【みんなは贅沢というけれど】2話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 主人公の亜季は、一級建築士の夫・渉と高級住宅街に住み、誰もが羨む生活を送っています。
  • しかし、夫からの返信を5分も待てないなど精神的に不安定な一面があり、恵まれた環境への不満を口にしては友人たちに呆れられていました。
  • 亜季は夫に言えない秘密を抱える一方で、物語の最後には渉が別の女性と親密に話している衝撃的な場面を目撃してしまいます。

【みんなは贅沢というけれど】第2話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回のラストで、夫の裏切りを目撃したかのように思われた亜季。第2話では、あの衝撃的なシーンの真相が明らかになると共に、物語は新たな局面を迎えます。今回は、主人公の亜季だけでなく、彼女を取り巻く複数の人物の視点から物語が描かれることで、倉田夫婦の関係性がより立体的に、そして不穏に浮かび上がってきます。

SIDE: 市川巧巳 – 従兄の目に映った亜季の異常性

酔いつぶれた渉の介抱

物語は、亜季の家のインターホンが鳴る場面から始まります。そこに立っていたのは、見知らぬ女性ではなく、夫・渉の

いとこである市川巧巳でした 。彼は、飲み会で酔いつぶれてしまった渉を家まで送り届けに来てくれたのです 。前回の引きの真相は、渉の浮気ではなく、いとことの飲み会だったことが判明します。

巧巳の視点では、渉との久しぶりの再会が描かれます。巧巳は、昔から盆や正月にしか会えなかった渉と、「今まで会わなかった分 仲良くしような」と、これから親交を深めていきたいと考えていました。しかし、その日の渉は何か思うところがあったのか、深酒をしてしまい、ついには意識を失ってしまいます 。

夫より自分を見る妻への違和感

巧巳は泥酔した渉をなんとか家まで送り届け、亜季に引き渡します。亜季は「私1人だったら玄関から 動かせないところでした」と感謝を述べますが、巧巳は彼女の態度に強烈な違和感を覚えていました。

それは、亜季の視線でした。彼女は、酔いつぶれた夫の心配をするよりも、「やたらこっちを チラチラ見てて」、その様子は明らかに巧巳を意識しているように見えたのです。この不可解な態度に、巧巳は「具合の悪い渉よりも 俺ばっかり見てた彼女に がっかりした」と、失望感を抱きます。

秘密の相談と最悪の心証

そして、巧巳がタクシーで帰ろうとする間際、亜季は衝撃的な行動に出ます。彼女は巧巳を引き止めると、「渉さんのことで 相談したいことがあるんです」「渉さんには 内緒で…」と、秘密の相談を持ちかけたのです。そして、おもむろに携帯を取り出し、電話をかけてもいいかと尋ねるのでした 。

夫がすぐそばで倒れている状況で、そのいとこを誘惑するかのような一連の言動。これに巧巳は恐怖すら覚え、返事もせずにタクシーに乗り込みます。彼のモノローグは、彼女への評価を決定づけるものでした。

正直心証は 最悪になった

SIDE: 倉田渉 – 優しい夫が抱えるコンプレックスと疑念

妻の視線に気づいていた夫

場面は深夜3時、泥酔から目覚めた渉の視点に移ります 。頭痛に苦しむ渉を、妻の亜季は優しく介抱します 。かいがいしい妻の姿に、一見すると夫婦の愛情は健在のように見えます。しかし、渉の心の中は穏やかではありませんでした。

彼は気づいていたのです。

あの時 巧巳くんに見惚れて いたの…気づいてたよ」。

スポーツマンでイケメンの銀行員であるいとこ・巧巳は、子供の頃から常に周囲の女の子たちの注目の的でした 。渉にとってそれは「よく見る光景」であり、慣れているはずのこと。しかし、渉はこうも思います。「…でも 亜季が そうなるのは 見たくなかった」。妻が他の男性、特に自分がコンプレックスを感じる相手である巧巳に惹かれる姿を見たくない、という渉の苦悩が垣間見えます。

亜季の介抱を受けながら、渉は何かを問いかけようとしますが、結局その言葉を飲み込んでしまいます。彼の最後のモノローグ「聞けなかった」という一言には、妻への不信感と、真実を知ることへの恐怖が凝縮されているかのようです。

SIDE: 貴島紗江 – 婚約者が警戒する「相談女」の手口

「黒じゃん」婚約者の的確な指摘

物語はさらに、巧巳の婚約者である貴島紗江の視点へと移ります 。彼女は巧巳から、亜季に誘われた一件を聞かされていました。亜季が「じゃあ今度は私と 飲みに行きましょ!」と巧巳を誘ったこと、そしてその誘いを「渉と 一緒にね…」という言葉で巧巳がかわしたこと。この話を聞いた紗江は、亜季の行動を「黒じゃん」と一刀両断します。

その翌日、紗江が危惧した通り、亜季は本当に巧巳に電話をかけてきました 。年賀状に書いてあった番号を頼りに連絡してきた亜季は、「実は渉さんの ことで相談したいんですけれど…」「お会いできませんか?」と、二人きりで会うことを要求します。

世にも恐ろしい『相談女』

この亜季の行動に、紗江は過去の出来事を思い出していました。それは、彼女の同僚が「世にも恐ろしい『相談女』」によって、結婚間近の彼氏を奪われそうになった話です。

「相談」を口実に男性に近づき、「旦那が単身赴任で」「俺しか相談する人がいないんだって」などと言って同情を誘い、昼夜を問わず連絡をしてくる 。そして最終的には「彼女と別れてほしい」と要求する。紗江は、亜季のやり方が、この『相談女』の手口とあまりにも似ていることに強い警戒心を抱きます。そして、巧巳に「2人きりで 会わないこと」と釘を刺すのでした。

SIDE: 里中真理菜 – ご近所さんが抱く嫉妬と嫌悪感

いけ好かない奥様

最後に、物語は倉田家の近隣住民・里中真理菜の視点を映し出します 。彼女は、2年前に引っ越してきた倉田夫婦、特に亜季のことを快く思っていませんでした

共働きでワンオペ育児に追われ、へとへとの毎日を送る里中さんにとって、夫が高収入の建築家で自身は専業主婦という亜季の生活は、嫉妬の対象でした 。友人と優雅に食事をし、「たまには外食して ラクしてもいいと思いますよ」などと悪気なく言ってくる亜季の存在が、彼女には「優雅な ご身分 ですこと」と皮肉にしか聞こえません。

彼女は、亜季の「いちいち言動が 癇に障る」と感じており、「この奥さんがなんだか いけ好かない」という強い嫌悪感を抱いていたのです。

物語の最後には人物相関図が示され、そこには渉から亜季への「不信感」、巧巳や紗江から亜季への「警戒」、そして里中さんから亜季への感情が「贅沢がすぎる」という言葉でまとめられており、亜季が周囲から完全に孤立している状況が視覚的に示されて、第2話は幕を閉じます。

【みんなは贅沢というけれど】第2話を読んだ感想(ネタバレあり)

第2話は、視点が次々と切り替わる群像劇のような構成が非常に面白かったです。第1話では亜季の視点から描かれていたため、彼女の行動に「ちょっとわがままなのかな?」くらいの印象でしたが、今回は巧巳、渉、紗江、里中さんと、第三者の視点を通すことで、亜季の「異常性」がこれでもかと浮き彫りにされていました。特に、夫がすぐそばで倒れているのに、そのいとこに熱い視線を送り、あまつさえ「内緒で相談が…」と持ちかける神経は、もはやホラーの域に達していると感じました。

また、ただの優しい夫だと思っていた渉が、いとこの巧巳に対して長年のコンプレックスを抱えていることが明らかになったのも大きなポイントです。彼が亜季の視線に気づき、「聞けなかった」と苦悩する姿は、この夫婦の関係がすでに深刻な状態にあることを物語っています。彼の優しさは、愛情だけでなく、何かを諦めていることの裏返しなのかもしれません。

そして、巧巳の婚約者・紗江が語る「相談女」のエピソードは、あまりにもリアルでゾッとしました。こういう形で好意を寄せる相手に近づこうとする人の心理や手口が具体的に描かれていて、物語に強い説得力を与えています。

最後の人物相関図は、答え合わせのようで面白かったです。各キャラクターが亜季に対して抱いている感情がハッキリと示されたことで、今後の展開への期待がますます高まりました。四面楚歌状態の亜季が、この先どう動くのか、そして夫婦の秘密がいつ暴かれるのか、目が離せません。

【みんなは贅沢というけれど】第2話のネタバレまとめ

  • 亜季が目撃したのは渉の浮気相手ではなく、泥酔した渉を送り届けに来たいとこの巧巳だった 。
  • 亜季は、夫が泥酔している状況で巧巳に好意があるような素振りを見せ、さらに「渉に内緒で相談したい」と連絡先を聞き出そうとする 。
  • この行動に巧巳と、その婚約者・紗江は強い不信感と警戒心を抱く 。
  • 夫の渉も、亜季が巧巳に見惚れていたことに気づいており、妻に対して複雑な感情と疑念を抱いている 。
  • 近隣住民の里中さんも、亜季の優雅な生活や言動に強い嫉妬と嫌悪感を抱いており、亜季が周囲から孤立している状況が明らかになる 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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