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【みんな、ボドになった。】38話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【みんな、ボドになった。】第38話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、仲間たちの固い結束が生まれ、村への反撃を決意した沙織たち。しかし、その希望は同級生・源吾の襲来によって、早くも打ち砕かれようとしていました。第38話では、沙織が知らなかった13年前の夜のさらなる地獄と、村の闇を体現するかのような絶対的な支配者の登場によって、物語は再び絶望の淵へと突き落とされます。

13年前の夜、語られなかった地獄

「私たちも、見つかった…」――共有されたトラウマ

「昔のこと、考えてた…」と、百一は13年前に起きた惨劇の夜を思い出していました 。彼が「今みたいな、どしゃ降りの中帰ったな…」と呟いたことに、沙織は違和感を覚えます 。彼女の記憶では、山を下りた時はまだ小雨だったはずだからです

沙織は、あの夜、自分がボドに捕まる代わりに、他の仲間たちは逃がしてもらえたのだと信じていました 。しかし、百一の口から語られたのは、あまりにも残酷な真実でした。

「あの後…」

僕たちも 見つかった……!

沙織が「仕事」をさせられた後、茂みに隠れていた百一、幸信、清太郎もまた、村の大人たちに捕まっていたのです。そして大人たちは、子供たちの心に恐怖を植え付けるため、「よく見なさい」「村に逆らう悪者はこうなるんだ」と、処刑された沙織の父の無残な亡骸を、無理やり見せつけたのでした 。

泣き叫ぶことしかできなかった幸信は、実の父親から「罰」として容赦なく殴りつけられます 。それは、沙織が一人で背負っていると思っていたトラウマが、実は仲間たち全員で共有された、決して忘れることのできない地獄の記憶だったことを意味していました。

なぜ知っていた?百一への最後の問い

共有された地獄の記憶。しかし、そこには一つの大きな謎が残ります。沙織は、自分が袋詰めの誰かを殴ったことは覚えていても、それが誰だったのかは分かりませんでした

「あれが私のお父さんだって モイチはどうして知っていたの………………?」

なぜ、百一だけがその事実を知り得たのか。沙織が物語の核心に迫る最後の問いを投げかけた、まさにその時でした。

闇の支配者、現る

突然の来訪者、百一の父

家の戸が執拗に叩かれます。「一日に何人訪ねて来るわけ!?」と苛立ちながらドアを開けた沙織たちの前に立っていたのは、百一の父であり、村の有力な寺の住職でもある、下東家の当主でした

彼は、傷だらけの息子の姿を「みっともない」と一蹴し、幸信に対しても、名家である「上東家」の跡取りが、こんな「外れの家」に入り浸っていることを厳しく叱責します 。彼の言葉の端々からは、村を支配する厳格な身分制度の存在が滲み出ていました。

「何事にも手違いは付き物だ…」

そして、百一の父は、一同を凍りつかせる不気味な一言を呟きます。

……まったく何事にも手違いは付き物だ…

それは、彼が沙織たちの動きや、家で起きた襲撃事件のすべてを知り、そして操っている黒幕の一人であることを強く示唆する言葉でした。

強制連行される仲間、蘇る悪夢

無力な抵抗と、引き裂かれる絆

百一の父は、幸信に「帰りましょう」「今すぐです」と有無を言わさぬ口調で命じ、手下の男たちに彼を力ずくで捕らえさせます 。源吾が「何しやがる やめろ!!」と止めに入るものの、屈強な男たちには敵いません

なすすべもなく、幸信は車に乗せられ、闇の中へと連れ去られてしまいました

「…同じだ…」――百一の記憶の扉

引き裂かれる仲間をただ見送ることしかできなかった百一は、その光景に13年前の記憶を重ね合わせ、震える声で呟きます。

…同じだ……

あの時も…連れて行かれた

幸信が連れ去られる姿が、百一の記憶の奥底に眠る、さらなる悪夢の扉をこじ開けたのでした。

まとめ【みんな、ボドになった。】38話を読んだ感想(ネタバレあり)

希望が見えたかと思った矢先に、それを上回る絶望を叩きつけてくる。本作の真骨頂とも言える展開に、今回もまた心を鷲掴みにされました。13年前の地獄を一人で背負っていると思っていた沙織。しかし、そのトラウマは仲間たち全員で共有されたものだったという事実に、胸が張り裂ける思いでした。子供たちに死体を見せつけ、恐怖で心を縛り付けようとする村の大人たちの所業は、人間の醜悪さを煮詰めたようで、言いようのない怒りを感じます。

そして、百一の父親の登場。彼の圧倒的な威圧感と、すべてを見透かしたような言動は、この村の闇が個人の狂気ではなく、有力な家々による盤石な支配体制であることをまざまざと見せつけ、底知れない絶望を感じさせました。

「なぜ百一は父の顔を知っていたのか?」という最大の謎の答えが明かされる直前で、仲間が一人連れ去られてしまうという展開も、あまりに巧みで残酷です。幸信は一体どこへ連れて行かれたのか。そして、百一が思い出した「あの時も…連れて行かれた」という記憶は何を意味するのか。謎が謎を呼び、息もつけないクリフハンガーの連続に、次回の配信が待ちきれません。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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