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【みんな、ボドになった。】26話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【みんな、ボドになった。】第26話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、最も信頼していたはずの友人・百一が全ての事件を裏で操る黒幕であったことが判明し、物語は読者の予想を遥かに超える衝撃の展開を迎えました。第26話では、その百一が冷酷な本性をさらに露わにし、沙織を精神的に追い詰めていきます。そしてついに、彼女が固く封印し続けてきた、13年前の夏の忌まわしい記憶の扉が、無慈悲にこじ開けられることになるのです。

記憶を弄ぶ黒幕、百一の真意

背中に描かれた「忘却曲線」

支度部屋で独りきりの沙織に、黒幕としての正体を現した百一。彼は怯える沙織に近づくと、その背中に指でゆっくりと何かを描き始めます。沙織が「文字…じゃなくて図形…?」と戸惑っていると、百一はそれが心理学で用いられる「忘却曲線」のグラフであることを明かしました 。

それは、人が時間と共にいかに物事を忘れ、そして反復学習によって記憶が定着するかを示したもの 。百一は、沙織の実家のボロ家の壁にあった謎の落書きも、この忘却曲線だったと指摘します

「いいかげん思い出したら?」

ヒントならあげたんだけど」と不気味に笑う百一 。彼の真の目的は、沙織が自らの手で固く封印した過去の記憶を、無理やり引きずり出すことでした 。彼の言葉の一つ一つが、沙織の記憶の奥底に眠る、決して触れてはならないパンドラの箱の鍵となっていくのです。

悲劇の序章、13年前の夏の計画

子供たちの無邪気な好奇心

百一の言葉をトリガーにして、沙織の脳裏に13年前の夏の記憶が、鮮烈なフラッシュバックとなって蘇ります 。それは、まだあどけない小学5年生だった頃の、懐かしい友人たちとの思い出

「だれも知らない三日目のナゾ!!」

当時、活発だった沙織たちは、学級新聞の特大スクープをものにしようと、ある計画を立てていました。それは、大人たちが固く口を閉ざす「ボド祭りの三日目」の秘密を探るという、子供ならではの無邪気な冒険計画 。リーダーシップを発揮していたのは、ほかならぬ沙織自身でした 。この純粋な好奇心が、後に取り返しのつかない悲劇の引き金となったことを、彼女はまだ思い出せずにいます。

突きつけられた罪、「君は人を殺した」

否定できない罪状

記憶の奔流に苛まれ、「お願い、そこには行かないで」と叫ぶ沙織 。しかし、百一は一切の容赦を見せません。彼は、沙織の耳元で、冷徹に、そしてはっきりと、恐ろしい言葉を告げるのです。

君は人を殺したんだ

「僕たちの目の前で殴り殺した」

「知らない」「そんなはずない…」と必死に否定する沙織 。その姿を嘲笑うかのように、百一はさらに言葉を重ねます。「やっただろ」「僕たちの目の前で殴り殺したじゃないか」 。それは、絶対に忘れられるはずのない、地獄のような光景だったと彼は断言します 。

被害者は、最愛の父

最も残酷な真実

恐怖と混乱のあまり「やめて」と泣き叫ぶ沙織に、百一は最後にして、最も受け入れがたい、残酷な真実を突きつけました

あの時沙織が殺したのは 君の父親だったんだから

塗り替えられた記憶

「嘘だ!お父さんは家を出て行っただけ…!」 。沙織は、これまでずっと信じてきた「事実」を盾に、必死に抵抗します。しかし、百一は「そうやって逃げ回っても自分が穢れてる事は変えられない」と、彼女の最後の心の砦を無慈悲に打ち砕くのでした 。

果たして沙織は、この地獄のような真実と向き合うことができるのでしょうか。百一が迫る「思い出せよ」という言葉が、不気味に響き渡ります

まとめ【みんな、ボドになった。】26話を読んだ感想(ネタバレあり)

息をすることも忘れ、ただページをめくることしかできませんでした。百一が黒幕だったという前回の衝撃を、さらに上回る絶望的な真実が明かされ、読後はしばらく放心状態になってしまいました。

百一のキャラクターの変貌ぶりには、もはや恐怖しか感じません。かつての仲間を、まるで実験動物でも観察するかのように冷静に、そして楽しげに追い詰めていく姿は、サイコパスという言葉すら生ぬるく感じるほどです。彼がなぜここまで歪んでしまったのか、その背景にこそ、この物語の根源的な謎が隠されているように思えてなりません。

「忘却曲線」という心理学のタームを物語の核心に持ってくる手法も非常に巧みでした。これにより、本作が単なるスプラッターホラーではなく、人間の記憶や罪、トラウマといった、より深く普遍的なテーマを描こうとしていることが明確に示されたと感じます。

そして、ラストで突きつけられた「沙織が自分の父親を殺した」という、これ以上ないほどの悲劇。これまで沙織が抱えてきた父親への複雑な想いが、実は「加害者」という立場から生まれた、歪んだ記憶の産物だったのかもしれない。そう考えると、彼女のこれまでの苦悩の重さが、全く違う意味を帯びてきます。被害者でありながら、加害者でもある。このどうしようもなく複雑で、救いのない構図こそが、本作を唯一無二の作品たらしめているのでしょう。あまりにも濃密で、残酷で、そして底抜けに悲しい回でした。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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