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【ばけばけ】5話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 失踪から10日後、トキは浮浪者のようになった父・司之介を発見し、涙ながらに家に連れ帰りました。
  • 司之介はウサギの商売に失敗し莫大な借金を背負ったことを告白し、トキに学校をやめて働くよう非情な宣告をします。
  • 食費にも困るようになった松野家は、ペットとしてかわいがっていたウサギを「しめこ汁」にして食べました。
  • 一方、アメリカでは未来のトキの夫となるヘブンも、仕事を失い自殺を図るほど絶望の淵にいました。
  • 物語の最後に「2人が出会うまで5612日」と表示され、未来への希望が示唆されました。

【ばけばけ】第5話をネタバレありでわかりやすく解説する

父が作った莫大な借金により、人生の歯車が大きく狂ってしまったトキ。第5話では、物語は一気に10年の時を進め、たくましく成長した彼女の姿と、新たな決意が描かれます。今週の締めくくりとなる金曜日、物語はどんな展開を迎えるのでしょうか。

10年後、遊郭の隣町で

物語の舞台は、明治19年(1886年)。あの悲劇から10年が経ち、トキ(高石あかり)は18歳の女性に成長していました。松野家はかつて住んでいた武家屋敷とは橋の反対側にある、遊郭に隣接した長屋に移り住んでいます。

トキは叔父・傳(堤真一)が経営する機織り工場で女工として働き、一家の借金を返す毎日。彼女のささやかな娯楽は、「怪談を聞くことや、夢でうなされること」という有様で、その暮らしの厳しさがうかがえます。

父の司之介(岡部たかし)も牛乳配達の仕事を始めて5年になりますが、借金はあまりに莫大で、暮らしは一向に楽になりません。それでも、仕事から疲れ果てて帰ってきたトキと司之介が、子供のようにじゃれ合う姿には、貧しいながらも変わらない家族の温かさが感じられます。

「おなごが生きていくには」という現実

ある日、トキは幼馴染のサワ(円井わん)といると、遊郭から出てきた男と、彼を迎える遊女・なみ(さとうほなみ)に出くわします。軽蔑の眼差しを向けるサワに対し、なみは厳しい現実を突きつける一言を放ちました。

おなごが生きてくには身を売るか、男と一緒になるしかないんだけんね。

この言葉は、この時代を生きる女性たちの、あまりにも限られた選択肢を象徴しています。トキの心にも、その言葉は深く突き刺さったようでした。

借金取りの脅迫と、トキの決意

そんな松野家に、借金取りの森山(岩谷健司)が乗り込んできます。「200年経っても返せそうにない」ほどの借金を前に、森山は非情な言葉を投げつけました。

娘を遊郭にやるか、首つるか物乞いになるか、よく考えとけ。

「遊郭にやるようなことはない」と娘をかばう司之介。その父の姿を見て、追い詰められたトキは、家族に驚くべき提案をします。

婿様をもらいましょうか。 働き手を増やして借金を返すのです。こげな暮らしから抜け出すには、もうそれしか……。

恋愛や夢のためではなく、借金を返すための「結婚」。それは、なみが言った「男と一緒になる」という選択肢を、家族のために選ぼうとするトキの悲壮な決意でした。

縁結び神社での恋占い

婿探しの第一歩として、トキは工場の同僚であるチヨ(倉沢杏菜)、せん(安達木乃)と共に、縁結びで名高い八重垣神社を訪れます。池に硬貨を乗せた紙を浮かべ、その沈み方で縁を占う「恋占い」。

チヨとせんの紙はすぐに近くで沈み、「近くの人と結ばれる」と二人は大喜び。しかし、トキの紙だけは一向に沈む気配がありません。それどころか、池の上をすべるように、どんどん遠くへと流されていってしまいます。「沈め、沈め、沈め~」と必死に念じるトキの願いもむなしく、紙は彼女から離れていくのでした。その光景は、彼女の運命が、この松江の地にはないことを暗示しているかのようでした。

【ばけばけ】5話を観た感想(ネタバレあり)

今週のラストは、これまでの重苦しい展開から一転、少しコミカルで、それでいて非常に示唆に富んだ終わり方でしたね。一気に10年が経ち、高石あかりさん演じる大人のトキちゃんが登場しましたが、福地美晴ちゃんが演じた幼少期の面影を残しつつ、苦労を重ねてきた芯の強さも感じられて、とても魅力的でした。

貧しいながらも、お父さんとじゃれ合うシーンは本当に救われます。どんなに辛い状況でも、この家族の根底にある明るさと愛情が失われていないことにホッとしました。しかし、借金取りの森山の登場で、そのささやかな日常がいかに脆いものかを思い知らされます。

そして、トキちゃんの「婿をもらいましょうか」という決意。18歳の女の子が、恋愛ではなく「働き手を増やすため」に結婚を決意するなんて、切なすぎます。なみさんの言葉が、彼女の決断を後押ししたのでしょう。自分の人生を犠牲にしてでも、家族を守ろうとする彼女の姿に胸が締め付けられました。

最後の八重垣神社での恋占いのシーンは、秀逸でしたね。トキ本人にとっては、自分の縁のなさを突きつけられる残酷な結果だったでしょう。でも、私たちは知っています。彼女の運命の相手が、遠いアメリカにいることを。だから、彼女の紙が遠くへ遠くへ流れていく様子は、まさに彼女の未来を正確に言い当てているんです。この見事な「伏線」に、思わずニヤリとしてしまいました。来週はトキのお見合い大作戦が始まるようですが、この占いの結果がどう繋がっていくのか、ますます楽しみです。

【ばけばけ】5話のネタバレまとめ

  • 物語は10年後の明治19年に進み、18歳になったトキは借金返済のため機織り工場で働いている。
  • 松野家は遊郭の隣の長屋に引っ越し、貧しいながらも愛情のある暮らしを続けている。
  • 借金取りに「娘を遊郭に売れ」と脅され、追い詰められたトキは、働き手を増やすために婿を取ることを決意する。
  • 縁結びの神社で恋占いをするが、トキの占いの紙だけが沈まずに遠くへ流れていってしまう。
  • その占いの結果は、彼女の運命の相手が遠い場所にいることを暗示していた。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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