【みんな、ボドになった。】37話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

【みんな、ボドになった。】第37話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、すべての元凶が伯父の好奇心であったという衝撃の事実が明かされ、沙織は憎しみを乗り越えて彼との共闘を決意しました。しかし、その直後に現れたのは、敵意をむき出しにした同級生・源吾。第37話では、新たな敵かと思われた源吾の真意、そして彼もまた村の闇に苦しめられてきた過去が明らかになり、物語は反撃に向けた大きな転換点を迎えます。
新たな敵か味方か、源吾の真意
「全部バレてんだよ」――立ちはだかる友
「どうして…」と問いかける沙織に対し、源吾は厳しい表情で「村で生きる以上、しきたりどおり祭りの務めも忠実に果たすはず」と、村の側に立つかのような態度を見せます。そして、彼は行方不明になった秋穂を探しに来たのだと目的を明かしました。
「秋穂だよ! みんなしてここにかくまってんだろ!!!!」
電話にも出ず、家にも帰っていない。昨日まで普通だった彼女の身を、源吾は心の底から心配していたのです。
友を想う心と、過去の呪縛
沙織は、源吾が秋穂と親しい友人であったことを初めて知ります 。彼の目的が純粋に友を想う気持ちからだと理解しつつも、今の彼が
敵か味方かを見極めるため、沙織は毅然とした態度で問いかけます。
「悪いけどその前に――」
「どこまで村と関わってるのか話して」
沙織は、彼を仲間に引き入れるべきか、その本質を見抜こうとするのでした。
封印された記憶、「処分」を知っていた少年
酒屋の息子が聞いた、大人たちの密談
源吾は、沙織たちの問いかけに対し、重い口を開きます。彼の実家は酒屋で、村の行事への配達が多かったため、子供の頃から大人たちの不穏な会話を耳にする機会があったというのです 。
そして彼は、幼い心に深く刻みつけられた、恐ろしい記憶を告白します。それは、父親が村の誰かと交わしていた、祭りの計画についての密談でした。
「今回の…祭り… 処分……て」
「予定どおり…半数は事故扱いで…」
その会話を聞いてしまった源吾に、父親は「絶対に口に出すなよ」「誰かにしゃべったら次はうちの葬式だ」と、血の気の引くような言葉で口止めをしたのです 。
「普通」を作る同調圧力
この経験から、源吾は早くから村の異常性に気づいていました。この村の「普通」とは、「当たり前で必要なこと」「疑問を持つのは悪いこと」「みんなで同じようにすればいい」という、恐ろしいまでの同調圧力によって作られてきたのだと、彼は悟っていたのです 。
仲間たちの結束、反撃の狼煙
「本当の幼馴染になった気がした」
源吾の告白によって仲間意識が芽生え始めたその時、行方不明だったウィリアムが姿を現します。彼は、清太郎を演じて皆の輪に入るうちに、最初は少し怖かった彼らのことが、いつしか「本当の幼馴染になった気がした」と、仲間への温かい想いを語るのでした 。
「そんな故郷なくなってもいい」――覚悟の共鳴
仲間たちの心が一つになり始めた中、源吾は沙織たちが企てる「祭りを今年で終わらせる」という計画の無謀さを説きます。「どのみちやらなきゃ殺されるんだよ!!」と、村に逆らうことの恐ろしさを訴える彼に、沙織は涙ながらに、しかし強い意志のこもった言葉を返すのです。
「掟のために人を殺すいかれた祭りも」
「従わなければ生きてさえいられないなんて」
「そんな故郷なくなってもいい」
村を捨てた自分が言う資格はないと謝りながらも、すべてを壊してでもこの狂った連鎖を終わらせたい。沙織のその悲痛な叫びは、源吾の心を強く揺さぶりました。「…だな」「間違ってるよなこんなしきたり」「俺らの代で止めねーと」 。ついに、5人目の仲間が加わった瞬間でした。
始まる作戦会議
幸信、そして百一もまた、村の家柄や身分に未練はないと、改めて戦う覚悟を固めます 。こうして、5人の若者たちによる、村への反撃計画が始動します。
幸信は、村の悪事を世間に公表するしかないが、これまでも地元警察に情報を握りつぶされてきただろうと推測 。「やるなら徹底的に――」と覚悟を決めたその時、大雨警報のサイレンが鳴り響きます 。これを好機と捉え、村の悪事を公表する方法として、ウィリアムが「動画拡散してバズらせる…とか…?」と、現代的な反撃の狼煙を上げるのでした 。
まとめ【みんな、ボドになった。】37話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、これまでの息が詰まるような展開に、確かな希望の光が差し込んだ、非常に胸が熱くなる回でした。敵だと思っていた源吾が、実は誰よりも友を想い、そして誰よりも早くから村の闇に気づき苦しんでいたという事実は、彼のキャラクターに深い奥行きを与え、一気に好きになりました。彼の告白は、この村の子供たちが、いかに歪んだ環境で心を殺して生きてきたかを物語っており、非常に痛ましかったです。
そして、国境を越え、偽りの友人として輪に入ったウィリアムが「本当の幼馴染になった気がした」と語るシーン。血の繋がりや育った環境ではなく、共に苦しみ、共に戦おうとする意志こそが本当の「絆」を生むのだという、本作の力強いテーマを感じました。
何よりもカタルシスを感じたのは、沙織の「そんな故郷なくなってもいい」という叫びが、ためらっていた源吾の心を動かし、仲間たちの覚悟を一つにしたシーンです。彼女の悲痛な決意が、ついに反撃の狼煙となった。この瞬間を待っていました。
ついに5人の仲間が揃い、具体的な作戦が始動したことで、物語は新たなステージに進みました。絶望的な状況は変わらないものの、彼らの間には確かな信頼と絆が生まれています。現代的な「動画拡散」という武器を手に、彼らがこの狂った村にどう立ち向かっていくのか。固唾をのんで見守りたいと思います。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから



