【みんな、ボドになった。】33話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

【みんな、ボドになった。】第33話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、謎のボドの正体であるクレープ屋の主人に助け出された沙織。しかし、仲間たちが待つはずの実家で彼女が目にしたのは、血の海に倒れる幸信と百一の無残な姿でした。第33話では、この襲撃の裏で何が起きていたのか、そしてこれまで謎に包まれてきた仲間たちの、沙織に対する本当の想いが明かされます。
襲撃の爪痕、交錯する仲間たちの想い
囚われた母と友、残された決意
幸いにも、血まみれで倒れていた幸信は目を覚まします。沙織は彼の無事を安堵しつつも、すぐに厳しい現実を突きつけます。
「秋穂は…私の代わりに連れて行かれたの…」
「…今はうちのお母さんと一緒にクリーンセンターに閉じ込められてる」
そして、「明日の儀式までに助けないと…」と、震えながらも固い決意を口にするのでした 。
一方、沙織は幸信に、自分を誘拐した犯人たちの会話から、襲撃を指示したのが年配の人物であり、黒幕として疑っていた百一(モイチ)は無関係だと伝えます 。彼が自分を村に留めようと必死だったのは、何か別の理由があったのだろうと、沙織は彼のことを庇うのでした 。
明かされる襲撃の真相、幸信の慟哭
ウィリアムの報告と幸信の怒り
物語は、沙織がクレープ屋の主人と出会う少し前の、家の中で起きていた出来事を映し出します。百一の回想によると、事件の引き金は、ウィリアムから幸信に送られた一通のメッセージでした。
「サオリが、すべてを思い出した。」
その報告を目にした幸信は、血相を変えてウィリアムに詰め寄ります。
「お前…俺に隠れて沙織に何をした…?」
「…何を言ったんだ…?」
幸信は、沙織が村を嫌って捨てた罰として、ウィリアムが彼女の辛い記憶を無理やり思い出させたと勘違いし、激しい怒りをぶつけ、彼を殴りつけてしまうのです 。
「そのままにしてやりたかったのに…」秘められた想い
なぜ、幸信はこれほどまでに激昂したのか。彼の慟哭にも似た独白が、沙織への秘めた想いを明らかにします。
幸信は知っていました。沙織が村の理不尽な掟や身分に耐えきれず、外の世界に自由を求めても、結局は村にどこまでも監視され、いつかは呼び戻される運命にあることを 。だからこそ、彼女を苦しめるあの日の記憶だけは、もし失くしているのなら「そのままにしてやりたかったのに」と、彼はウィリアムを責め立てます 。
彼が沙織に冷たく当たり、村から追い出そうとしていたのは、憎しみからではありませんでした。彼女をこの村の呪われた運命から、そして辛い記憶から、ただ守りたかった。その不器用で切ない優しさが、怒りとなってあふれ出ていたのです。
「むしろ…逆だよ」百一の真実
「監視」の本当の意味
幸信の「監視」という言葉に、沙織は新たな疑念を抱きます 。そして、これまで友人として接してきた百一に、その鋭い問いをぶつけるのです。
「モイチ…私を見張るために追いかけてきたの!?」
東京で再会したのも、この村に帰ってきてから親切にしてくれたのも、すべては自分を村の目として監視するためだったのではないか。仲間への不信感が、再び沙織の心をよぎります。
守るための追跡
しかし、百一は力なく首を振り、その疑惑をはっきりと否定します。
「誤解するなよ 命狙ってたわけじゃない」
「むしろ…逆だよ」
彼が沙織を追って東京に来たのは、村の命令などではありませんでした 。沙織は自分で自分の身を守れると思っているだろうけれど、都会には危険も多い 。彼女の居場所を把握していたのは、見張るためではなく、陰ながら彼女を守るためだった。それが、彼の隠してきた真実だったのです 。
まとめ【みんな、ボドになった。】33話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、これまでのサスペンスフルな展開から一転し、登場人物たちの秘められた想いが次々と明かされる、非常に人間ドラマの濃い回でした。読んでいて、何度も胸が熱くなりました。
特に、幸信の慟哭には心を揺さぶられました。彼が沙織にずっと向けていた冷たい態度は、実は彼女を深く、そして不器用に想うが故の裏返しだった。辛い記憶から彼女を守りたかったという彼の悲痛な叫びは、幸信というキャラクターの魅力を一気に爆発させました。ただの堅物な跡取りではなかった彼の人間味あふれる姿に、思わず涙腺が緩みます。
そして、百一の告白。お調子者で、どこか本心の見えない彼の行動原理が、「沙織を守るため」という、あまりにも真っ直ぐなものだったことに驚かされました。村の命令に背いてまで、陰ながら沙織を案じ続けていた彼の優しさを知ると、これまでの言動すべてが愛おしく見えてきます。
これまで敵か味方か判然としなかった仲間たちが、実はそれぞれのやり方で、必死に沙織を守ろうとしていた。この構図が明らかになった時、物語の深さに改めて感動しました。しかし、彼らの想いとは裏腹に、状況は最悪です。仲間は傷つき、母と友は囚われている。彼らの真実の想いを知った沙織が、この絶望的な状況にどう立ち向かっていくのか。反撃の狼煙が上がる瞬間が、今から待ちきれません。
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