【みんな、ボドになった。】4話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

【みんな、ボドになった。】第4話をネタバレありでわかりやすく解説する
同級生の幸信(ゆきのぶ)から発せられた「なんで帰って来た…?」という拒絶の言葉。彼が何かを告げようとした瞬間、物語は祭りの説明会という、逃れられない村のルールへと引き戻されます。
謎が深まる同級生たち
警告の続きを言えぬ幸信
第3話のラストで沙織に掴みかかり、何かを伝えようと切羽詰まっていた幸信。しかし、仲間たちに促され、彼は結局何も言えずに沙織から離れてしまいます。その目は険しく、沙織は「なんなのよ そこまで私を追い出したい…?」と、彼の真意を測りかね、ただただ不信感を募らせるのでした 。
変わり果てた同級生「清太郎」
張り詰めた空気の中、百一(もいち)や秋穂(あきほ)は、先ほど二人を咎めたキャップの男について話していました。彼の正体は、なんと同級生の帰村井清太郎(きむらい せいたろう)だったのです 。
小学生の頃は超がつくほどの肥満体型で、ゲームが得意なことから「名人」と呼ばれていた清太郎 。しかし、中学で不登校になり、村から引っ越してしまったため、今のスリムな姿からは誰も彼だと気づけませんでした 。沙織は、そんな清太郎が昔「物知りで私にはいつも優しかったな…」と、淡い記憶を思い出します 。しかし、今の彼が味方になってくれる保証はどこにもありません。
ついに明かされる「ボド祭り」の全貌
成人の儀式としての祭り
体育館に集められた沙織たちは、祭りの進行役である老人から説明を受けます。この村では、
数え年で二十四歳になる年が「成人」と見なされ、「大人衆」として認められるための通過儀礼が、この「ボド祭り」なのです 。
「神様」に泥を投げる伝統行事
「ボド」とは、村人の穢(けが)れを集めて沼へ運んでくれる神様のこと 。そして祭りの内容は、ボドに扮した成人前の若者たち(沙織たち)が村の家々を回り、村人たちが穢れの代わりに泥を投げつける、というものでした 。昔は泥ではなく排泄物を使っていた、などという悍(おぞ)ましい話も付け加えられます 。
説明を聞きながら、参加者には祭りで身につける衣装と、古びた木の仮面「卒塔婆面(そとばめん)」が配られました 。代々使い回されているというその仮面は 、沙織が悪夢で見た、あの不気味な仮面そのものだったのです。
ボド役を縛る“3つの絶対的な決まり”
説明の最後に、進行役の老人はボド役が祭りの三日間で守らなければならない、3つの絶対的な決まりを告げます。
決まり①:決して面を外してはならない
「ボドに扮したら決して面を外さないこと」
これは、たとえボド役同士であっても、お互いの正体を知ることがないようにするためだと説明されます 。
決まり②:決して声を発してはならない
「それに従い声を出したり誰かと話してはならない」 。
これは「個を消して」「互いを信頼し繋がり続ける事」であり、それこそがこの村の「絆」なのだと、老人は歪んだ理屈を語ります 。
決まり③:決して逃げ出してはならない(連帯責任)
そして、最も恐ろしい最後の決まりが告げられます。 「祭りの三日間は逃げ出したらダメですよ」
もし調和を乱す身勝手な行いをした者が出た場合、その者には相応の罰が与えられるだけでなく、「あるいは全員が一緒に責任を取らされるかもしれませんよ」と、参加者全員を縛り付ける連帯責任のルールが、脅迫のように言い渡されるのでした 。
まとめ【みんな、ボドになった。】第4話を読んだ感想(ネタバレあり)
ついに「ボド祭り」の全貌が明らかになり、物語が本格的に動き出した第4話。その内容は、想像を遥かに超える異常なものでした。若者たちが神様に扮し、村人から泥(かつては排泄物)を投げつけられるという儀式の内容もさることながら、参加者を縛る「3つの絶対的な決まり」には、この村の持つ狂気が凝縮されているように感じます。
特に、「個を消すことが絆」という理屈で沈黙を強要し 、「連帯責任」を盾に逃亡を許さないルール は、まさに恐怖政治そのものです。これでは、参加者同士が互いを監視し合うことになり、誰も信じられない、逃げ場のない閉塞感が生まれます。百一や幸信が「逃げろ」「死ぬぞ」と警告した理由が、痛いほど理解できました。
また、配られた「卒塔婆面」が、沙織の悪夢に出てきた仮面と一致したことで、悪夢が現実の恐怖となって襲い掛かってくる感覚にゾッとしました。あの悪夢は、これから沙織が体験する未来の光景だったのかもしれません。
そんな絶望的な状況の中で、唯一の希望となりえるのが、同級生たちの存在です。警告を発する百一、何かを知りながらも言えない幸信、そして過去には優しかったという清太郎。彼らがこの異常な村のルールの中でどう動き、沙織とどう関わっていくのか。彼らの行動一つ一つが、沙織の、そして参加者全員の生死を分ける鍵になるでしょう。謎と恐怖が深まるばかりの展開に、次話が待ちきれません。
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