【みんなは贅沢というけれど】7話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 離婚の危機を乗り越えた渉と亜季は互いを支え合うことを誓い、今度は亜季が自身の両親について語り始めました。
- 亜季の母は家族に無関心で、父は母の気を引くために酒に溺れ、家庭内で暴れるようになっていったことが語られます。
- 亜季が12歳の時、夫婦喧嘩の最中に母が投げた皿が亜季に当たり怪我をさせてしまいました。
- この事件にショックを受けた父は病院から失踪し、その日の夜に交通事故で亡くなってしまったという、衝撃的な過去が明かされました。
【みんなは贅沢というけれど】第7話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、父の死という衝撃的な過去を打ち明けた亜季。第7話では、その後の出来事と、物語最大の謎であった「母の無関心の理由」がついに解き明かされます。しかし、一つの謎が解けるとき、そこにはさらに深く、暗い真実が隠されていました。亜季の告白は、誰も予想しなかった結末へと向かっていきます。
父の死と母の言葉
物語は、父の死の知らせを受けた亜季が、母と共に警察署へ向かうシーンから始まります。夜が明け始めた街の景色を、彼女は「別の世界みたいだった」と、現実感のない心地で眺めていました。
警察から聞かされた父の死因は、赤信号を無視して車道に飛び出したことによる事故死でした。 父が病院からいなくなった時、電話に出なかった自分。娘である自分が怪我をしたから、父は動揺してしまったのだ。亜季は激しい自責の念に駆られます。
「パパが死んだのは… 私のせいだ…」。
しかし、そんな亜季に対し、母はいつもの無表情のまま、冷静に言葉をかけます。
「それはパパの不注意」
「ケガをしたのは パパがお皿を投げたことが原因だし」
「お皿を投げるような喧嘩をしたのは 私とパパよ」
「あなたはそれに巻き込まれただけ」
母のこの言葉によって、亜季は罪悪感の淵から救われ、自分なりに父の死と向き合うことができるようになったのです。
返信を待てない本当の理由
父の死は、亜季の心に深いトラウマを残していました。それは、大切な人からの連絡が途絶えることへの極度の恐怖です。「返信が来ないのは あの時の父のように 相手の身に何か あったせいじゃないか」。
これが、彼女がこれまで返信を5分と待てず、相手にしつこく連絡をしてしまっていた本当の理由でした。この苦しみを渉に打ち明けると、彼は優しく受け止めます。「誰だって 自分にとって大切な人の 安否は気になるよ」 、「亜季はその気持ちが 人より凄く強いんだよ」。
自分の感情を初めて肯定してもらえた亜季は、その言葉に深く救われるのでした。
母の無関心、その真相
散りばめられた謎のピース
父の死後、亜季の周りでは不可解な出来事が続きます。フリーライターを名乗る男が現れ、父が「政治家をやってるようなお家柄」から勘当されたという下世話な噂話を吹き込んできました。
また、父のお通夜の日、亜季が寝込んでいると、母の友人を名乗る女性が訪ねてきます。その女性は、眠っていると思い込んだ亜季の傍らで、母に衝撃的な言葉を告げました。 「あなたがこの人から 解放されて ホッとしてるの」。
その女性の口から、父が「政治家一家の落ちこぼれ」で勘当されていたことが事実だと語られます。 そして母は、その友人にだけ、父への静かな怒りを漏らしていたのです。
「母は父にとても ひどいことをされて それこそ… 愛することなんて ありえないくらいの」。
娘の顔を見るのが怖い
後日、亜季がフリーライターの件を相談すると、母は「わざわざ裏側に回って嫌な面を見る必要ないのよ」と真実を曖昧にします。 そして、これまで亜季を苦しめてきた「無関心」の本当の理由を、ついに語り始めました。
「無関心だった ことは一度もない」
「私は 亜季の顔を 見るのが 怖いの」
母は、愛する娘の顔や仕草の中に、心の底から憎んでいる夫の面影を見つけてしまう。そのたびに、夫からされた「ひどいこと」の記憶がフラッシュバックし、言いようのない感情に襲われることに苦しんでいたのです。 彼女が亜季と距離を置いていたのは、無関心からではなく、娘を愛しているがゆえの苦悩だったのです。
「パパは… 何をしたの…?」と問う亜季に、母は最後まで答えませんでした。 しかし、散りばめられたピースを繋ぎ合わせれば、答えは自ずと見えてきます。それでも亜季は、「明確にしてしまうのは 怖かった」と、真実から目をそむけていました。
そして物語は、衝撃的な未来を暗示します。
「そして それから十数年後 私は打ちのめされる 母の笑顔によって」。
【みんなは贅沢というけれど】第7話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回のエピソードは、パズルのピースが一つずつはまっていくような、見事な構成でした。亜季が返信を異常に催促する理由が、父の突然の死という壮絶なトラウマにあったことが明かされ、彼女のこれまでの行動すべてに深く同情しました。それを優しく受け止める渉の姿には、理想のパートナーシップとは何かを教えられた気がします。
そして、ついに明かされた母の無関心の真相。それは、無関心などではなく、憎しみと愛情の間で引き裂かれる、あまりにも人間的な苦しみでした。「娘の顔に憎い夫の面影を見てしまう」という告白は、言葉を失うほどに重く、そして悲しいものです。彼女もまた、この物語の被害者の一人だったのですね。
最大の謎が解明されたかと思いきや、物語は「父が母に何をしたのか?」という新たな謎と、「母の笑顔によって打ちのめされる」という不気味な未来を提示してきました。やっと光が見えてきたと思った先に、さらに深い闇が待っている。この物語の底知れない面白さに、改めて鳥肌が立ちました。母の笑顔の裏に隠された真実とは一体何なのか、次回の展開が待ちきれません。
【みんなは贅沢というけれど】第7話のネタバレまとめ
- 父の死後、自責の念にかられる亜季を、母は「あなたのせいではない」と冷静に諭し、その言葉が亜季の救いとなりました。
- 亜季が返信を異常に催促するようになったのは、父の死のトラウマから、連絡が取れない相手の安否を極度に心配してしまうためだったことが明かされます。
- 母の友人の言葉から、母が父を「愛することなんて ありえないくらい」深く憎んでいたことが示唆されます。
- 母は、亜季に無関心だったのではなく、愛する娘の顔に憎い夫の面影を見てしまい、辛い記憶がフラッシュバックすることに苦しんでいました。
- 母は父が何をしたのか最後まで語りませんでしたが、十数年後、亜季は「母の笑顔」によって打ちのめされるという不穏な未来が暗示されて終わります。
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