【みいちゃんと山田さん】24話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 山田さんの母親はみいちゃんを侮辱し、山田さんとの交友を「住む世界が違う」と完全に否定しました。
- 母親の暴力的な態度に、山田さんはついに激怒。母親に初めて本気で反抗し、精神的な自立を宣言しました。
- 母親を追い出した後、一人でいることに恐怖を感じた山田さんは、みいちゃんに一緒に暮らすことを提案。二人の共同生活が始まることになりました。
【みいちゃんと山田さん】第24話をネタバレありでわかりやすく解説する
共同生活の始まりは「引越しそば」から
母親との激しい衝突の末、ついに始まったみいちゃんと山田さんの共同生活。 引っ越してきたみいちゃんのために、山田さんは引越しそばを振る舞います。
「なんでお引っ越しの日はお蕎麦を食べるのー!?」と不思議がるみいちゃんに、山田さんはその由来を説明します。 元々は引っ越してきた人がご近所に「おそばに越してきました」という意味を込めて配っていた風習であること 、そして現代では引っ越した本人が食べることが多いということ 、そばが長いことから「長寿」や「末長いお付き合い」といった縁起を担ぐ意味があること を優しく教えます。
荷解きと二人の価値観
食後、二人は荷解きを再開します。 山田さんは自分の本棚を一つ空け、みいちゃんに自由に使っていいよとスペースを提供します。
みいちゃんがその棚に収めたのは、キチィランドで手に入れた「キチィちゃん」たちのぬいぐるみでした。 その様子を見て、山田さんは「みいちゃんってこの歳の女の子にしてはブランド物とか化粧品とかに全然興味ないよな…」と心の中で思います。
そんなみいちゃんが取り出した一番大事なものは、**「ママの電話番号とか大事なことのメモ」**でした。 彼女はそれを壁に貼ってもいいかと山田さんにお願いします。 もちろん山田さんは、賃貸で壁に穴は開けられないからテープで貼るようにと伝え、快く許可するのでした。
「家のルール」の誕生
荷解きの途中、みいちゃんは山田さんの作業机にある液晶タブレットに興味津々。 山田さんが絵を描くための道具だと教えると、「すごーい!紙とペンじゃないんだあ!」と目を輝かせます。
山田さんが絵を描くのが好きだと知ったみいちゃんは、自分もやってみたいとペンを手に取ります。 しかし、次の瞬間、「芸術は爆発でしょお!」と叫びながら、高価な機材である液タブを力任せに叩きつけようとします。
「やめて!壊れちゃう!」と必死に止める山田さん。 この一件をきっかけに、山田さんは共同生活を円滑に進めるための**「家のルール」**を作ることを決意。 最初のルールとして、「液タブを勝手に触らないこと」「機械類を乱暴に扱わないこと」というメモを壁に貼り出したのでした。
その後も、山田さんのプリンを勝手に全部食べてしまったり 、脱いだ靴下を床に放置したり 、山田さんの歯ブラシを勝手に使ってしまったりと 、みいちゃんの自由奔放な行動は続きます。そのたびに、壁には新しいルールが次々と追加されていくのでした。
スーパーでの気づきと将来への眼差し
ルール作りに前途多難さを感じながらも、山田さんは「こうして少しずつ教えていけば大丈夫」と前向きに捉えます。 二人は夕飯の買い出しに近所のスーパーへ向かいます。
スーパーで、自分たちと同じくらいの年齢の女の子が、野菜や調味料をカゴに入れ、自炊しているであろう姿を目の当たりにします。 外食や出来合いのものばかりだった自分の食生活を省みた山田さんは、「普通は自炊して節約したり栄養に気を遣うもんなのかな?」と自問自答します。 そして、みいちゃんのためにも「久々に自炊しようかな」と決意するのでした。
レジに並んでいると、時給850円のアルバイト募集の貼り紙が目に留まります。 キャバクラの高い時給に感覚が麻痺していたけれど、「世の中はおっさんと酒飲んでお金を稼がない人の方が多いんだった」と、当たり前の事実に気づかされます。 そして、**「別にキャバや風俗じゃなくてもよくない?」「パン屋さんとかで働こっかな…」**と、水商売以外の仕事に目を向けるきっかけを得るのでした。
愛情のなかった食卓と、二人で食べる温かいご飯
その日の夕食は、山田さんの手料理である他人丼でした。 「みいちゃんの料理より全然スゴイ…」と感動するみいちゃんは、これが山田さんとお母さんの「思い出の味」なのかと尋ねます。
しかし、山田さんはそれをきっぱりと否定。 彼女にとって「うちのご飯」とは、「頭が良くなるから」と魚の目玉を食べさせられたり、受験日に胃が痛いのに揚げ物を無理やり食べさせられたりした、愛情の感じられない記憶でした。
山田さんは、そんな実家の食卓では「料理の味がしなかった」と振り返り、**「みいちゃんと食べる雑なご飯の方が美味しいな」**と、幸せを噛みしめるのでした。
幸せな時間と、謎めいた故郷の風景
満ち足りた夕食の後、二人はテレビを見てくつろぎます。しかし、明日からはまたデリヘルとキャバクラでの日常が待っています。 「この幸せな時間が止まればいいのに」と、二人は同じ気持ちを共有するのでした。
テレビでスカイツリーの特集が流れるのを見て、みいちゃんは何かを閃きます。 彼女は山田さんのスマホを借り、ハムカツも一緒に3人で記念写真を撮りました。 そして、**「みいちゃんと山田さんが一緒に暮らし始めた記念日だよ!」**と、屈託のない笑顔を見せるのでした。
しかし、物語はここで穏やかに終わりません。場面は突然、夜の宮城県へと切り替わります。 「榎本」という表札のかかった一軒家。 そこに、「ただいまーっ!」と幼い女の子が帰ってきます。 彼女は「ママ!今日はお芋掘りのお仕事した!」と嬉しそうに報告するのでした。
【みいちゃんと山田さん】24話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回の24話は、嵐のような前回の展開から一転、二人の穏やかで温かい共同生活の始まりが描かれ、読んでいて心が和みました。「1 room, 2 lives」というタイトル通り、一つの部屋で二つの全く異なる人生が交差し、新たな日常を紡ぎ出していく様子が、とても丁寧に描写されていたと思います。
特に印象的だったのは、「家のルール」が生まれる過程です。常識が通用しないみいちゃんの行動はコミカルに描かれていますが、これは二人がお互いを理解し、共に生きていくための「法律」を作っていく作業そのものです。山田さんが一方的にルールを押し付けるのではなく、問題が起きるたびに対話(ルールという形の)を試みる姿に、彼女の誠実さと、みいちゃんを育てようとする母性のようなものを感じました。
また、山田さんの内面の変化も見逃せません。スーパーでの何気ない光景から、自分の生き方を見つめ直すシーンは、この物語の重要な転換点になるのではないでしょうか。高時給のキャバクラで働き、感覚が麻痺していた彼女が、「普通の幸せ」に目を向け始めたのです。みいちゃんとの生活が、彼女に人間らしい生活を取り戻させ、将来を考えるきっかけを与えていることがよく分かります。
そして、食事のシーン。愛情のない「教育のため」の食事と、友達と笑いながら食べる温かい他人丼。この対比はあまりにも鮮やかで、山田さんがどれだけ乾いた環境で育ってきたのかが伝わってきて、胸が痛みました。「みいちゃんと食べる雑なご飯の方が美味しい」というモノローグは、彼女が初めて手に入れた心の安らぎと幸福を象徴する、最高のセリフだと思います。
最後の最後で差し込まれた、宮城県の謎のシーン。おそらくみいちゃんの過去、あるいは家族に関わる場面なのでしょう。幸せな日常の描写から一転、物語に新たなミステリーが投下され、続きが気になって仕方がありません。この穏やかな日常が、彼女の過去によってどう変化していくのか。希望と不安が入り混じる、見事な引きでした。
【みいちゃんと山田さん】24話のネタバレまとめ
- 山田さんの家で、みいちゃんとの共同生活がスタートする。
- 引越しそばを食べ、荷解きを進める中で、二人の生活スタイルの違いが浮き彫りになる。
- みいちゃんが高価な機材を壊しかけたことをきっかけに、山田さんは「家のルール」を作り始める。
- スーパーでの買い物中、山田さんは同年代の女性の姿を見て自炊を決意し、自身の働き方についても見つめ直す。
- 山田さんは手料理を振る舞い、自身の愛情のない家庭の食卓と比べ、みいちゃんと食べるご飯の美味しさに幸せを感じる。
- 二人で暮らし始めた「記念日」として写真を撮るが、ラストシーンでみいちゃんの故郷と思われる宮城県の謎の光景が描かれる。
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