復讐モノ

【アンバランス~私だけがブスだった~】5話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 孤立したマリは、たった一人で犯人への復讐を決意し、病院で再会した弓削の身元を突き止めました。
  • 周到な準備の末、弓削を山梨の祖母の家へ拉致し、汲み取り式のトイレに監禁することに成功します。
  • しかし、マリが少し目を離した隙に、弓削は死んでしまいます。
  • マリが望んだ復讐は、意図しない「殺人」という最悪の形で幕を閉じてしまいました。

【アンバランス~私だけがブスだった~】第5話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回のラストで、復讐相手の死という衝撃的な現実に直面したマリ。第5話では、殺人者となってしまった彼女の心の歪みと、止まることのない新たな復讐の連鎖が描かれます。

殺人という現実

予期せぬ死の真相

物語は、弓削の死体を前に「死んでる!?」と呆然とするマリの姿から始まります。 パニックに陥り、救急車を呼ぶべきか、警察に連絡すべきか、思考が完全に停止してしまいます。

マリは、自分の仕掛けた罠が、想像を絶する結果を招いたことに気づきます。彼女が弓削を苦しめるためにトイレに撒いた牛糞。 そこから発生したメタンガスを、狭い空間で大量に吸い込んだことにより、弓削は酸欠・窒息状態に陥ったのです。 自分の軽率な行動が招いた取り返しのつかない事態に、マリは「私が殺したんだ」と、自分が殺人者になった事実を突きつけられ、恐怖に打ち震えます。

罪悪感なき死体遺棄

「刑務所」「殺人犯」という言葉が頭をよぎり、恐怖に駆られたマリは、「あんな男のために捕まりたくない!!!!」という強烈な自己保身から、死体を隠蔽することを決意します。 弓削の車の鍵を使い、彼の死体をどこかへ運び、遺棄することを計画するのでした。

歪み始める心と、次なる復讐

残されたスマホと罪悪感の欠如

弓削の車の中で、マリは彼のスマートフォンを発見します。 その中には、残りの仲間たちの情報や、あの夜の映像、さらには他の犯罪の証拠が残っているかもしれないと考えました。 しかし、電源を入れればGPSの履歴が残ってしまうことを恐れ、マリはスマホを破壊することを選びます。

この時、マリの心は恐ろしく冷静でした。 弓削の死を「あいつはただ報いを受けただけ」と正当化し、「私の受けた屈辱を思えば」「罪悪感は・・・ない」と自分に言い聞かせます。 彼女の心は、罪の意識から逃れるために、そして次の行動へと進むために、静かに歪み始めていました。

復讐の代償

弓削の死体を運び、山中に埋めた後、マリは自らの罪の重さを噛みしめます。 「後悔してももう引き返せない・・・これが復讐の代償なんだ!!

友情の修復、そしてマリの変貌

穏やかな日常への帰還?

有給休暇を終え、会社に戻ったマリ。 弓削の行方不明がニュースになっていないかチェックしますが、まだ報道はされておらず、ひとまず安堵の息をつきます。

するとそこへ、神奈が「おはよ マリ!」と、以前と変わらない笑顔で声をかけてきました。

神奈との和解

昼食に誘われたマリは、神奈から衝撃的な事実を打ち明けられます。 マリが休んでいる間に、残された3人の仲は最悪の状態になっていたのです。 公美は神奈の心の傷をえぐるように、「相手が恋人だろうが望まないセックスを強いられたことくらいあるでしょ!?同じことだと思えばいいじゃないの!」と言い放ちました。 さらに弥生は、公美のAV出演の過去に触れ、「元々汚れてた公美とは違うんだから!!!!!」と、仲間同士で深く傷つけ合っていたのです。

「傷つけられたのは身体じゃない、人としての尊厳」

これまでのマリなら、美人の友人たちを無意識に「格上」だと感じ、ただ話を聞くことしかできなかったでしょう。 しかし、人を殺めたことで彼女の何かが決定的に変わっていました。

マリは、神奈の目をまっすぐに見て、毅然とした態度で語りかけます。

「今も昔も誰も汚れてなんかないんだよ!」

「だって・・・傷つけられたのは身体じゃない――人としての尊厳なんだから

新たな復讐の連鎖へ

「友達でいて!」

マリの力強い言葉に、神奈は心を打たれます。 自分の過ちを認め、「ごめんね…」と涙ながらに謝罪しました。 「お願いだから友達でいて!」と泣きつく神奈に、マリも「私もだよ」と応え、二人の友情は、ようやく修復されたかに見えました。

「本来の私」の覚醒

しかし、マリの内面では、恐ろしい変貌が起きていました。 「人を殺したことで何かのタガが外れてしまったんだ」。 彼女は、これまで他人を見下す感情を抑えつけていた自分こそが「本来の私」なのだと自覚します。

「次はお前だ」

数週間後、マリはP医大のキャンパスで、次のターゲットを冷ややかに見据えていました。 あの夜、「フユト」と名乗っていた男、松永です。 マリは隠し撮りした彼の写真を見つめ、静かに、しかし確かな殺意を持って呟くのでした。

「次はお前だ――」

一つの復讐は、終わってはいませんでした。それは、さらなる復讐を生む、負の連鎖の始まりを告げる合図だったのです。

【アンバランス~私だけがブスだった~】5話を読んだ感想(ネタバレあり)

弓削の死という最悪の結末から始まった第5話。マリが取り返しのつかない罪を犯してしまった事実に、ただただ呆然としました。しかし、物語はマリを単なる殺人者として描くのではなく、彼女の歪んでいく心理を克明に追うことで、より一層深みを増したように感じます。

特に印象的だったのは、罪悪感を消し去り、復讐を正当化していくマリの姿です。「人を殺したことでタガが外れた」彼女は、もはや以前のか弱い被害者ではありません。冷徹なまでの観察眼と行動力を持つ、恐るべき復讐者へと変貌を遂げました。

神奈との和解シーンは、その変貌ぶりを象徴しているかのようです。かつては何も言えなかった友人に対し、「傷つけられたのは人としての尊厳」と毅然と語る姿は、一見するとマリの成長のようにも見えます。しかし、その内面では他人を見下す「本来の自分」が覚醒しているという描写は、彼女が人として、より危険な領域に足を踏み入れてしまったことを示唆しており、ぞっとしました。

復讐は、決して何も解決しない。むしろ、新たな悲劇と憎しみを生むだけ。ラストシーンで次のターゲットを見定めるマリの目は、その負の連鎖から、もう誰にも止められない場所へ行ってしまったことを物語っているようでした。

【アンバランス~私だけがブスだった~】5話のネタバレまとめ

  • マリは、自分の仕掛けた罠で弓削がメタンガス中毒により死亡したことを知り、「自分が殺した」という現実に直面します。
  • 恐怖から死体を遺棄し、弓削のスマホを破壊。 マリは自らの行為を正当化し、罪悪感を抱かないように心を歪めていきました。
  • その後、会社で仲間割れしていた神奈と対話し、「傷つけられたのは尊厳」という力強い言葉で彼女の心を動かし、和解を果たします。
  • しかし、人を殺めたことでタガが外れたマリは、復讐の続行を決意。 数週間後、次のターゲットである「フユト」こと松永を監視していました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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