【みんな、ボドになった。】40話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

【みんな、ボドになった。】第40話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、村を支配する絶対的な権力者である百一の父が登場し、幸信が力ずくで連れ去られてしまいました。仲間が引き裂かれ、絶望的な状況に陥る中、百一の口から語られたのは、この村を内部から破壊する、恐ろしくも巧妙な策略の全貌でした。第40話、ついに狂気の祭りの幕が上がります。
村を飲み込む疑心暗鬼、百一の恐るべき策略
「裏帳簿」を巡る偽りの噂
物語は、幸信が実家で父に問い詰められている場面から始まります。村では「幸信が村ぐるみの殺人の証拠である『裏帳簿』を持ち出して、外部に売ろうとしている」という噂が広まり、大騒ぎになっていました。幸信は、村人たちが正義のためではなく、自らの悪事が暴かれることを恐れる「ただの保身」で騒いでいることに「心底あきれる」と吐き捨てます。
一方、その様子を窺っていた沙織に、百一は不敵な笑みを浮かべて語ります。
「…これでいいんだ」
正義なき暴動、壊れ始めた村
この村全体の混乱こそ、百一が仕掛けた壮大な作戦でした。彼は、沙織の伯父(クレープ屋の主人)に依頼し、「村の『裏帳簿』を上役の誰かが売ろうとしている」という嘘の噂を村中に広めさせたのです。
その結果、村人たちは互いを裏切り者ではないかと疑い始め、疑心暗鬼の渦に飲み込まれていきました。ウィリアムと源吾の家が襲われたのも、この暴動の一環。百一は、村人たちの醜い保身の心を利用して、村を内部から崩壊させるという、あまりにも冷徹な計画を実行していたのです。
狂気の祭りは終わらない
盗まれたボドの衣装
村が混乱に陥る中、百一の父(住職)をはじめとする村の上役たちは、悪天候や騒動にもかかわらず、祭りの決行を宣言します。しかし、ここで新たな問題が発生。祭りに不可欠なボドの衣装が、準備場所から大量に盗まれていたのです。
「村を受け継ぐ者」に与えられた特別な装束
代用品をかき集めても、今年の参加者である沙織たち3人が着る衣装が足りません。すると住職は、おもむろにお蔵入りになっていたという、特別な衣装を取り出します。
「これは ボド祭りを始めるに当たり 神様役の装いとして最初に作られた物です」
それは、泥の祭りには不向きな、どこか神聖さすら感じさせる特別な装束でした。住職は、沙織、百一、そして父の元から戻ってきた幸信の3人にこの衣装を身に着けるよう命じ、「この村を受け継ぐ者として、しっかりとボド様のお勤めを」と、宣告するのでした。
神の姿をした鬼、決戦の舞台へ
「あの日、私たちから奪ったものを返して」
幸信の父をはじめ、村を支配する上役たちが目の前に集う。沙織は、彼らの中に「私たちを地獄に突き落とした一番悪い鬼が この中に隠れてる」と、静かに闘志を燃やします。
神様の姿をした化け物たち。裕福で美しい、人殺しの村。この地獄のような場所で、彼女はすべての因縁に決着をつける覚悟を決めます。
「返してよ」
「あの日私たちから奪ったものを」
心に誓い、沙織は最後の戦いの舞台へと向かうのでした。
まとめ【みんな、ボドになった。】40話を読んだ感想(ネタバレあり)
前回、黒幕であることが判明した百一の、恐るべき策略の全貌が明らかになり、その冷徹さと頭脳のキレにただただ戦慄しました。村人たちの醜い「保身」の心を利用し、内部から村を崩壊させるという作戦は、あまりにも皮肉が効いていて、彼の村への深い絶望と、歪んだ形での変革への渇望を感じさせます。もはや単なるサイコパスではなく、複雑な背景を持つ彼のキャラクターに、より一層引き込まれました。
そして、村の上役たちが混乱の中でも祭りを強行しようとする姿には、彼らの狂気がもはや後戻りできない領域にあることを改めて痛感させられ、不気味さを覚えます。
そんな中、沙織、百一、幸信の3人が、特別な「神様の装束」を身にまとうことになるという展開は、非常にドラマチックでした。それは、彼らがこの狂った村の運命を背負い、物語の中心で最終決戦に挑むことを象負徴しているかのようです。
ラスト、静かに、しかし力強く闘志を燃やす沙織の姿には、これまでの彼女の成長のすべてが詰まっているようで、思わず胸が熱くなりました。「奪われたもの」を取り返すための彼女の戦いが、一体どのような結末を迎えるのか。期待と興奮で、次回の展開から目が離せません。
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