2025.07.20

【みいちゃんと山田さん】19話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

前話のおさらい

山田さんの母親が突然訪問し、夜職や留年の事実を知った上で、彼女の人生を完全に管理しようとします。
追い詰められた山田さんは、勇気を振り絞り「漫画家になりたい」という夢を打ち明けますが、母親に「幼稚園児みたい」と一蹴され、心を折られてしまいます。
自分の人生が母親を喜ばせるための「演技」だったと自覚した山田さんは、深い自己嫌悪に陥ります。
その後、同僚からみいちゃんが新大久保の風俗店で働いていることを知らされますが、山田さんは不思議と冷静な自分に驚くのでした。

Contents

漫画「みいちゃんと山田さん」第19話をネタバレありでわかりやすく解説する
【みいちゃんと山田さん】19話を読んだ感想（ネタバレあり）
- 【みいちゃんと山田さん】19話のネタバレまとめ

漫画「みいちゃんと山田さん」第19話をネタバレありでわかりやすく解説する

第19話のタイトルは「人生計画」。みいちゃんが去った後、山田さんの心に生まれた小さな変化と、彼女の人生計画に思わぬ形で影響を与える人々との交流、そしてみいちゃんを巡る最悪の事態が描かれます。

芽生えた決意と、思わぬ理解者

友が去り、残された日常

みいちゃんもココロちゃんもいなくなり、以前より静かになったお店。常連客のタカシさんは、話し相手がいなくなった山田さんを「寂しいんじゃない？」と気遣いますが、彼女は素っ気なくそれを否定します。タカシさんは、大学3年生である山田さんの将来を案じ、就職活動について尋ねるのでした。

「漫画家になりたい」—覚悟を決めた一言

「会社員になるのが正しい人生」とでも言うようなタカシさんの言葉に、山田さんは母親やココロちゃんの姿を重ね、内心うんざりします。しかし、以前の彼女とは違い、もはや自分の夢を隠そうとはしませんでした。彼女ははっきりと「漫画家になりたいんですよ」と告げるのです。

あの夜から始まった、山田さんの変化

母親からは全否定された夢。しかし、タカシさんの反応は意外なものでした。「お〜〜〜それはすごい！！」と、彼は素直に感心します。山田さんが自分の夢を臆することなく口にできるようになったのは、みいちゃんと花火を見た「あの夜からだ…」と、彼女の心の中で確かな変化があったことが示されます。タカシさんは、親が泣くぞ、不安定すぎると現実的な意見を述べつつも、最終的には彼女の夢を否定しません。それどころか、自分もまた、親の期待した大手企業を辞め、公認会計士として独立した過去を打ち明け、「別に就職だけが正解とは思わないよ」「やりたいことをやったらいい」と、山田さんの背中を押してくれるのでした。

暴走するストーカーと、絶望的な告白

終わらせるために来た男

山田さんとタカシさんの穏やかな会話を遮るように、あのお客、シゲオが店に現れます。みいちゃんがいないと知ると、彼は「お前らがみいちゃんを追い出したんだろ！！」と激昂。みいちゃんが風俗にいることを叫び、自分の人生計画が滅茶苦茶になったと嘆くと、「この場所で全てを終わらせにきたんだ」と言い、懐から包丁を取り出します。

日記に綴られた地獄

店のボーイによって包丁は取り押さえられ、シゲオはその場に泣き崩れます。カウンターで話を聞くと、彼はみいちゃんが風俗店のホームページで書いている「写メ日記」を読んでしまったと告白します。そこには、その日どんなプレイをしたか、何人の相手をしたかなどが綴られており、元カノの赤裸々な現状を知ることに耐えきれず、死のうと思ったと語るのでした。

地獄のような「写メ日記」

悪趣味なアトラクション

その話を聞いていた同僚のモモちゃんは、「ああいうアトラクションがたまにあるからこの仕事はやめられないわ！」と悪趣味に笑い、早速みいちゃんの日記を探し当てます。そこに書かれていたのは、「今日はうんこ食べました！」「すごく美味しかった^^」といった、常軌を逸した内容でした。

山田さんの決意

山田さんは愕然としますが、モモちゃんは「店のスタッフが書いてるんだろーけど」「こんなの読んでたらシゲオもおかしくなるわな」と冷静に分析します。そして、完全に姿が見えなくなるより、こうして中途半端に様子がわかる方が心が乱されるのだと語るのでした。その日記の内容を目の当たりにした山田さんの表情から、覚悟が決まります。

物語の最後、「みいちゃんはうちのナンバーワンだー！」と話す声が聞こえてきます。

【みいちゃんと山田さん】19話を読んだ感想（ネタバレあり）

今回の物語は、前半と後半で全く異なる角度から山田さんの「人生計画」に影響を与える人々が登場する構成が見事でした。前半のタカシさんは、山田さんにとって初めて現れた「良き理解者」です。親や同世代の友人とは違い、一度社会のレールに乗った上で自らの道を選んだ彼の言葉は、山田さんの夢に現実的な希望を与えてくれたように感じます。

その穏やかな希望を叩き壊すかのように現れたのが、後半のシゲオです。彼の暴走は、みいちゃんが今どれだけ劣悪な環境にいるかを、最も暴力的な形で山田さんに突きつけました。そして、極め付けは「写メ日記」の存在です。たとえ店側が書いた偽りの内容だとしても、みいちゃんがそのようなコンテンツの”商品”として消費されているという事実は、あまりにもおぞましく、胸が苦しくなりました。

タカシさんとの出会いで得た「夢への希望」と、シゲオがもたらした「友を救わねばならないという現実」。この二つが、山田さんを突き動かす大きな原動力となっていくのではないでしょうか。一人の少女を救うため、山田さんがどのような「人生計画」を立てていくのか、息をのんで見守りたいです。