【やさしい嘘で抱きしめて】4話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

3話では、中学の同級生・雨宮律と結ばれ、「お試し」という形で交際がスタートしました。幸せな朝を迎えた二人でしたが、4話では紗和子を現実の厳しさが襲います。

【やさしい嘘で抱きしめて】第4話をネタバレありでわかりやすく解説する

絶たれた再就職の道と悪意ある噂

雨宮との幸せな時間から一転、紗和子は現実的な問題に直面していました。無職となった彼女は、預金通帳の残高を気にしながら、再就職先を探してかつての仕事仲間や知人に連絡を取ります。

しかし、結果は散々なものでした。お世話になったオーナーや友人の美容師たちからは、遠回しに断られてしまいます。あまりにも不自然な反応に紗和子が違和感を抱いていると、友人の紫乃(しの)から電話がかかってきました。

紫乃は心配そうに、「変な噂が立ってるよ」と告げます。その内容は、「客と寝て売上をとっている」「汚い手を使っている」という、事実無根で悪質なものでした。業界内でその誤解が広まり、紗和子は美容師として雇ってもらえない状況に追い込まれていたのです。

崩れ去った10年の努力とプライド

電話を切った紗和子は、噂の出所が以前勤めていた店の店長であると確信します。かつては優しかった店長でしたが、紗和子の指名が増え、売上が店長を上回るようになると、嫉妬から嫌がらせをするようになっていました。

「あろうことかお客様にまで私の悪評が広められていた」

自分が必死にハサミ一本で積み上げてきた10年間の努力が、たった一人の嫉妬によって音を立てて崩れていく。誰よりも努力してきたという自負があっただけに、その悔しさは計り知れません。紗和子は街中で一人、涙を止めることができませんでした。

駆けつけた雨宮と吐露した本音

絶望の淵にいた紗和子のスマートフォンが鳴ります。相手は雨宮でした。「蓮見さん、今どこ?」という彼の声を聞き、紗和子は思わず弱音を吐いてしまいます。

しばらくして、息を切らした雨宮が紗和子の元へ駆けつけました。スーツ姿の彼は、ベンチで泣き腫らした顔をしている紗和子の隣に優しく座ります。

「俺が来たくて来たんだよ」

そう言う彼に、紗和子は店長からの嫌がらせや、自分のキャリアが踏みにじられた悔しさを洗いざらい打ち明けました。雨宮は静かに彼女の話を聞き、「ありがとう、教えてくれて」と全てを受け止めます。

偶然の再会と深まる謎

雨宮が紗和子を慰め、「蓮見さんって甘えベタだよね」と優しく語りかけていたその時、背後から「蓮見!」と呼びかける声がしました。

現れたのは、かつての同級生らしき男性「タカやん」でした。彼は久しぶりの再会を喜びますが、隣にいる雨宮を見て「怖いぐらいイケメンなんだけど!なんでお前?」と驚きます。

紗和子が「あの人、雨宮律くんだよ。中学で一緒だったでしょ?」と紹介すると、タカやんは「雨宮律…?」と首を傾げ、ピンときていない様子です。「あんまり仲良くなかったのかな?」と紗和子がフォローしようとした瞬間、雨宮が急に立ち上がりました。

「待たせるのも悪いから、じゃあね」

雨宮はそう言い残し、逃げるようにその場を去ってしまいます。取り残されたタカやんは、去っていく雨宮の背中を見ながら、「アイツなに言ってんだ…?」と呟きました。その言葉は、雨宮が「同級生」ではない可能性を強く示唆していました。

【やさしい嘘で抱きしめて】4話を読んだ感想(ネタバレあり)

前半のあまりに理不尽な展開には、読んでいて胸が苦しくなりました。実力で評価されるべき世界で、男の嫉妬によってキャリアを潰されるという紗和子の状況は、悔やんでも悔やみきれません。彼女が道端で泣き崩れるシーンは、その絶望の深さが痛いほど伝わってきました。

そんな中、駆けつけてくれた雨宮くんはまさにヒーローのように見えました。スーツ姿のカッコよさもさることながら、弱っている紗和子を全肯定してくれる包容力は素晴らしいです。彼がいれば、紗和子もまた立ち上がれるのではないかと希望を感じました。

しかし、ラストの展開で物語は一気にサスペンス色を帯びてきました。偶然現れた同級生の反応を見る限り、やはり「雨宮律」という人物は中学にはいなかった、あるいは彼がその名前を騙っている可能性が高そうです。

なぜ彼は嘘をついてまで紗和子に近づいたのでしょうか。「やさしい嘘」というタイトルが、ここにきて重くのしかかってきます。彼の優しさが本物であると信じたい一方で、その正体が何者なのか、不安と好奇心が入り混じる展開でした。

【やさしい嘘で抱きしめて】4話のネタバレまとめ

  • 紗和子は再就職活動をするが、悪質な噂のせいでどこも雇ってくれない
  • 噂の犯人は、紗和子の売上に嫉妬した元職場の店長だった
  • 絶望して泣いている紗和子の元へ、連絡を受けた雨宮が駆けつける
  • 紗和子は雨宮に全ての事情を話し、彼は優しく寄り添う
  • そこへ本物の同級生「タカやん」が偶然通りかかる
  • 雨宮を紹介されたタカやんは心当たりがない反応をし、雨宮は逃げるように去る

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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