【その天才様は偽装彼女に執着する】10話あらすじから結末までわかりやすくネタバレ解説!

【その天才様は偽装彼女に執着する】第10話をネタバレありで簡単に解説する
「本日限りで契約を解消させて下さい。」――凛(りん)が残した一通の置き手紙。第9話の悲劇的なラストを受け、第10話では、残された若月郁(わかつき いく)の苦悩と、一人になった凛の孤独な決意、そして運命の再会が描かれます。二人の想いが交錯する、切なくも力強い物語が展開します。
置き手紙と兄への怒り
凛からの突然の別れを信じられず、郁は呆然と立ち尽くします。何度電話をかけても、彼女が出ることはありません。そこへ、凛の兄が訪れます。郁は、感情をむき出しにして兄に詰め寄りました。「一体何があったのか…」。
普段の冷静な姿からは想像もつかないほど取り乱し、「俺だってわからない!!」と叫ぶ郁。天才である彼が、愛する一人の女性のこととなると、ただの不器用な男になってしまう。その姿は、彼の凛に対する想いの深さを物語っていました。
語られる凛の過去と兄の頼み
郁のあまりの剣幕に、凛の兄は彼女が抱える過去のトラウマを語り始めます。かつて父親が浮気をして家を出ていった時、凛は自分を責め、過剰に「ものわかりのいい子」になってしまったこと。そして、元カレに裏切られた時も、全て自分のせいだと抱え込んでしまったこと。
兄は、凛が今もまた、何かから逃げるために一人で姿を消したのだろうと推測します。そして、郁が本気で凛を心配していることを理解した上で、「そっとしておいてやってくれ」と頼みました。下手に追いかければ、彼女はさらに心を閉ざしてしまう、と。
天才の決意「俺の手で探し出して謝りたい」
しかし、郁はその頼みを断固として拒否します。「…完全に俺のミスだ」。凛を追い詰めてしまったのは自分だと、彼は全ての責任を背負っていました。
兄との電話で、凛が泣いていたことを知っていた郁。彼女を一人にしてはおけない、と彼は決意を固めます。 「俺の手で探し出して直接謝りたい」 アテはあるのかと問う兄に対し、郁は「人工衛星ハッキングすればいい」と冗談めかして見せますが、その瞳は真剣そのもの。「俺 天才だし」と、凛の兄に力強く宣言し、彼はたった一人で凛を探しに向かうのでした。
凛の孤独な再出発
一方、一人になった凛は、住む場所も職も失い、途方に暮れていました。不動産屋を訪ねるも、無職では部屋を借りることすらできません。公園のベンチに座り、彼女はこれまでの自分の弱さを悔やみます。「見る目がなくて変な人間を引き寄せたのは自分だ」「最低だよ…」と、全てを自分のせいだと責める凛。
しかし、彼女はただ絶望するだけではありませんでした。「感傷的になってる場合じゃない」「自立するいい機会だ」。この逆境をバネに、一人で生きていくための道を模索し始めるのです。
「絶対離さない」運命の再会
凛が、これからのことを考えようと顔を上げた、まさにその瞬間でした。誰かが、彼女の手を強く掴みます。驚いて顔を上げると、そこにいたのは、必死の形相で自分を探していた、郁でした。
「…離してください」と抵抗する凛。しかし、郁はさらに強くその手を握りしめます。そして、二度と彼女を失わないという強い意志を目に宿して、こう告げました。
「…絶対離さない」
その言葉は、契約でも、偽装でもない、彼の心の底からの叫びでした。
まとめ【その天才様は偽装彼女に執着する】10話を読んだ感想(ネタバレあり)
胸が締め付けられるような切なさと、ラストの感動的な再会が心に残る、素晴らしい回でした。お互いを想い合いながらも、すれ違ってしまう二人の姿が、非常にもどかしく、そして愛おしく感じられます。
特に印象的だったのは、郁の人間味あふれる姿です。天才で完璧に見えた彼が、凛を失ったことで感情を露わにし、苦悩する。そのギャップが、彼のキャラクターに更なる深みを与えていました。「俺が探す」と宣言した彼の姿は、まさしくヒーローそのものでした。
そして、どん底の中でも前を向こうとする凛の強さにも胸を打たれます。彼女はもはや、ただ守られるだけのヒロインではありません。自分の足で立とうとする彼女の決意が、この先の物語でどう花開くのか、非常に楽しみです。
ついに再会を果たした二人。郁の「絶対離さない」という言葉は、全ての誤解を解き、二人を本当の恋人にするための、力強い第一歩となるでしょう。紗矢の策略の真相が明かされ、二人が心からの笑顔を取り戻す日は近い。そう確信させてくれる、希望に満ちたラストでした。
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