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【みんな、ボドになった。】23話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【みんな、ボドになった。】第23話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、二体のボドに襲われ絶体絶命のピンチに陥った沙織と百一。第23話は、その緊迫した状況から幕を開けます。恐怖に震えるだけだった沙織が見せる大きな変化、そして襲撃犯の正体へと繋がる新たな手がかりが浮かび上がり、物語は一気にサスペンスの色を濃くしていきます。

恐怖を越えた決意、沙織の反撃

大切な友を守るために

目の前で百一が血を流して倒れるという衝撃的な光景に、沙織は「いやあああぁっ」と悲痛な叫び声を上げます 。震える手で必死に止血を試みるものの、二体のボドは無言のまま、じりじりと二人を追い詰めていました 。意識が朦朧とする中、百一は「今度こそ君は逃げて」と沙織を逃がそうとしますが、彼女はその場を動こうとはしません 。

「絶対に許さない」涙の抵抗

これまではただ無力に怯えるだけだった沙織が、この絶体絶命の状況でついに覚醒します。彼女は足元に転がっていた石を強く握りしめると、恐怖を振り払うようにボドに向かって叫びました。

これ以上私の家族や友達に手を出したら絶対に許さない…!

その瞳には、もはや怯えの色はありませんでした。大切なものを自らの手で守り抜こうとする、燃えるような強い意志の光が宿っていたのです。

浮かび上がる襲撃犯の輪郭

ボドの正体に関する二つの手がかり

沙織の鬼気迫る反撃に怯んだのか、石を投げつけられたボドはその場にうずくまり、もう一体も攻撃の手を止めます 。その隙に、二人はなんとか家の中へと逃げ込むことに成功しました

妹のジャージを借りて応急手当を受ける百一は、冷静に先ほどの襲撃者について気づいた点を語り始めます

  • うずくまっていた小柄な方は、女だった 。突き飛ばした際に、一瞬だけ女性の声を聞いたというのです 。
  • そして、鎌で襲ってきたもう一人は、自分よりもかなり長身の人物だったとのことでした 。

この「長身」という特徴は、以前、祭りの帰りに沙織を殴ったボドとも一致しており、犯人を絞り込むための極めて重要な情報となりました

容疑者は同級生の中に

「祭りの関係者」であり、「長身」。これらの条件に当てはまる人物は、村の中でもそう多くはありません 。悲しいことに、その容疑の目は、共に育ったはずの

同級生の誰かに向けられることになってしまったのです

封印された恋の記憶

「幸信は犯人じゃない」百一の断言

犯人候補として同級生たちの顔が浮かぶ中、百一はきっぱりと「幸信は除外していい」と断言します 。そして、その理由として、誰もが耳を疑うような言葉を口にしたのです。

恋人を危険に晒すはずがないからね

短くも確かに存在した二人の時間

「付き合ってたの!?」と驚く沙織に、百一は二人の間の特別な距離感を指摘します 。その言葉をきっかけに、沙織は心の奥底に封印していた過去の記憶を呼び覚ましました。

実は高校時代、ごく短い間だけ、幸信と周りに内緒で付き合っていた時期があったのです 。しかし、閉鎖的な村の複雑なしがらみの中で、二人の淡い恋は、いつしか自然と消えてしまっていました 。あの狭い世界が嫌で村を飛び出した自分が、数少ない美しい思い出さえも、自らの手で遠ざけてしまっていた。沙織は、切ない悔恨の念に胸を痛めるのでした 。

新たな来訪者、その名は

友の来訪と百一の囁き

感傷に浸る間もなく、百一の傷を心配した沙織は、病院へ行こうと強く促します 。その時、玄関に新たな訪問者の気配が。百一が「友達が来たみたいだよ」と告げると、そこに立っていたのは、同級生の秋穂でした 。

彼女の姿を静かに見つめながら、百一は「彼女も関わってる…?」「もうひとりを突き止めればわかるよ」と、沙織にだけ聞こえるように意味深な言葉を囁きます 。襲撃犯のもう一人は、果たして彼女なのか。疑念が渦巻く中、物語は息もつかせぬ次なる局面へと突入します。

まとめ【みんな、ボドになった。】23話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回の第23話は、これまでの恐怖展開から一歩踏み込み、沙織というキャラクターの確かな成長が胸を打つ、非常にアツい回でした。ただ守られるだけのヒロインだった彼女が、友を傷つけられた怒りを力に変え、勇気を振り絞って立ち向かう姿には、思わず拳を握りしめてしまいました。彼女の反撃が、物語の停滞した空気を打ち破る狼煙になったように感じます。

また、犯人考察のパートは、良質なミステリーとしてぐいぐい引き込まれました。「小柄な女」と「長身の人物」という具体的なヒントが示されたことで、登場人物一人ひとりへの疑念が深まり、疑心暗鬼は最高潮に達しています。一番身近な同級生の中に犯人がいるかもしれない、という状況設定は、ホラーとしての息苦しさを何倍にも増幅させていますね。

そして、沙織と幸信の隠された過去には、思わず切なくなりました。この殺伐とした物語の中で、二人が育んだ淡い恋の記憶は、一服の清涼剤であると同時に、幸信がなぜあれほどまでに沙織を守ろうとするのか、その行動原理に深い説得力を与えています。彼のキャラクターが、より一層魅力的に見えました。

ラストの秋穂の登場は、まさに衝撃の一言。彼女は救世主なのか、それともボドの一人なのか。百一の意味深なセリフも相まって、疑いは頂点に達しています。友人同士が互いを疑わなければ生きていけない、この村の呪いの深さを改めて感じさせられる、実に見事なクリフハンガーでした。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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