【みんなは贅沢というけれど】1話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【みんなは贅沢というけれど】第1話をネタバレありでわかりやすく解説する

今回から始まる物語「みんなは贅沢というけれど」は、一見すると誰もが羨むような生活を送る夫婦の、隠された素顔と崩壊の序曲を描く衝撃的なストーリーです。第1話では、主人公・倉田亜季の華やかな日常と、その裏に潜む彼女の複雑な内面が、友人や周囲の人々との関わりを通して鮮明に描き出されていきます。

冒頭の衝撃的な離婚宣告

物語は、主人公である倉田渉・亜季夫婦の物語であることが示されます 。しかし、その導入は穏やかなものではありません。「誰しも他人に よく見られたいと 思うものだ」、「だから 見せたくない部分は 隠そうとする」というモノローグと共に、夫の渉が妻の亜季に「離婚してくれ」と冷たく言い放つ、衝撃的なシーンから幕を開けます。

幸せそうに見える夫婦に一体何があったのか、読者の心を一気に引き込む不穏な始まり方です。このセリフをきっかけに、物語は過去へとさかのぼっていきます。

誰もが羨む「理想の夫婦」の日常

完璧な妻を演じる亜季

場面は変わり、亜季の視点で物語が進みます 。彼女は一級建築士の夫と結婚し、高級住宅街に引っ越してきて2年目を迎えていました 。朝の食卓で、亜季は大学時代の友人たちとアフタヌーンティーの予定があることを渉に話します。友人の職業が看護師とCAであることを聞くと、渉はにこやかに相槌を打ちます 。

その直後、渉は「あそうだ」と思い出したように、いとこの「巧巳くん」と飲みに行くため、夕飯はいらないと亜季に告げます 。急な申し出にもかかわらず、亜季は「いいけど・・・」と優しく受け答え、渉を「行ってらっしゃい 気をつけてね」と笑顔で送り出すのでした 。この時点での二人のやり取りは、どこからどう見ても仲睦まじい理想の夫婦そのものです。

友人から見た亜季の姿

しかし、物語は別の視点を差し込みます。亜季の友人である小暮瑞穂は、亜季のことを「ちょっとイタい 友人がいる」、「いい子なんだけど」と評していました。このモノローグから、亜季の完璧に見える姿が、友人たちの目には少し違って映っていることがうかがえます。

友人たちとのアフタヌーンティーに集まった亜季。彼女を含めた4人は久しぶりの再会を喜び合います 。華やかな店内で、運ばれてきた豪華なデザートやサンドイッチに歓声を上げ、夢中で写真を撮りSNSに投稿する姿は、現代的な女性たちの楽しいひとときを象徴しているかのようです。

仮面の下から覗く亜季の素顔

夫の設計した家と見栄

会話の中で、亜季が住んでいる家が夫の渉が設計したものであるという話題になります 。友人が「凄いわねー」と羨望の声を上げると、亜季は「全然たいしたこと ないわよ」と謙遜しつつも、「それに私だって 壁紙選んだり 大変だったのよ」と付け加えます。

この発言に、友人の瑞穂は心の中で「いや設計すんのと 壁紙選ぶのを 同列にすんなよ・・・」と冷静にツッコミを入れます。この一連のやり取りは、亜季が持つプライドの高さと、少しずれた価値観を巧みに表現しています。

5分も待てない女

楽しい会話の最中も、亜季は必死にスマートフォンを操作していました。友人から「さっきから 何してんの?」と尋ねられると、亜季の隠された一面が明らかになります。

実は彼女、瑞穂曰く「既読から返信まで 5分も待てない女」だったのです。学生時代には、その執拗な連絡が原因で恋人に振られた過去までありました 。亜季は「だって・・・ 既読つかないんだもん」と不安そうな表情を見せ、返信が来ないとつい催促してしまうと語ります 。

すると、まるでタイミングを計ったかのように渉から返信が届きます。そこには、会議が長引いたことへの謝罪と共に、「これで亜季が 安心するなら 全然かまわない」という、どこまでも優しい言葉が綴られていました 。亜季はこの返信を友人に見せますが、友人たちは夫の優しさに感心しつつも、亜季の度を越した甘えぶりに呆れた表情を隠せません。

贅沢な悩みと周囲とのズレ

友人たちが夫の優しさを「うらやましい」と褒めると、亜季は信じられない言葉を口にします。「そうなんだけど・・・ 真面目すぎるし 地味じゃない?」。この一言に、友人たちの空気は凍り付きます。

一人の友人は、ついに「なに言ってんだ この贅沢者は」と怒りをにじませるのでした。高収入で、優しく、妻の不安定な心さえも受け入れてくれる夫に対して不満を漏らす亜季の姿は、友人たちにとって到底理解できるものではなかったのです。

亜季が抱える「秘密」と夫婦の亀裂

子供を持たないという選択

友人たちとの帰り道、話題は亜季が子供を作らないことに移ります 。瑞穂が以前、亜季にその理由を尋ねたときのことが回想されます。亜季は「子供は かわいいし 好きだけど」「私には 向いてないかな」と答えていました 。そして、その考えを渉も受け入れているというのです 。

しかし、この選択を瑞穂は肯定的に捉えていませんでした。彼女は亜季のことを「自己中で 旦那さん 振り回すし・・・」「贅沢が すぎる!」と、内心で強く非難するのでした。

強い拒絶と夫の優しさ

一人になった亜季は、近所で見かけた子供たちの姿に「かわいいと思うし 好きだ」と微笑みます。しかし、その直後に表情は一変し、「・・・あんなの・・・ 私には絶対無理だ」と強い拒絶を見せるのです。

彼女の脳裏には、子供を持たないという決意を渉に告げた日の記憶が蘇ります。渉は理由も聞かずに、ただ「俺は亜季が 一番大事だから」と言って、彼女の全てを受け入れてくれました。この夫の深い愛情が、逆に物語に不穏な影を落とします。

秘密と裏切りの予感

物語は終盤、亜季のモノローグで核心に迫っていきます。「私は 渉さんに 話していない ことがある」。彼女は、夫に対して重大な秘密を抱えているのです。いつかは話さなければならないと感じつつも、その勇気が出せずにいました 。

そして物語は、衝撃的なラストシーンを迎えます。亜季が夕食のために訪れたバル。その店内で、彼女は信じられない光景を目撃します。そこには、いとこと飲みに行っているはずの夫、渉が、見知らぬ女性と親しげに話す姿があったのです。幸せな夫婦生活の仮面が剥がれ落ち、絶望の淵へと突き落とされる亜季の姿を暗示して、第1話は幕を閉じます。

【みんなは贅沢というけれど】第1話を読んだ感想(ネタバレあり)

第1話を読んで、まず感じたのは主人公・亜季のキャラクターの巧みさです。SNS映えするきらびやかな生活を送る裏側で、彼女が抱える承認欲求や精神的な脆さが、友人たちとのリアルな会話を通じてあぶり出されていく様に引き込まれました。特に、恵まれた環境にありながら「地味じゃない?」と夫への不満を漏らすシーンは、彼女の「贅沢」さが際立っており、読者として「この子は一体何を考えているんだ…」と少しイラっとさせられると同時に、彼女が抱える本当の闇は何なのか、知りたくなってしまいます。

また、夫である渉の完璧すぎる優しさが、逆に不気味ささえ感じさせます。亜季の異常なまでの連絡にも怒らず、子供を持たないという大きな決断も理由を聞かずに受け入れる。この聖人のような振る舞いが、最後の裏切り(かもしれないシーン)への大きな振りになっていて、構成のうまさに唸りました。

友人たちの視点が非常にリアルで、読者の気持ちを代弁してくれる存在になっているのも面白い点です。彼女たちのツッコミがあるからこそ、亜季のキャラクターがより立体的に見えてきます。

最後の引きは本当に衝撃的でした。亜季が抱える秘密とは何なのか、そして渉は本当に亜季を裏切っていたのか。それとも何か誤解があるのか。理想の夫婦の仮面の下に隠された真実が、これからどのように暴かれていくのか、次回が待ちきれない、見事な第1話だったと思います。

【みんなは贅沢というけれど】第1話のネタバレまとめ

  • 物語は、夫・渉が妻・亜季に「離婚してくれ」と告げる衝撃的なシーンから始まる。
  • 一級建築士の夫と高級住宅街に住む亜季は、誰もが羨むセレブな主婦。
  • しかし亜季は、夫からの返信を5分も待てないほど精神的に不安定で、友人たちからはその「贅沢」な悩みに呆れられている。
  • 亜季は「自分には向いていない」という理由で子供を望まず、渉も「亜季が一番大事だから」とそれを受け入れている。
  • 物語の最後に、亜季は夫に言えない秘密を抱えていることが明らかになり、同時に、渉が見知らぬ女性と会っている場面を目撃してしまう。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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