【ひと夏の共犯者】第16話をネタバレありでわかりやすく解説する

ずっちー
前話のおさらい
  • 眞希は、巧巳の忠誠心への褒美として、海斗が死んだ夜の出来事を語り始めた 。
  • 回想シーンで、澪は海斗から常習的なDVを受けており、殺されかけた極限状況で、彼女を守るために眞希の人格が覚醒したことが明かされた 。
  • その壮絶な過去を聞いた巧巳は、「俺が殺したかった」と、自分が彼女の代わりに罪を犯したかったと告白し、眞希を感動させた 。
  • 一方、後輩刑事の三宅は愛衣那に呼び出され、ホテルの部屋を訪れると、バスローブ姿の彼女に出迎えられた 。

【ひと夏の共犯者】第16話をネタバレありでわかりやすく解説する

アイドルの危険な誘惑

物語は、愛衣那と三宅刑事のホテルでの密会から始まります 。三宅は「誰にも言ってません!」と、この密会が秘密裏のものであることを伝えますが、彼の緊張をよそに、愛衣那はバスローブを脱ぎ捨て、妖艶に彼を誘惑します

「推しのアイドルとのこんな機会めったにないよ?」と囁く彼女に、三宅は必死に抵抗 。自分は澪の情報を得るために、上司の塔堂を裏切ってここに来たのだと、職務との間で揺れ動きます

しかし、愛衣那はそんな彼の葛藤を見透かしたように、「わかってる でもその前にもう限界でしょ?」と彼をベッドに押し倒し、その唇を奪うのでした

孤独という名の共感

一度は理性を失いかけた三宅でしたが、彼女から澪の居場所を教えてほしいと請われると、「それはできないよ」と刑事としての矜持を取り戻します

すると、愛衣那は作戦を変えます。

「愛衣那もね 澪ちゃんと一緒で 子どもの頃からずっと一人だったんだよ」

彼女は、自らの孤独な過去を語り、澪も今どこかで寂しい思いをしているはずだと、三宅の同情心に巧みに訴えかけます

「自分で手に入れる」――恐るべき覚悟

そして、彼女は恐るべき本性を覗かせます。

誰も助けてくれないから 誰にも頼れないから 全部自分で手に入れてきたの

だから今回も自分で手に入れることにするね

その言葉は、目的のためなら手段を選ばない、彼女の生き様を物語っていました。

裏切りと策略、そして泳がされる駒

愛衣那は油断した三宅の飲み物に薬物を混入 。意識を失っていく彼に「三宅さん ごめんね」と囁きながら、彼のジャケットから警察手帳を抜き取ります

澪ちゃん もうすぐ会えるね…

彼女は、自らの手で澪を見つけ出すための「切り札」を手に入れたのです。

しかし、愛衣那が完全に事を有利に進めているかと思いきや、物語は別の視点を映し出します。塔堂刑事は、部下が愛衣那の元へ向かうことを把握していました。そして、確保に向かおうとする別の部下を制し、こう言い放ちます。

いや 泳がしとけ

物には食べどきってもんがあんだよ」 。

すべては、凄腕刑事・塔堂の描いた筋書きの上だったのです

【ひと夏の共犯者】16話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、愛衣那というキャラクターの恐ろしさが存分に発揮された回でした。三宅刑事を手玉に取る一連の流れは、まさに圧巻。ファンの心理を突き、同情を誘い、最後は非情な手段で目的を達成する…。彼女の行動すべてに一切の迷いがなく、その知能と覚悟には鳥肌が立ちました。彼女が語った「全部自分で手に入れてきた」という言葉が、彼女の壮絶な人生を物語っていて、悪役ながらもどこか同情してしまいそうになる、複雑な魅力を感じます。

三宅刑事、あまりにも可哀想でしたね…。正義感と、推しへの想いの間で必死に戦っていたのに、完膚なきまでに叩きのめされてしまいました。彼が今後どうなってしまうのか、心配でなりません。

そして、最後の塔堂刑事のセリフ!これが一番ゾクッとしました。愛衣那が自分の思い通りに動いていると思いきや、実はそれすらも塔堂刑事の手のひらの上だったとは…。まさに「螳螂の斧」ですね。狡猾な愛衣那と、それを見越して罠を張る塔堂刑事。この二人の女の戦いが、今後の物語の大きな軸になっていくことは間違いありません。巧巳くんと澪(眞希)が知らないところで、事態はとんでもない方向へと進んでいますね。

【ひと夏の共犯者】16話のネタバレまとめ

  • 愛衣那は、ホテルで密会した三宅刑事を色仕掛けで誘惑し、油断させる 。
  • 澪の居場所を聞き出せないとわかると、自らの孤独な過去を語り、同情を誘う 。
  • 愛衣那は、目的のためには手段を選ばないという強い決意を語る 。
  • 最終的に、愛衣那は三宅刑事を薬で眠らせ、彼の警察手帳を奪い取ることに成功する 。
  • 一方、塔堂刑事はその状況を把握しており、あえて愛衣那を泳がせるという作戦をとっていた 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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