【みいちゃんと山田さん】23話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- マオとの関係が終わり、山田さんの計らいでみいちゃんは生まれて初めてテーマパーク「キチィランド」へ行きました。
- 山田さんは社会のルールを知らないみいちゃんに対し、その理由を丁寧に教え、二人の絆を深めました。
- 楽しい一日の帰り道、山田さんのアパートの前で、彼女の母親が待ち構えているという不穏な状況で物語は終わりました。
【みいちゃんと山田さん】第23話をネタバレありでわかりやすく解説する
母親との対峙と「友達」という言葉の重み
物語は、山田さんの母親がみいちゃんを指さし、「これが…友達…!?」と信じられないといった表情で呟く衝撃的な場面から始まります。 人間をモノのように扱う母親の言葉に対し、山田さんは即座に「『これ』って言わないでよ 人間だし 私の友達だよ!」と強い口調で反論します。 娘の毅然とした態度に、母親は言葉を失います。
不穏な空気と無邪気な暴露
とりあえず部屋の中に入った三人ですが、そこには重苦しい空気が流れています。 状況を理解していないみいちゃんは、無邪気に部屋を物色し、お菓子と間違えて画材のコピックを見つけ「お菓子じゃない〜〜〜!!」と叫ぶなど、緊張感のない様子です。
その間、山田さんと母親の間の溝は深まるばかりです。母親が再びみいちゃんを「なんなのあれ…」とモノのように扱うと、山田さんは「『あれ』って言わないでよ 私の友達だってば…」と繰り返し訂正します。
母親はみいちゃんに直接質問を始めます。「学生さん?」と尋ねる母親に、みいちゃんは悪気なく**「学校なんか行かないよ! 今はデリヘルで働いてるよお!」**と答えてしまいます。 さらに、山田さんとの出会いを「キャバクラのバイトで知り合った」とあっけらかんと暴露しました。 この衝撃的な事実に母親は凍りつき、山田さんは「終わった…」と絶望するのでした。
嘘の上塗りと真実の告白
母親は「どういうことなの? 嘘でしょ?」と娘を問い詰めます。 これまで母親に嘘をつき続けてきた山田さんでしたが、隣にみいちゃんがいることで不思議と勇気が湧いてきます。彼女は覚悟を決めたように、**「私は今キャバクラで働いてるし 大学もサボってて留年するかも」**と、すべての真実を告白しました。
母親は「いつもそうやってママを騙して!」と激昂しますが、みいちゃんは「嘘つき! 嘘つき!」と叫ぶ母親に割って入り、「山田さんは嘘なんかつかないよ!」と山田さんを庇います。
「住む世界が違う」という断絶
みいちゃんの擁護は、しかし、母親の怒りに火を注ぐだけでした。母親はみいちゃんを「有害だわ この子」と断じ、就活の大事な時期に娘を遊び惚けさせたと決めつけます。
そして、母親の口から語られたのは、あまりにも残酷な価値観でした。「いい? こういう子とはね 付き合う人間はもちろんだけど…」と前置きし、受ける教育、住む場所、働く場所、見るもの、聞くもの、触れるもの、食べるもの、着るもの、そして**「死ぬ場所までも すべての世界が! 違うのよ!!」**と叫びます。 それは、本来なら決して交わるはずのない世界の住人であり、娘がみいちゃんと関わることは不幸への一歩だと断言するのでした。
暴力的な拒絶と山田さんの覚醒
難しい話に飽きたみいちゃんは、ジュースを飲みたいと冷蔵庫を勝手に開けたり、部屋で飛び跳ねたりと、自由に行動し始めます。 この行動が母親の怒りの沸点を突破させました。
母親はみいちゃんに「風俗嬢なんでしょ!? 性病が感染るから近づかないで!!」と暴言を吐き、さらには「何よこのバカみたいなカチューシャ」と、みいちゃんが大切にしていたキチィランドのカチューシャを無理やり引き剥がします。 大切なものを奪われ、床に泣き崩れるみいちゃん。
その光景を見た山田さんは、ついに堪忍袋の緒が切れます。「さっきから聞いてれば…」と静かに怒りをにじませ、**「もういい加減にして! みいちゃんは私の友達なんだよ」**と母親に毅然と立ち向かいました。
決別、そして始まる共同生活
山田さんの反抗的な態度に対し、母親は「じゃあ今日で友達やめなさい」と冷たく言い放ちます。 しかし、山田さんの決意は揺るぎません。「世界がどうとか害があるとか ただ友達と遊ぶのにそんなこと考えてないよ!」と反論します。
そして、ついに山田さんは経済的な自立を宣言し、「私はもう一人で生きていけるもん! だからもうほっといて!!」と母親に決別を告げます。 さらに、「今日はこの子が家に泊まるからママの布団ないよ もう帰って」と、母親を家から追い出すのでした。
一人になるのが怖くなった山田さんは、みいちゃんに「しばらく この部屋で一緒に暮らさない?」と提案します。 みいちゃんはもちろん大喜び。 こうして、山田さんの家で、二人の波乱に満ちた共同生活が始まるのでした。
【みいちゃんと山田さん】23話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回の23話は、読んでいて胸が張り裂けそうになるほど、しかし最後には確かな希望が見える、非常に密度の濃い回でした。山田さんの母親の登場によって、これまで山田さんが抱えてきたであろう問題の根源が、残酷なまでに浮き彫りになりました。
母親がみいちゃんに向ける言葉の一つひとつが、偏見と差別意識に満ちていて、読んでいて本当に腹が立ちました。「これ」や「あれ」といったモノ扱いはもちろん、「住む世界が違う」という言葉は、人を生まれや環境だけで判断する彼女の価値観を象徴しています。娘を心配する親心からだとしても、その表現はあまりに暴力的です。特に、カチューシャを力ずくで奪い取るシーンは、みいちゃんの人格そのものを否定する行為であり、許しがたいものだと感じました。
しかし、この母親の存在が、結果的に山田さんを覚醒させたのだと思います。これまで母親の言いなりになってきたであろう彼女が、大切な友達を侮辱され、傷つけられたことで、初めて本気で反抗しました。「みいちゃんは私の友達なんだよ」という叫びは、彼女の魂からの声だったに違いありません。そして、「一人で生きていける」という決意。これは、母親からの精神的な自立を宣言する、山田さんにとって非常に大きな一歩だったのではないでしょうか。
みいちゃんの存在が、山田さんに母親と対峙する勇気を与えたという構図も非常に興味深いです。山田さんのモノローグにあったように、「みいちゃんといるとなぜだかママに言いたいことが言える」。これは、ありのままの自分を受け入れてくれる存在が、いかに人を強くするかを物語っています。
これから始まる二人の共同生活。それは母親からの「現実逃避」かもしれませんが、山田さんにとっては自分自身を取り戻すための、そしてみいちゃんにとっては社会を学ぶための、大切な時間になるはずです。多くの困難が待ち受けていることは想像に難くありませんが、二人ならきっと乗り越えていけると信じたくなる、そんな力強い幕開けでした。
【みいちゃんと山田さん】23話のネタバレまとめ
- 山田さんのアパートに母親が来訪し、みいちゃんとの関係を「友達」と認めず、侮辱的な態度をとる。
- みいちゃんは悪気なく、自分がデリヘルで働いていることや、山田さんとキャバクラで出会ったことを母親に話してしまう。
- 山田さんは観念し、キャバクラで働き大学を留年しそうだと母親に告白する。
- 母親はみいちゃんを「有害」だと決めつけ、「住む世界が違う」と交友を完全に否定する。
- 母親がみいちゃんのカチューシャを暴力的に奪ったことで、山田さんは激怒し、母親に初めて本気で反抗する。
- 山田さんは母親を家から追い出し、一人になる恐怖から、みいちゃんに一緒に暮らすことを提案し、二人の共同生活が始まる。
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