【のんのんの日常チャンネル】第13話をネタバレありでわかりやすく解説する

- ななみは、三里さんの元カノで人気Vloggerのまなみとのコラボ配信を通じて、自身の恋愛における「主体性のなさ」に気づきました。
- 自分が三里さんに一度も「好き」と伝えていなかったことを悟り、本当の気持ちを伝えるために彼に会いに行こうと決意します。
- しかしその頃、三里さんは上司のワタベから「価値のないものは損切りしろ」という冷酷なアドバイスを受け、ななみのチャンネル登録を解除していました。
【のんのんの日常チャンネル】第13話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、すれ違う想いのまま、物語は幕を閉じました。第13話では、これまで謎に包まれてきた三里葵という男の内面が、彼の視点から赤裸々に語られます。「結婚は出世のための手段」と断言していた彼の、あまりにも合理的で、そして不器用な恋の物語。ななみと出会い、彼の完璧な計画はどのように狂っていったのか。物語の核心に迫る、重要な第13話を徹底解説します。
全ては仕事のために。三里葵の哲学
物語は、ななみが三里さんの家のインターホンを鳴らす場面から始まります。しかし、今回の物語の主役は三里さん。彼の行動原理、そして「結婚」という目標に至った経緯が、彼のモノローグで明かされていきます。
効率化の果てに失ったもの
三里さんにとって、「仕事が好きです」という感情は絶対的なものでした。仕事で成果を出すため、彼は自らの生活から食事や移動時間といった「ムダを省いて」効率化を追求し、実際に昇進を重ねてきました。しかし、その過程で彼が切り捨ててきたものは、人間らしい感情や日常の彩りだったのです。 そんな彼に、上司のワタナベは「そろそろ所帯を持ったらどうだ」と、キャリアの次のステップとして「結婚」を提案します。
「無駄ばかりだ」Vlogとの出会い
全てを効率化してきた三里さんにとって、ななみのVlogは「自分がそぎ落としてきたものばかりが詰まっていて」「無駄ばかりだ」と感じる、非合理的なものでした。一度は「大変無駄な寄り道でした」とチャンネル登録を解除し、ワタナベに紹介された結婚相談所で、論理的にパートナーを探すことを決意します。
LOGICAL LOVE(ロジカル・ラブ)
三里さんが門を叩いた結婚相談所が提唱するのは、「パートナーを見つけるのに一番効率的な方法」—その名も「LOGICAL LOVE」。感情ではなく、条件とデータで最適な相手を見つけ出す、まさに三里さんのためのような場所でした。
完璧な婚活と、予期せぬ再会
三里さんは、相手に求める条件や自身のスケジュールを完璧にリストアップし、相談所のスタッフを驚かせます。彼の婚活は順調に進み、条件に合う申し分のない女性と出会い、「この人にしようかな」と決断を下す寸前まで至りました。 しかし、そんな彼の前に、運命のいたずらか、偶然にもななみが現れます。道で派手に転んでしまった彼女と10分だけ話した、そのわずかな時間が、彼の完璧な計画に狂いを生じさせるのです。
論理的ではない「なにか」
その後、結婚相談所でのお見合い相手に「結婚を前提に交際していただけませんか?」と切り出そうとした三里さん。しかし、彼はその言葉を飲み込み、結局断ってしまいます。 相談所のスタッフから理由を問われた彼は、「……なんか 違うかな……と」としか答えられません。そのあまりにも非論理的な理由に、スタッフは激怒。三里さんは「答えがまとまるまでお見合い禁止」を言い渡されてしまうのでした。
本当の気持ちに気づく時
なぜ、完璧な条件の相手を断ってしまったのか。夜道を一人歩きながら、三里さんは自問自答します。そして、彼がたどり着いたのは、あまりにも人間的で、非効率な答えでした。
「誰でもいいわけじゃない」
彼が相手を断ったのは、「誰でもいいかと思ったら、誰でもいいって思われるの嫌だろうな」と、ふと思ってしまったからでした。その瞬間、彼は気づきます。自分がななみに「私じゃなくてもいいのでは……?」と言わせてしまったこと、そして、「僕は誰でもいいわけじゃない」「あの時だって いつでもあなたのことを考えていたのに?」という、自分の中にあった本当の気持ちに。
あなたのために最適化された僕
三里さんの完璧な計画、その全ては無意識のうちに「ななみ」という存在に最適化されていました。彼女の好みを知り尽くし、ベストなタイミングで行動し、安心を与えられる存在になる。それら全ては、「あなたに必要とされるために 全てしてきたのだから」。しかし、その想いは彼女に全く伝わっていなかったのです。
インターホンに残された、ななみの想い
「こんな非効率なことしなくてよかったのに」と後悔する三里さん。彼は自宅のインターホンの録画データを確認します。するとそこには、彼が不在の間、何度も、何度も訪ねてきてはインターホンを鳴らすななみの姿が記録されていました。 その健気な姿に心を揺さぶられながらも、彼はSDカードを取り出し、パソコンでその映像を繰り返し再生します。そして、ポツリと呟くのでした。「キショいなぁ……」と。
【のんのんの日常チャンネル】13話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、これまで感情のないロボットのように見えた三里さんの、人間らしい内面が描かれた傑作回でした。彼の行動原理が「仕事のための効率化」という、非常に分かりやすいロジックに基づいていたことにまず驚かされます。そして、その彼が「LOGICAL LOVE」という究極の効率的婚活に乗り出しながら、ななみとの偶然の再会によって、そのロジックを自ら破壊していく過程は、見事としか言いようがありません。
「なんか違うかな…と」という、あまりにも非論理的な理由で完璧な相手を断ってしまうシーンは、彼の人間性が再起動した瞬間であり、読んでいて鳥肌が立ちました。そして、彼が自分の完璧な計画の全てが、無意識に「ななみのため」に最適化されていたことに気づく場面。これは、本作における屈指の名シーンではないでしょうか。
ラスト、インターホンの録画を見ながら「キショいなぁ……」と呟く場面は、様々な解釈ができます。何度も訪ねてくるななみの行動を指しているのか、あるいは、そんな彼女の姿を繰り返し見てしまう自分自身の行動を自嘲しているのか。おそらく後者でしょう。彼のロジカルな思考と、芽生えてしまった非論理的な愛情がせめぎ合っている、非常に人間味あふれるラストだと感じました。
【のんのんの日常チャンネル】13話のネタバレまとめ
- 物語の視点は三里さんに移り、彼の行動原理が「仕事のための徹底的な効率化」であることが明かされます。
- 上司のワタナベに勧められ、三里さんは条件で相手を探す結婚相談所、通称「LOGICAL LOVE」で婚活を始めます。
- 婚活は順調に進みますが、偶然ななみと再会したことで、彼は完璧な条件の相手を「なんか違う」という非論理的な理由で断ってしまいます。
- 三里さんは、自分の計画の全てが、無意識のうちに「ななみに必要とされるため」に最適化されていた、という本当の気持ちに気づきます。
- 自宅のインターホンの録画データで、ななみが何度も自分を訪ねてきていたことを知り、その映像を繰り返し見ながら「キショいなぁ……」と呟くのでした。
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