【みいちゃんと山田さん】21話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 風俗店で働くみいちゃんは、過酷な労働環境の中で搾取され、客やスタッフから虐待を受けていました 。
- 同僚の真璃亞は、みいちゃんが違法な本番行為をさせられていることを経営陣に訴えるが、黙殺されます 。
- みいちゃんは、母親に年金で雇われた青年・ツバサから暴行を受けます 。
- 店を辞める真璃亞と、「お金を払って好きな人との繋がりを維持している」という共通の境遇を語り合います 。
- 物語の最後、店に「自宅での長時間コース」を希望する、聞き覚えのある声の主から不審な電話がかかってきます 。
【みいちゃんと山田さん】第21話をネタバレありでわかりやすく解説する
第21話のタイトルは「Good Night」 。皮肉にも、山田さんとみいちゃんが体験する最も恐ろしい夜と、その果てに訪れる束の間の安らかな夜を描いた、緊張と緩和が交錯する物語です。
決別の夜と、一本の電話
さようなら、みいちゃん
日曜日の夜、山田さんはみいちゃんがいるという新大久保の街を一人歩いていました 。デリヘルが客待ちをするホテル街を抜け、若者向けのコスメ店で彼女に似合いそうなリップを見つけますが、「もういないし関わることもないのに」と我に返ります 。ラインの返事もなく、もう二度と会うことはないだろうと、山田さんは心の中でみいちゃんに別れを告げ、帰りの電車に乗るのでした 。
「助けて…殺される!」
しかし、その決別を打ち破るように、山田さんのスマートフォンが鳴ります。画面に表示されたのは「中村実衣子」—みいちゃんの名前でした 。電話に出ると、聞こえてきたのは彼女の切羽詰まった囁き声でした。
「山田さん…助けて…本当に殺されちゃうから」
みいちゃんは今、沼袋の自宅にいると言います 。山田さんは迷わずタクシーを拾い、彼女の元へと急ぎました 。
暴君マオと人質のハムスター
豹変した彼氏
山田さんがみいちゃんの部屋に駆けつけると、そこにいたのは半裸で泣き叫ぶみいちゃんと、彼女を見下す恋人のマオでした 。マオは「まじで殺すから」と叫んでいます 。山田さんの姿を認め、助けを求めるみいちゃん 。山田さんは冷静に「大丈夫 こいつに人を殺す度胸なんてないから」となだめますが 、マオは不気味に笑い、衝撃の事実を告げるのです。
「殺すのは みいちゃんじゃねえよ」「ハムカツが…殺されちゃうよォ!!」
彼が殺害の対象としていたのは、みいちゃんが溺愛するペットのハムスターでした。
暴君の理屈と「教育」
マオが激怒していた理由は、みいちゃんがその日の稼ぎについて嘘をついていたからでした 。給与明細を突きつけ、「5人しか相手してねえじゃねえか!!」と、彼女がサボっていたことを責め立てます 。彼はハムスターを人質にとり、ラップでケースを密閉して殺虫剤を吹きかける「毒ガスの刑」に処そうとしました 。みいちゃんがハムカツを守ろうとケージを抱きしめると、マオは「教育だ!!」と叫び、殺虫剤をみいちゃんの顔に直接噴射するのでした 。
共依存の果て、ラオス行き
突然の海外旅行計画
信じがたい暴力の後、マオはさらに信じがたい言葉を口にします。「明日から俺とみいちゃんはラオスに行くんだ」 。これほどの仕打ちを受けながらも、みいちゃんは「うん…!」と涙ながらに頷き、山田さんを愕然とさせます 。山田さんは、二人が離れられない「共依存カップル」なのだと悟るのでした 。
空港での末路
翌朝、マオは一人、成田空港の出発ロビーにいました 。彼は、みいちゃんに出会うまで自分は暴力を振るう人間ではなかったと、全ての責任を彼女に転嫁します 。その頃、山田さんの隣で安心して眠るみいちゃんは、旅行の目覚ましを無視して眠り続けていました 。約束の時間を過ぎても現れないみいちゃんに苛立つマオの前に、人身売買の仲介人らしき男が現れます。「引き渡し予定の女はまだ?」と問われたマオは、何も答えられません 。すると男は、こう言い放ちました。
「手ぶらもなんだから お前が来い」
みいちゃんをラオスで売り飛ばす計画だったマオは、彼女が寝坊したことで、代わりに自分が連れ去られてしまうのでした 。
束の間の「おやすみ」
マオが去った後、山田さんは帰ろうとしますが、みいちゃんは「一緒に寝て?」と彼女を引き止めます 。最近一人ではうまく眠れなかった、と涙ぐむみいちゃんに、山田さんは「いいよ」と答えました 。山田さんは新大久保で買った韓国コスメをみいちゃんにプレゼントし、その夜、二人は久しぶりに安心して眠りにつくことができたのでした 。
【みいちゃんと山田さん】21話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回の物語は、まさにジェットコースターのような展開でした。山田さんがみいちゃんとの関係に静かに幕を引こうとした矢先の、あまりにも衝撃的な救難要請。そして、駆けつけた先で繰り広げられるのは、恋人による陰湿で卑劣なDVの現場でした。
マオというキャラクターの器の小ささと異常性が際立っています。彼の怒りの原因は、みいちゃんが自分の期待通りに稼いでこなかったこと。その腹いせに、彼女が最も大切にしているハムスターを人質にとるという行為は、 pathetic(哀れ)の一言に尽きます。自分より弱い者にしか強く出られない彼の姿は、現実のDV加害者の姿をリアルに映し出しているようでした。
そんな絶望的な状況で光ったのは、山田さんの成長です。彼女はパニックに陥ることなく、冷静に状況を判断し、すぐさま行動に移しました。かつての彼女であれば、ここまで大胆な行動は取れなかったかもしれません。みいちゃんを想う気持ちが、彼女を強くしたのだと感じました。
そして、ラストの皮肉な結末。みいちゃんを売り飛ばそうとしていたマオが、逆に自分が連れ去られてしまうという展開は、ある種の因果応報であり、少しだけ溜飲が下がりました。暴力と支配に満ちた夜が明け、山田さんの隣で安心して眠るみいちゃんの姿は、この物語のタイトル「Good Night」が示す、束の間の、しかし本物の安らぎだったのではないでしょうか。
【みいちゃんと山田さん】21話のネタバレまとめ
- 山田さんはみいちゃんとの別れを決意するが、直後に彼女から「殺される」と助けを求める電話が入る 。
- 山田さんが駆けつけると、恋人のマオがみいちゃんのペットのハムスターを人質に取り、彼女が稼ぎの嘘をついたことを責め立てていた 。
- マオはみいちゃんの顔に殺虫剤を噴射するなどの暴行を加えた上で、翌日一緒にラオスへ海外逃亡する計画を告げる 。
- みいちゃんは山田さんと一夜を過ごして寝坊し、空港で待ちぼうけを食らったマオは、人身売買の仲介人にみいちゃんの代わりとして連れ去られてしまう 。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから



