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【みんな、ボドになった。】21話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【みんな、ボドになった。】第21話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、清太郎の死に隠された悲痛な真実と、仲間たちの連携によって妹・実里が村から脱出していたことが明らかになりました。しかし、物語は一息つく間もなく、この村を蝕む最も根深く、おぞましい闇の正体へと迫っていきます。そして、それは沙織自身の封印された過去の扉をこじ開ける引き金となるのでした。

憎しみの連鎖、村が抱える根源の闇

裕福な村が抱えた財政難の過去

車の中で、幸信は重い口を開き、村が現在のような歪んだ姿に至った経緯を語り始めます。意外なことに、かつてこの村は観光業で栄え、それなりに裕福な時代があったというのです 。しかし、その繁栄は長くは続かず、平成の中頃には深刻な財政難に陥っていました

沙織にとって、それは全く知らない事実でした 。村の行事ではいつも豪華な食事が振る舞われ、今でさえ住民に手厚い援助をしている村が、過去に貧しかったとは信じられなかったのです 。沙織の疑問に対し、幸信は「

村が実行した計画の成果だ」と、静かに告げます

「クリーンセンター計画」という名の欺瞞

村が財政再建の切り札として打ち出した計画、それこそが、沙織が以前古い新聞記事で目にした「鬼夜沢クリーンセンター計画」でした 。価値のなくなった村の土地にゴミ処理施設を誘致し、財政の立て直しを図ろうとしたのです 。

しかし、話を聞いていたウィリアム(偽の清太郎)は、その計画の矛盾を鋭く指摘します。新聞記事では工事がすぐに中断されたとあったはず 。彼は、村が建設費用だけを受け取って着服し、作りかけの施設を不法投棄の場所として利用していたのではないか、と推測します 。

裏社会と繋がった村の末路

ウィリアムの推測に、幸信は「ほぼ正解だ」と認め、さらにその先に続くおぞましい真実を明かします 。村の計画は、単なる不法投棄に留まりませんでした。

村はいつしか裏社会の組織や業者と結託し、表沙汰にできない汚れた金や、犯罪に絡む物まで引き受ける、巨大な「処分場」と化していたのです 。近くに正式な(ように見える)クリーンセンターの建設計画があれば、まさかその村が大規模な不法投棄を行っているとは誰も疑わない。その心理を巧みに利用した、極めて悪質な偽装工作でした 。

封印された記憶と「共犯」の掟

反対派を襲った不審死と失踪

これほど危険な計画に、当初から賛成する者ばかりだったわけではありません。当然、村の中には反対の声を上げる人々もいました。しかし、その頃から村では、まるで呪いのように不幸な出来事が頻発するようになります

計画に反対していた人物やその家族の間で、不審な事故死や原因不明の失踪が相次いだのです 。恐怖は瞬く間に村を支配し、やがて村に反抗する者は誰一人としていなくなりました 。

全住民を縛る恐怖の掟「一度は不法投棄に関われ」

そして、村の狂気はついに、後戻りできない一線を超えます。恐怖によって住民を完全に支配した村は、いつしか信じがたい掟を生み出しました。

住民全員が一度は 不法投棄に関わらなければならない

それは、住民全員を「共犯者」に仕立て上げることで、誰も村の秘密を外部に漏らせないようにするための、悪魔的な口封じのシステムでした。この掟がある限り、この村から抜け出すことは事実上不可能なのです。

蘇る記憶の断片と沙織の過去

幸信が語る村の原罪。そのおぞましい話を聞いているうちに、沙織の身体に異変が起こります。突然、呼吸が困難になり、激しい過呼吸の発作に襲われてしまったのです

彼女の脳裏に、今まで忘れていたはずの光景が、悪夢のようにフラッシュバックします。薄暗い場所に山積みになったゴミの山、そしてそこで恐怖に顔を歪ませる、幼い日の自分と友人たちの姿 。知らないはずの場所、覚えていないはずの出来事 。なぜ、その記憶が自分の中にあるのか。

沙織が13年前に失った記憶の核心部分に、この村が犯した最初の罪が、深く刻まれていることを物語っていました。

まとめ【みんな、ボドになった。】21話を読んだ感想(ネタバレあり)

ただただ、愕然としました。これまでの物語で描かれてきた個人の悲劇や家族の歪みが、村ぐるみで行われていた巨大な組織犯罪へと繋がった今回の展開には、凄まじい衝撃を受けました。本作が単なる閉鎖的な村の因習ホラーではなく、現代社会の闇をえぐり出すような、骨太なクライムサスペンスの側面も持っていたことに、改めて唸らされます。

特に、「クリーンセンター計画」の全貌は、その手口の巧妙さと悪質さに背筋が凍る思いでした。そして、反対派を力でねじ伏せ、最終的に「住民全員を共犯者にする」という掟で縛り付けるシステムは、人間の心理を突き詰めた、あまりにも陰湿で完成された地獄だと感じます。この村の住民がなぜあれほどまでに掟に固執し、外部の人間を拒絶するのか。その理由が、この「共犯関係」という名の呪いに集約されているのだと痛感しました。

そして、ついに物語の焦点は、沙織自身の失われた過去へと移りました。彼女のトラウマの根源が、村の最初の罪と深く結びついていることが示唆され、ミステリーのボルテージは最高潮に達しています。彼女は一体、13年前に何を目撃し、何をさせられ、そして何を忘れてしまったのか。もしかしたら彼女は、単なる被害者ではないのかもしれない。そんな不吉な予感すら漂わせる幕引きに、期待と恐怖で次のページをめくる手が震えそうです。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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