【じゃああんたが作ってみろよ】15話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 第14話では、勝男(かつお)が空港で兄・鷹広(たかひろ)に手作りのとり天を渡し、「一人で悩まず誰かに相談してほしい」と涙ながらに訴えました 。
  • 鷹広は勝男の想いを受け取った様子を見せ、後日、勝男のおかげで妻・百合香(ゆりか)と和解できたことが明かされました 。
  • 百合香から、勝男が小学生の頃、入院した義母の代わりに兄たちのために毎日お弁当を作っていたという、勝男自身が忘れていた過去が語られました 。
  • 勝男は、自分が昔から純粋に料理が好きだったこと、誰かのために作ることが喜びだったという自身の原点に気づきます 。
  • 図書館で出汁について学びながら、勝男は静かに「鮎美(あゆみ)がいない世界」に慣れていくことを受け入れようとしていました 。

【じゃああんたが作ってみろよ】第15話をネタバレありでわかりやすく解説する

第14話で自身の料理への原点に気づき、少しずつ前を向こうとしていた勝男。第15話は、彼と鮎美の過去、二人の関係の始まりが描かれる、甘酸っぱい回想シーンから始まります。

甘酸っぱい思い出 – オムライスとサボり癖

物語は、大学時代の勝男と鮎美の朝の風景から始まります 。 寝坊した勝男が「まずい 2限 間に合うかな?」と慌てるのに対し、ベッドの中の鮎美は「サボっちゃお」と彼を引き止めます 。 勝男は「まあ…単位余裕だし…」「かわいいい」と、結局授業をサボってしまうのでした

初めての手料理 – 缶詰で作ったオムライス

「なんか 作ろっか?」という鮎美の提案に、勝男は「俺自炊 しないから 材料ないよ」と答えます 。 しかし、鮎美はキッチンを探り、「レンチン ご飯はあるね」「やきとり 缶詰と卵に ケチャップも あるから できる!」と宣言 。 そして、限られた材料で見事なオムライスを作り上げます。

「だって お店みたいな オムライスだ!」と感動する勝男に、鮎美は「あははは これくらい 簡単だよ〜」「そんな感動する ことじゃないって」と照れ笑いを浮かべます 。 これが、勝男が鮎美の手料理を初めて食べた、二人の大切な思い出でした。

図書館での再会と、縮まらない距離

場面は現在に戻り、勝男は図書館にいます 。 第14話のラストシーンの続きです。鮎美とよく来ていた図書館にいるせいか、オムライスの記憶が蘇り、「どんどん思い出のスイッチが 押されていくというか…」「まだ多少 引きずってる んだな まずい…」と、自分の未練を自覚します

その時、目の前に鮎美本人が現れます 。 「幻が見えたのかと思った…」と動揺し、思わず「鮎美!?」と声を上げる勝男 。 しかし、鮎美は彼を一瞥すると、冷たく「図書館なんだから 静かにして」と言い放ち、本を探し始めます

勝男は彼女が手に取った本を見て、「出汁…」「蘊蓄でも 仕入れてるの?」と話しかけますが、鮎美は「あ」と短く返すのみ 。 気まずい沈黙が流れます。

二人の出会いの記憶

勝男は、鮎美との最初の出会いを思い出します 。 それは大学の図書館で、勝男が落とした消しゴムを鮎美が拾ってくれたのがきっかけでした 。 勝男が読んでいた、地元が舞台の古い小説について話すと、鮎美は「小説は あんまり」と答えつつ、「けど料理本とか 画集は読む!」と意外な一面を見せます 。 そして、「筑前煮とか 得意だよ」という言葉に、勝男は「大好き!!!」と食いつき、二人の距離は急速に縮まったのでした 。 勝男は、ただ「知りたい 君のこと」という純粋な気持ちで、彼女に惹かれていったのです

好きな色、好きな季節、子供の頃の遊び、行きたい国…勝男は鮎美にたくさんの質問をしました

現在の二人 – 交わらない視線

しかし、現在の図書館での二人の間には、重い沈黙が流れています。 勝男は鮎美に「最近元気?」「体壊してない?」「友達できた?」と、かつてのように質問を投げかけます 。 しかし、鮎美は本から目を離さず、「どうしてこの本 読もうと思ったの?」「料理するの?」と、勝男の内面ではなく行動について尋ねるだけです 。 勝男は「もしかして… 私のことまだ…」と期待しかけますが、鮎美は本を閉じ、「じゃあね」とあっさり立ち去ってしまいます

一人残された勝男。彼のスマホに鮎美から「ちょっとだけ話しない?」というメッセージが届きますが、それはすぐに削除されてしまいます 。 勝男の脳裏には、別れ際の「勝男さんには わからないだろうし わかってほしいとも もう思わないかな」という鮎美の言葉が蘇り、彼は再び打ちのめされます

失恋仲間からの報告と、孤独なオムライス

図書館を出た勝男に、失恋仲間である椿(つばき)から電話がかかってきます 。酔っ払っている様子の彼女は、「報告がありま〜〜〜す」「実わあ 元彼と やり直すことに なりましたぁ〜〜〜!!!」と、衝撃の事実を告げます 。 勝男は「オメデトウ…」と祝福しますが、内心は複雑です 。椿は「え?元気ないじゃーん!」「もしかしてぇ 私のこと 好きになってた?」とからかいますが、勝男はそれを否定し、電話を切ります

「白崎や 南川にまた 話すのもな」「元カノのこと ずるずるずる あまりに情けなくて 話したくない」 。 完全に一人になってしまった勝男。 「時間が流れて けど実際は 鮎美への気持ちが 薄まっているような 気がしていた」「歪に覆い隠してる だけで それを剥がしたら」「まだまだ生傷が ヒリヒリする」 。 彼は、自分の未練がまだ深く残っていることを痛感します。

「なんかシメに 食べたいな〜〜〜〜」。勝男は、あの日の鮎美を思い出し、「思い出のオムライス 作っちゃおっかな★」と決意します 。 学生の頃とは違い、冷蔵庫には鶏肉も玉ねぎもあります 。 「さすがにオムライスなら 簡単にできるだろ」 。 しかし、実際に作ってみると難しく、出来上がったのは不格好なオムライスでした 。 「味も まあまあ うまい」。一人でそれを食べながら、勝男は「なんで こうなっちゃったかな…」と、やり場のない想いを噛み締めます 。 タイムマシーンがあったとしても、どこからやり直せば良かったのか分からない 。 孤独な部屋で、勝男はただただ過去を想うのでした。


【じゃああんたが作ってみろよ】第15話を読んだ感想(ネタバレあり)

第15話は、甘酸っぱい過去と切ない現在の対比が胸に迫る回でした。 大学時代の勝男くんと鮎美ちゃんの初々しいやりとり、特にオムライスのエピソードは、見ているこちらもキュンとしてしまいました 。限られた材料でさっと美味しいものを作ってしまう鮎美ちゃん、かっこいいですね。これが二人の原点だったのかと思うと、今の状況がより一層切なく感じられます。

現在の図書館での再会シーンは、読んでいて辛かったです。勝男くんはまだ鮎美ちゃんへの想いを引きずっていて、たくさんの質問を投げかけるのに、鮎美ちゃんは壁を作って応じない 。二人の間に流れる空気の重さが伝わってきました。出会った頃のように、お互いのことを知りたがっていた時間は、もう戻らないのでしょうか。メッセージを送ってすぐに削除する鮎美ちゃんの行動も、彼女の複雑な心境を表しているようで気になります

そして、椿さんのまさかの復縁報告! 失恋仲間として勝男くんを励ましてくれる存在だっただけに、この展開は衝撃でした。これで勝男くんは本当に一人になってしまった…。彼の孤独感がひしひしと伝わってきて、胸が痛みます。

最後のオムライス作りも、切なかったですね。思い出の味を再現しようとしても、一人で作るオムライスは不格好で、味も「まあまあ」 。学生時代とは違う、今の自分の状況を象徴しているようです。「なんでこうなっちゃったかな…」という彼のモノローグには、深い後悔と寂しさが滲み出ていました 。失恋の傷は、まだ当分癒えそうにありません。


【じゃああんたが作ってみろよ】第15話のネタバレまとめ

  • 物語は勝男と鮎美の大学時代の回想から始まり、二人の馴れ初めと、鮎美が勝男に初めて作った料理がオムライスだったことが描かれます 。
  • 現在、図書館で偶然鮎美と再会した勝男は、彼女の冷たい態度と、縮まらない距離にショックを受けます 。
  • 勝男は、大学時代に図書館で鮎美と出会い、「筑前煮が得意」という話から意気投合したことを思い出します 。
  • 鮎美は勝男に一瞬メッセージを送りますが、すぐに削除してしまいます 。
  • 失恋仲間だった椿から、「元彼とヨリを戻した」という報告を受け、勝男は再び孤独を感じます 。
  • 自分の未練がまだ深いことを自覚した勝男は、一人で思い出のオムライスを作りますが、不格好な出来栄えに終わります 。
  • 勝男は「なんでこうなっちゃったかな…」と、過去への後悔と現在の孤独を噛み締めます 。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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