復讐モノ

【アンバランス~私だけがブスだった~】2話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 容姿に強いコンプレックスを持つ主人公マリは、優しい恋人と仕事、親友に恵まれ幸せな日々を送っていました。
  • しかし、恋人の能戸が既婚者であったことが発覚し、能戸とその妻から「ブス」と罵られ、深く傷つけられます。
  • 親友の神奈、弥生、公美は身を挺してマリを守り、彼女を元気づけるために「卒恋旅行」を計画しました。
  • 旅行先のコテージで出会った親切な大学生グループを招き入れますが、それが新たな惨劇の始まりを告げるのでした。

【アンバランス~私だけがブスだった~】第2話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回のラストで、マリたちのコテージに訪ねてきた親切な大学生たち。しかし、それは悪夢のような一夜の始まりに過ぎませんでした。今回は、その惨劇の全貌が描かれる、息もつけない衝撃的な展開となります。

親切な医大生たちとの交流

束の間の楽しい時間

大学生たちは「すみませーん お邪魔します」と、手土産を片手にコテージへやって来ました 。公美は「学生って言ってたよね? やっば若いな~」と無邪気に喜び、和やかな雰囲気で宴会が始まります

しかしマリは、一人だけ輪の中に入れず、どこか浮いているような気まずさを感じていました 。また、昼間には4人いたはずの大学生グループが、なぜか3人しかいないことに疑問を抱きます

明かされる彼らの正体

弥生が彼らの素性を尋ねると、ナツ、アキ、フユトと、季節にちなんだ名前を名乗ります 。どこか胡散臭い自己紹介に、マリたちは偽名だと気づきます

彼らは「人助け」をしたいと語り、その正体が「全員 医大の学生」であることを明かしました 。最初は下心を疑っていたマリたちでしたが、人の役に立ちたいと真摯に語る彼らの姿に、「3人とも心までイケメンなのね!」とすっかり感心してしまいます 。

何よりマリにとって心地よかったのは、誰も彼女の容姿について口にしないことでした 。普段なら「美人揃いですね」といった言葉でお茶を濁される場面でも、彼らは純粋に会話を楽しんでいるように見えたのです 。この時までは…。

惨劇の始まり…豹変した医大生たち

帰らない訪問者

楽しい時間は長くは続きませんでした。宴もたけなわになると、大学生たちはすっかり酔っぱらい、「このまま泊まっちゃおうかなぁ~~」などと言い出し、一向に帰る気配を見せません

急に不安に駆られたマリは、管理人室へ内線電話をかけようと考えます 。しかし、運悪く電話はリビングの向こう側。彼らの間を割って進むことができず、なすすべもありません

絶望的な状況と親友たちの悲鳴

マリは管理人を直接呼びに行こうと、意を決してコテージの外へ出ます。そこで彼女が目にしたのは、昼間に見かけた4人目の男の子が、エンジンをかけた車の中で待機している姿でした 。彼らが運転のために待っているのではないと直感したマリは、「やっぱりなんか変だ!!!!!」と恐怖に襲われます 。

その直後、背後から親友たちの絶叫が響き渡りました

マリが窓から中を覗くと、そこには地獄絵図が広がっていました。先ほどまで爽やかな笑顔を見せていた大学生たちは豹変し、「うるせえ!騒ぐんじゃねぇ!!」と怒鳴りながら、親友たちに暴力を振るっていたのです 。マリの頭を「殺される!?」という最悪の言葉がよぎります

命がけの抵抗と非情な選択

トイレでの孤独な戦い

命からがらトイレに逃げ込んだマリでしたが、状況は絶望的でした 。男たちは「開~け~ろ~よ~」とドアを激しく叩き続け、頼みの綱のスマートフォンは圏外で110番通報もできません

「もうダメかもしれない…」 。死を覚悟したマリは、それでも最後の力を振り絞り、「ううっ・・・だからせめて証拠を・・・・ううっ・・・」と、スマホの動画撮影を開始します 。友のため、そして自分自身のために、この惨劇の証拠を残そうとしたのです。

悪魔の取引

しかし、薄いドアはすぐに破られ、マリは髪を掴まれ引きずり出されてしまいます 。犯人たちは「いや俺たち 誰も金になんか困ってないのよ」と、金銭が目的ではないことを告げます

彼らの目的は、ただ一つ。「ただ遊びたいだけ」 。そして、捕らえられた親友3人を指し示し、マリに悪魔の取引を持ちかけました

「・・・じゃあさ アンタが今ここで代表して脱いで 俺たちを満足させてよ」

友の解放を条件に、自らの尊厳を差し出すという、あまりにも非情な選択。マリは震える声で「…分かりました」と、その屈辱的な要求を受け入れるのでした

砕かれた尊厳と友情の亀裂

「くそデブが!マジ無理だわ」

親友たちを救うため、マリは覚悟を決めて服を脱ぎます。しかし、犯人たちが向けたのは欲望の目ではなく、侮蔑と嘲笑でした。

「ひでーたるみ!」「うげぇ」

そして、追い打ちをかけるように、リーダー格の男が吐き捨てます。

本気で俺らに相手してもらえると思ったの? くそデブが!マジ無理だわ

マリの最後の抵抗は、容姿を理由に無残にも踏みにじられました。彼らはマリに興味を失うと、「邪魔くせえからクローゼットの中にでも入ってろ!」と彼女を縛り上げて監禁します 。そして、解放されるはずだった親友たちに、「お前はこっち来い!」「俺二階使わせてもらうわ」と、その牙を剥いたのです

静寂と脅迫

クローゼットの暗闇の中、マリの耳に届いていた友人たちの悲鳴と抵抗の声が、やがて聞こえなくなっていきます 。絶望的な静寂。犯人たちは目的を達すると、「お楽しみ動画 晒しちゃうぞ~~」という卑劣な脅迫の言葉を残し、車で走り去っていきました

残された証拠と、すれ違う心

警察か、沈黙か

犯人たちが去った後、マリは急いで友人たちを助け起こします 。そして、すぐに警察に通報しようとしますが、友人たちはパニック状態でそれを制止しました

警察なんてありえないから!!!

動画撮られたんだよ!!

世間に知られることへの恐怖、動画が拡散されることへの不安が、彼女たちを支配していました。一刻も早くこの場から逃げ出し、すべてをなかったことにしたいと彼女たちは訴えます

「ブスだから、何もされなかった」残酷な現実

マリは「片付けもシャワーもダメ!証拠が消えてしまう」「やっぱり警察呼ぼう!」と必死に説得を試みますが、友人たちとの溝は深まる一方です

しかし、マリには諦められない理由がありました。彼女は最後の切り札を提示します。

あのときの音声が全部 私のスマホに残ってるの!

トイレでの籠城中に録音した音声データ。これがあれば、犯人を特定できるかもしれない、とマリは考えたのです

ですが、その希望に満ちた言葉に対する友人たちの反応は、氷のように冷たいものでした。「信じられない!」「マリひどい!」 。そして、公美が、全員の心の内にあったであろう、最も残酷な言葉を口にします。

「そりゃそうよね!マリは平気よね…マリだけは何もされなかったじゃない!!!

その言葉は、マリの胸に突き刺さりました。彼女が、最悪の被害を免れた理由。それは、他でもない、彼女がずっとコンプレックスに感じてきた容姿が原因でした。マリの心の叫びが、暗いコテージに響き渡ります。

「ブスだから!!」

皮肉にも、彼女の容姿が彼女自身を守り、そして同時に、かけがえのないはずだった友人たちとの間に、修復不可能なほどの深い亀裂を生んでしまった瞬間でした。

【アンバランス~私だけがブスだった~】2話を読んだ感想(ネタバレあり)

第1話の失恋騒動が、まるで序章に過ぎなかったと思わされるほど、あまりにも凄惨で衝撃的な第2話でした。親切な医大生という、誰もが好感を抱くであろう設定からの、あの冷酷非道な豹変ぶりは、人間の内面に潜む闇の深さを見せつけられたようで、背筋が凍る思いです。

特に胸が締め付けられたのは、マリが友人たちのために自らの尊厳を投げ打つと決意したシーンです。しかし、その悲壮な覚悟すら、「くそデブが!」という一言で嘲笑われ、無価値なものとして扱われる展開は、この作品の根幹にあるテーマを象徴しており、あまりにも残酷で言葉を失いました。

そして、事件後の被害者であるはずの4人の間に生まれてしまった、埋めがたい溝。これが何よりもリアルで、読んでいて辛かったです。「何もされなかった」マリと、「されてしまった」3人の親友。同じ地獄を味わいながらも、その傷の種類が違うことで、決して分かり合えない状況が生まれてしまいました。

マリが機転を利かせて残した「音声」という証拠は、唯一の希望の光です。しかし、この証拠を巡って友人たちとの対立は決定的となってしまいました。この音声は、果たして反撃の狼煙となるのでしょうか。それとも、彼女たちの友情を完全に破壊する引き金となってしまうのでしょうか。絶望の底で、彼女たちがどのような選択をするのか、次話への緊張感が最高潮に達しています。

【アンバランス~私だけがブスだった~】2話のネタバレまとめ

  • 卒恋旅行に訪れたマリたちは、親切な医大生のグループと交流しますが、彼らは突如豹変し、マリたちに襲いかかりました 。
  • 親友たちを人質に取られたマリは、彼女たちを助けるために犯人の屈辱的な要求を飲みますが、容姿を嘲笑われ、結局友人たちも暴行を受けてしまいます 。
  • 犯人たちは暴行の様子を動画で撮影し、「晒しちゃうぞ」と脅迫して逃走しました 。
  • 事件後、マリは警察に通報しようとしますが、動画の流出を恐れる友人たちと激しく対立します 。
  • マリは犯人たちの会話を録音した証拠があると明かしますが、「何もされなかったくせに」と友人たちから非難され、その友情に決定的な亀裂が入ってしまいました 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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