【ひと夏の共犯者】第22話をネタバレありでわかりやすく解説する

ずっちー
前話のおさらい
  • 回想シーンは続き、澪は愛衣那の足にある自傷の痕に気づいた 。
  • しかし、澪はそれを咎めるのではなく、「頑張ったのね」と、彼女の苦しみを肯定する言葉をかけた 。
  • その後、愛衣那は父親の逮捕歴が事務所に発覚し孤立、自らグループを辞めることを決意する 。
  • 事務所を去ろうとした矢先、週刊誌の記者に囲まれるが、そこへ澪が割って入り、愛衣那を守るために毅然と記者と対峙した 。

【ひと夏の共犯者】第22話をネタバレありでわかりやすく解説する

馬鹿なお話の結末

物語は、澪が愛衣那を記者から守った直後のシーンから始まります 。愛衣那が「こんなこと頼んでないんだけど」と戸惑うと、澪は「スッキリしたでしょ?」と悪戯っぽく微笑みます 。そして、辞めようとしていた愛衣那に選択を迫ります

「辞めるのは勝手だけど その前にこの馬鹿なお話の結末を見てみない?」

その言葉に、愛衣那の運命は再び動き始めます

炎上、そして逆境のステージ

澪の行動は、マスコミによって「人気アイドル、記者に暴行」と報じられます 。記者の挑発的な言動は伏せられ、澪が一方的に暴力を振るったかのような記事に、世間は「犯罪者の子と暴力女がいるグループ」と激しくバッシング

そんな逆風の中、AMELはライブを決行します 。しかし、会場を埋め尽くしたのは、ファンではなく野次馬たちでした

マネージャーが「これ以上は危険だ」と中止を進言するも、彼女たちはステージに立ちます 。案の定、「暴行事件は本当なのか?」「謝罪しろー」という怒号が飛び交う、地獄のような光景が広がっていました

「愛衣那ちゃんのほうが大切なんです!」――衝撃の告白

すべての敵意を一身に受けながら、澪はマイクを握ります 。そして、会場に響き渡る声で、こう宣言しました。

記事に書かれたことは…すべて事実です

会場がどよめく中、彼女は続けます。手を上げたことは間違っていた、みんなの期待を裏切ったこともわかっている、と 。そして、彼女は叫びました。

でも…それでも愛衣那ちゃんのほうが大切なんです!

伝説のライブと愛の誓い

その言葉の直後、澪は隣にいた愛衣那に、ステージ上でキスをしました

それは、スキャンダルを逆手に取った、あまりにも大胆不敵なパフォーマンス 。そして、世界中が敵になっても、自分だけはあなたの味方だという、愛衣那個人に向けられた、何よりも強いメッセージでした

呆気にとられる観客と、衝撃を受ける愛衣那 。澪は、マイクを通してファンに対して最大のメッセージを届けます。

『だいすき♡』だよ

この瞬間、愛衣那の中で何かが決定的に変わりました

(あのとき この世にたった一人だけ 大好きだって思える人ができたんだ)

回想は終わり、場面は現在へ。ニュースでは「殺人鬼アイドル片桐澪」の報道が流れる中、男が静かに、しかし強く誓うのでした 。

地獄の果てまで 必ず俺が見つけだしてやるよ

それはかつて澪に返り討ちにされたあの記者でした。

【ひと夏の共犯者】22話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、愛衣那の過去編のクライマックスとして、あまりにも劇的で、そして美しい結末が描かれました。正直、鳥肌が止まりませんでした。絶望的な状況下で、澪ちゃんが取った行動は、まさにアイドルの常識を覆すものでしたね。

普通なら、誤解を解こうとしたり、言い訳をしたりするところを、彼女は全てを「事実」と認めた上で、「それでも友達が大事」と叫んだ。これは、ただの友情を超えた、魂の叫びです。ステージ上でのキスは、スキャンダルを伝説に変えた、最高のパフォーマンスでした。あれを見せられたら、愛衣那ちゃんが澪ちゃんに心酔してしまうのも納得しかありません。自分のために、世間もキャリアも全てを敵に回してくれたんですから。

この壮絶な過去があったからこそ、現在の愛衣那ちゃんの澪への執着が、より一層際立って見えますね。彼女にとって澪ちゃんは、単なる親友ではなく、自分を絶望の淵から救い上げてくれた「神様」のような存在。だからこそ、その神様が自分以外の誰か(巧巳くん)に頼ることが許せない。その歪んだ純愛が、今後どんな狂気を生むのか…。二人の美しい過去と、現在の歪んだ関係の対比が、あまりにも切なく、そして恐ろしいです。

【ひと夏の共犯者】22話のネタバレまとめ

  • 回想シーンの続き。澪は、事務所を辞めようとしていた愛衣那を「この馬鹿なお話の結末を見てみない?」と引き止めた 。
  • 澪が記者に手を出した一件はスキャンダルとなり、AMELは野次馬で埋め尽くされた逆境のライブに立つことになった 。
  • ステージ上で、澪は暴行の事実を認めた上で、「それでも愛衣那ちゃんのほうが大切なんです!」と叫んだ 。
  • その直後、澪はステージ上で愛衣那にキスをし、スキャンダルを伝説へと昇華させ、愛衣那の絶対的な信頼と愛情を勝ち取った 。
  • この出来事こそが、現在の愛衣那の澪への狂信的な執着の原点だった 。

◁前の記事はこちらから

あわせて読みたい
【ひと夏の共犯者】第21話をネタバレありでわかりやすく解説する
【ひと夏の共犯者】第21話をネタバレありでわかりやすく解説する

▷次の記事はこちらから

あわせて読みたい
【ひと夏の共犯者】第23話をネタバレありでわかりやすく解説する
【ひと夏の共犯者】第23話をネタバレありでわかりやすく解説する

ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
記事URLをコピーしました