【ばけばけ】3話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- トキは家族を支えるため、父と祖父に武士のままでいてほしいと願い、「教師になる」という夢を持ちました。
- 親戚の叔母タエに夢を打ち明けるも、「武士の娘が働くものではない」と厳しく反対されます。
- タエの夫・傳が武士の象徴である髷を落とした「散切り頭」で登場。商人として織物工場を始めると宣言しました。
- 新しい時代へ進む傳の姿に感銘を受けたトキは、無邪気に「おじさまのような父上が良かった」と漏らし、それを父・司之介が聞いてしまいます。
- 傷心の司之介は、後日、どこからか一羽のウサギを連れてきて、戸惑うトキに見せました。
【ばけばけ】第3話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、娘の無邪気な一言に傷つき、謎のウサギを連れてきた父・司之介。第3話では、そのウサギが松野家に束の間の幸福と、深い絶望の影をもたらします。ジェットコースターのような展開から目が離せません。
父の決断、怪しげなウサギ商売
物語は、司之介(岡部たかし)が「商いをはじめようと思ってな」と、ウサギの商売を始めることを家族に打ち明ける場面から始まります。かつての部下であった金成初右衛門という男から持ちかけられた話で、当時はやっていた舶来のウサギを安く仕入れて増やし、高く売るというものでした。
5円で買ったうさぎが600円の値がつくこともある。
あまりにうますぎる話に、母のフミ(池脇千鶴)は「怪しすぎます」と当然の疑いを口にします。しかし、娘の前で叔父の傳(堤真一)に格好の悪い姿を見せてしまった司之介は、「俺はでん様に負けんぞ」と決意を固めていました。それは、武士の誇りを捨ててでも、家族を幸せにしたいという父の悲壮な覚悟の表れでもあったのです。
家族の対立とトキの涙の訴え
司之介の決断を、フミは「父上が決めたことじゃき応援しましょ」と受け入れます。しかし、祖父の勘右衛門(小日向文世)は激怒しました。「お前、刀を捨てるというのか」と木刀を振りかざし、武士の誇りを汚す行いだと猛反対します。
一触即発の空気の中、二人の間に割って入ったのはトキ(福地美晴)でした。
叔父上、私があれこれ申したせいで・・・
そう言って頭を下げるトキ。自分が父を追い詰めてしまったのだと、その小さな体で責任を感じていたのです。孫の涙ながらの訴えに、頑固だった勘右衛門もついに矛を収め、「おじょに免じてだぞ」と商売を認めるのでした。家族の未来を想う少女の真心が、一家を一つにした瞬間です。
束の間の幸福「ウサギ長者になるぞ!」
意外にも、司之介が始めたウサギの商売は面白いように当たりました。わずか数週間で200円もの大金を儲け、松野家の食卓は驚くほど豪華になります。それまで貧しい暮らししか知らなかったトキにとって、家族みんなが笑い合って食卓を囲むのは、生まれて初めての経験でした。
娘の喜ぶ顔を見て、司之介はますます発奮します。
相場がええ時に、金貸しから借りれるだけ借りてもっといくぞ。松江一のうさぎ長者になるぞ!
成功に有頂天になった司之介は、さらに借金をして商売を拡大しようと計画。その危うい決断にフミは不安を覚えますが、家の明るい雰囲気に強く反対することはできませんでした。
橋の向こうの景色と破滅の足音
ある日、司之介と縁日に出かけたトキは、衝撃的な光景を目の当たりにします。松江大橋の向こう側へ、若い女性や落ちぶれた男たちが借金のかたに売られていく姿です。司之介は「あまり見るな」と言いますが、トキはその中に、父にウサギの商売を紹介した金成の姿を見つけてしまいます。
しかし、父の楽しそうな様子を見て、トキはそのことを言い出せませんでした。そしてその夜、司之介は「ちょっと出る」と言い残したまま、家に帰ってこなかったのです。幸せな時間は、あまりにも短く、松野家には再び暗い影が忍び寄っていました。
【ばけばけ】3話を観た感想(ネタバレあり)
今回の第3話は、まさに天国と地獄でした。前半、ウサギの商売がうまくいって、松野家のみんなが心から笑っているシーンは、本当に涙が出そうになるほど嬉しかったです。特におじいちゃんの勘右衛門さんが、あれだけ反対していたのに、トキちゃんと一緒にウサギで遊んでいる姿は微笑ましかったですね。
でも、幸せな時間というのはどうしてこうも短いのでしょうか。「金貸しから借りれるだけ借りて突っ込む」という司之介さんのセリフが出た瞬間、「あ、ダメだ…」と多くの視聴者が思ったことでしょう。これは典型的な破滅フラグですよね。彼の動機が「娘を喜ばせたい」「傳さんを見返したい」という純粋なものだからこそ、余計に胸が痛みます。彼は悪い人間ではなく、ただ不器用で、時代の波に乗るのが下手なだけなのです。
そして、終盤の橋のシーンは本当に残酷でした。橋のこちら側(武家社会)と向こう側(貧しい人々の街)という対比が、松野家の未来を暗示しているようで…。トキちゃんが金成の姿を見つけてしまう場面は、ホラー映画より怖かったです。幸せの絶頂から、一気に絶望の淵へ突き落とされる。朝ドラならではのジェットコースター展開に、心臓が掴まれるような思いでした。
最後に一人、川辺でたたずむ司之介さんの姿。彼は全てを失ってしまったのでしょうか。そして、残された家族はどうなってしまうのか。束の間の夢から覚めた松野家を待ち受ける過酷な現実に、来週の放送が待ちきれないと同時に、見るのが少し怖い気もします。
【ばけばけ】3話のネタバレまとめ
- 父・司之介は、元部下の金成に勧められ、一攫千金を狙ってウサギの転売ビジネスを始める。
- 祖父・勘右衛門は猛反対するが、父を想うトキの涙の訴えにより、一家は司之介を応援することに決める。
- 商売は当初大成功し、松野家は生まれて初めてというほどの裕福で明るい時間を取り戻す。
- 成功に気を大きくした司之介は、さらに借金をして事業を拡大しようとする。
- トキは、借金のかたに売られていく人々の中に、金成の姿を目撃してしまう。その夜、司之介は家に帰ってこなかった。
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