」「とり天を 受け取ってほしい」「理由」「それは」 。 勝男が言葉に詰まっていると、鷹広は「はあ?」「とり天?」と訝しげな表情を見せます 。
勝男は、幼い頃、泣き虫だった自分はいつも父に怒られ、兄には笑われていたことを思い出します 。そんな兄の涙を、自分は一度も見たことがない 。 勝男は、完成したとり天を差し出します。「お… 俺が自分で揚げて…」 。 鷹広は「マジか」「おまえが作ったとり天て 不安だなあ」と言いつつも、受け取ろうとします 。
勝男は慌てて説明します。「大丈夫! サクサクだ!」 、「けど ひとりじゃ 作れなかったんだ!」 、「会社の仲間や その彼女さんに 助けてもらって」 、「俺ひとりだと 焦げたり半生だったり べちょべちょで…」 。 早口でまくし立てる勝男に、鷹広は「落ち着け 勝男!」と声をかけます 。
勝男の本当の想い – 「頼ってほしい」
「何が言いたいかと 言うと!」 。勝男は、自分が一人では何もできなかった経験を通して気づいた、本当の想いを兄にぶつけます。 「兄さんも 何か悩んでいたら」 、「友達でも 誰かに 相談してほしい」 、「俺じゃなくても いい」 。 勝男は、兄にも誰かを頼ってほしい、一人で抱え込まないでほしいと、必死に訴えます。
しかし、鷹広の反応は冷たいものでした。「カウンセラーなんて 大ゲサな!」 。 彼は「心配かけて 悪いな勝男」「俺は大丈夫だから」と勝男を突き放し、「自分のことは 自分でなんとか するよ」「男やろうが」と、まさに勝男が危惧していた「呪いの言葉」を口にします 。 「そっか」と落胆する勝男 。
涙の訴え – 「心に閉じ込めないでよ」
その瞬間、勝男の目から涙が溢れ出します。「いやだ」「俺は泣く」 。 「うわっ どうした!」と驚く兄に、勝男は涙ながらに訴えます 。 「兄さんのことが心配なんだ」 。 「ひとりで悩まれるのは寂しい」 。 「兄さんが苦しんでいると悲しい」 。 「鷹広兄さんも 自分が感じたことを 心に閉じ込めないでよ」 。
勝男の、弟としての、そして同じ「呪い」を知る者としての魂の叫び。それは、これまで感情を表に出すことを抑えられてきた勝男自身の心の解放でもありました。 鷹広は、弟の涙と言葉に明らかに動揺した様子を見せますが、「行かなきゃ」と、とり天の包みを受け取り、足早に搭乗口へと向かっていきました 。
兄からの意外なメッセージ
兄の乗った飛行機を見送りながら、「俺の作ったとり天が 空を飛んでいる」と感慨にふける勝男 。 数日後、兄からは何の連絡もありませんでした。しかし、あみなから「やーでも とり天渡せて 良かったですよね〜」と励まされます 。
その時、兄からメッセージが届きます 。添えられていたのは、大分銘菓「ざびえる」の写真 。勝男は「どういう メッセージ?」と困惑します。
おせっかいと、気づき
後日、勝男は後輩たちとの飲み会で、兄への行動が「おせっかい」だったのではないかと悩み始めます。「助けてほしいと 言われたわけでも ないのに…」 。 しかし、あみなは「『そんなんじゃ女として 幸せになれないぞ?』とか言うほうが おせっかいですよ」と、かつて勝男に言われた言葉を引き合いに出して反論 。 白崎も「助けてほしいことに 気づけてない時もあるし」とフォローします 。あみなは「おせっかいな人が ひとりも いなくなったら 自分のことは 全部自分でやらなきゃ いけなくなる」「それってしんどいな」と語り、勝男は「俺も昔は そう思ってたな みんな自分の役割を やるべきであると」と、過去の自分を省みます 。
兄夫婦の和解と、勝男の知らない過去
その時、勝男の携帯が鳴ります。相手は兄の妻・**百合香(ゆりか)**でした 。勝男は「まさか離婚!? 俺のせい!?」と最悪の事態を想像します 。
しかし、百合香からの電話は意外な内容でした。「ありがとね!」 。 彼女は、勝男と話した後、鷹広が「急に話し合おうって 言ってきたんよ」と明かします 。夫婦は不妊治療のことで問題を抱えていましたが、鷹広は「ずっと 目を背けててごめん」「俺に問題があるんかも って怖くて」と、初めて百合香に弱音を吐き、向き合ってくれたのです 。 「そばにいてくれんかな… そうやって」 。鷹広は、勝男が空港で言った言葉を、妻に伝えていたのでした。
さらに百合香は、鷹広が勝男のとり天の話をしていたこと、そして勝男が忘れていた小学生の頃の記憶を語り始めます 。 勝男たちの義母が入院していた時、小学生の勝男は兄たちのために毎日お弁当を作っていたというのです 。勝男の記憶では「父さんがお金くれて スーパーの総菜ばっか 食べてた気がする」のですが… 。
料理が好きだった「本当の理由」
百合香が語る、鷹広の記憶。それは、おにぎりとウインナーときゅうりだけの、ひどいお弁当 。鷹広はそれを笑ってバカにしていたけれど、本当は「すっごい うれしかったん やって〜」「何回も話すもん」 。 そして、百合香は結論づけます。「とにかく」「勝男くんは昔から 料理が好きだったん やな〜っち思った!」 。
料理は、父や兄に認めてもらうための手段ではなかった。必要に迫られて始めたのでもなかった。 勝男は、ただ、誰かのために料理を作ることが、昔から好きだったのです。それは感謝されたいからでもなく、ただ純粋な「好き」という気持ち。 勝男は、料理をする本当の理由、自分自身の根源的な想いに、ようやくたどり着きました。
鮎美がいない世界へ
図書館で出汁の本を読みふける勝男 。引っ越したての頃、鮎美と一緒にこの図書館に来たことを思い出します 。 出汁の取り方にも様々な方法があり、料理の世界は奥深い 。家庭料理なら、鰹節を絞ってもエグ味は気にしなくていい、という合理的な考え方にも触れます 。 時は流れ、季節は移ろうとしています。 「こうやって時間がすぎて」「鮎美がいない世界に 慣れていくのかな」 。 勝男は、静かに前を向こうとしていました。
【じゃああんたが作ってみろよ】第14話を読んだ感想(ネタバレあり)
第14話、涙腺崩壊でした…。勝男くんと鷹広兄さんの関係性が、まさかこんな形で変化するなんて。 空港での勝男くんの涙の訴えは、本当に胸に迫るものがありました。「男だから」という呪いに縛られず、自分の感情を正直にぶつけた彼の勇気。そして、それを受け止めた(であろう)鷹広兄さん。直接的な言葉はなくても、奥さんの百合香さんへの態度の変化や、「ざびえる」のメッセージに、兄なりの不器用な感謝と弟への想いが込められているように感じて、泣けました。
そして、勝男くんの過去! 小学生の頃にお弁当を作っていたなんて! しかも本人は忘れているという…。鷹広兄さんがその「ひどい弁当」を、実はすごく嬉しく思っていて、何度も思い出話をするというエピソードには、兄弟愛を感じて、また涙 。百合香さんの「勝男くんは昔から料理が好きだったんやな〜」という言葉で、勝男くんが料理をする本当の意味が明らかになった瞬間は、鳥肌が立ちました。認めてもらうためでも、必要だからでもなく、ただ「好き」だから。彼の原点に触れた気がします。
「おせっかい」についての後輩たちとの会話も良かったですね。あみなちゃんの言う通り、おせっかいが全くない世界も寂しい。白崎くんの言う通り、助けを求められない時もある。青子さんの「考え続けるしかない」という言葉も、深く心に響きました 。勝男くんは、本当に良い仲間に恵まれましたね。
最後の図書館のシーン。鮎美ちゃんとの思い出の場所で、静かに未来を見つめる勝男くんの姿に、切なくも確かな成長を感じました。彼はもう、過去の自分とは違う。これからどんな料理を作り、どんな関係性を築いていくのか、ますます楽しみになりました。
【じゃああんたが作ってみろよ】第14話のネタバレまとめ
- 勝男は空港で兄・鷹広に手作りのとり天を渡し、「一人で悩まず誰かに相談してほしい」と涙ながらに訴えます 。
- 鷹広は「男やろうが」と反発しつつも、勝男の想いを受け取った様子を見せます 。
- 数日後、鷹広から大分銘菓「ざびえる」の写真と共にメッセージが届きます 。
- 勝男は自分の行動が「おせっかい」だったか悩みますが、後輩たちとの会話を通じて、必ずしも悪いことではないと学びます 。
- 鷹広の妻・百合香から電話があり、勝男のおかげで鷹広が心を開き、夫婦関係が改善したことを知らされます 。
- 百合香から、勝男が小学生の頃、入院した義母の代わりに兄たちのために毎日お弁当を作っていたという、勝男自身が忘れていた過去が明かされます 。
- 鷹広はそのお弁当を「ひどい」と言いつつも、実はとても嬉しく思っていたことが判明します 。
- 勝男は、自分が昔から純粋に料理が好きだったこと、誰かのために作ることが喜びだったという自身の原点に気づきます 。
- 図書館で出汁について学びながら、勝男は静かに「鮎美がいない世界」に慣れていくことを受け入れようとしていました 。
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