【みんな、ボドになった。】46話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

【みんな、ボドになった。】第46話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、幸信の口から「もう一人の犯人」の存在が示唆され、13年前に起きた惨劇の謎はさらに深まりました。第46話では、ついにその犯人の正体が、幸信のあまりにも痛ましい告白によって明らかになります。そして、すべての真実が明かされたその時、仲間の一人が、誰も予想しえなかった凶刃を振るうのでした。
明かされる「もう一人の犯人」の正体
幸信に迫られた悪魔の選択
幸信が語り始めたのは、13年前のあの夜、彼が目の当たりにした地獄の続きでした。沙織が連れ去られた後、村の大人たちに捕らえられた幸信。ボドの仮面を被ったリーダー格の男は、彼に悪魔のような選択を迫ります。
「責任ある立場だからこそ周囲にそれを示さなければ」
村の最有力者である「上東家」の跡取りとして、村の掟に背いた者への「処理」を、その手で実行しろというのです。さもなければ、「君の代わりにあの女の子を連れ戻そうか?」と、沙織を再び地獄に引き戻すことを示唆し、幸信を脅迫します。
「お前が手を染めるにはまだ早すぎる」
「やります」。大切な沙織を守るため、幼い幸信は涙ながらにその汚れ仕事を引き受けようとします。震える手で棍棒を握りしめた、まさにその時でした。
「…やめなさい」
その声を上げたのは、同じくボドの格好をした、幸信自身の父親でした。彼は、息子の罪を自らが被る覚悟を決めると、「お前が手を染めるにはまだ早すぎる」と、幸信から棍棒を取り上げます。そして、まだ息のあった沙織の父に、とどめを刺したのでした。
そう、13年前の「もう一人の犯人」の正体は、幸信の父だったのです。彼は、息子の心を、その手を汚させないために、自らが人殺しの罪を犯す道を選んだのでした。
幸信の13年間の贖罪
「…それが、あの夜に起きたすべてだ」。13年越しの告白を終えた幸信は、沙織に深く頭を下げます。彼は、沙織が記憶を失ったことを、彼女自身が自分を守るためだったのだと考え、せめてもの償いとして、彼女が穏やかに生きていけるよう、陰ながら支え続けることを誓っていました。
「俺は恨まれても殺されても構わなかった…!」。いつか沙織がすべてを知り、自分を憎むその時を、彼は覚悟の上で待ち続けていたのです。
絶望の果ての裏切り
「好きにしていい」――幸信の覚悟
すべての真実を知り、怒りと絶望に震える沙織。幸信は、そんな彼女に「親父には裁きを受けさせる」「俺のことも好きにしていい」と、全ての罰を受け入れる覚悟を示します。
しかし、彼が沙織に手を差し伸べたその瞬間、背後から鈍い衝撃音が響き渡ります。幸信は、仲間であるはずの百一に、背後から殴りつけられたのです。
百一の凶行と謎の言葉
「幸信!!!」。沙織と、駆けつけたウィリアムの叫び声が響きます。しかし、百一は倒れる親友には目もくれず、沙織の腕を掴むと「いいから早くこっち」と、彼女をどこかへ連れ去ろうとします。
「モイチ…何考えてんの!?」
混乱する沙織に、百一はただ一言、こう囁くのでした。
「ごめんね」
その言葉は、謝罪なのか、あるいは、これから始まる新たな悲劇への序曲なのか。最も信頼していたはずの友人の、謎に満ちた裏切りによって、物語は再び混沌の闇へと突き落とされます。
まとめ【みんな、ボドになった。】46話を読んだ感想(ネタバレあり)
ただただ、言葉を失いました。これまでのどの展開よりも重く、そして救いのない真実が明かされ、読後はしばらく放心状態になってしまいました。「もう一人の犯人」が幸信の父だったという事実。そして、彼がその罪を犯した理由が、息子を殺人者から守るためだったという、愛と狂気が入り混じった悲劇には、胸が締め付けられます。
特に、沙織の父と幸信の父、二人の父親の対比が鮮烈でした。一人は娘を救うために「死」を偽装し、もう一人は息子を救うために「生」を奪う。どちらも根底にあるのは歪んだ親子愛であり、この村の異常なシステムが、いかに人の心と家族の形を破壊してきたかを痛感させられます。
そして、ラストの百一の裏切り。これには、頭を殴られたような衝撃を受けました。すべての真実が明かされ、これから反撃が始まるという、まさにそのタイミングで、なぜ彼は親友である幸信を殴り、沙織を連れ去ろうとするのか。彼の「ごめんね」という一言が、あまりにも不気味で、彼の行動が単純な悪意からではない、何か別の、より複雑な目的があることを示唆しています。
信頼、裏切り、愛情、憎悪。すべての感情が極限状態で渦を巻く、まさに圧巻の一話でした。もはや誰が敵で誰が味方なのか、全く予想がつきません。百一の真の目的とは一体何なのか。この最悪の裏切りの先で、沙織たちをどんな運命が待ち受けているのでしょうか。
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