【カラダ探し】5話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【カラダ探し】第5話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回のラスト、ついに明日香が隠れる教室の前にまで迫ってきた「赤い人」。絶体絶命の状況から始まる第5話では、「赤い人」の新たな能力が判明すると同時に、生き残った仲間たちの間で決定的な亀裂が生じます。この記事では、ホラーとしての恐怖と、人間関係の崩壊という二重の恐怖をネタバレありで徹底解説します。

絶体絶命のピンチと「赤い人」の新たな謎

「止まった… この教室の前―」 。息を殺し、扉が開けられるのを覚悟した明日香。しかし、その瞬間、事態は思わぬ方向へ転換します。再び校内放送が響き渡り、こう告げたのです。

「『赤い人』が工業棟1階に現れました」

目の前にいたはずの「赤い人」が、一瞬にして物理的に離れた工業棟へ移動する。 このありえない現象に、明日香は戦慄します。

テレポートする恐怖

この出来事から、明日香は「赤い人」が持つ恐るべき能力に気づきます。それは、

「突然消えて、突然現れる」 、つまりテレポート能力です。どこにいても、次の瞬間には目の前に現れるかもしれない。この事実は、「赤い人」から物理的に逃げることが不可能であることを意味し、彼らをさらなる絶望の淵へと突き落としました。

恐怖を乗り越え、再び探索へ

「赤い人」が消え、ひとまずの危機を脱した明日香。しかし、先ほど殺されたかもしれない理恵のことが頭から離れません。 自分がまた殺されるかもしれないという恐怖に襲われ、涙が溢れます。

ですが、彼女はここで心を折るわけにはいきませんでした。「泣いてる暇なんて無い」 、「そうならないように…『カラダ』を探さなきゃ」 。明日香は自らを奮い立たせ、再び探索を始める決意を固めます。

彼女が近くの掃除用具ロッカーを調べようとしたその時、背後から物音が。そこに立っていたのは、死んだと思っていた理恵でした。

生存者との再会、そして決定的な亀裂

しかし、再会を喜ぶ暇はありませんでした。理恵の視線の先には、同じく生き延びていた翔太の姿が。 そして、明日香は翔太に激しい怒りをぶつけます。

理恵を犠牲にしたのか?翔太への詰問

「ひどい?ひどいのはアンタでしょ!? 理恵に『赤い人』を押し付けて…」

明日香の詰問に対し、翔太は悪びれる様子もなく、信じられない言葉を口にします。

「理恵がいなかったらオレ…死んでた」

「明日香だって死ぬのは嫌だろ?」 と、彼は自らの行いを平然と正当化したのです。この瞬間、翔太が意図的に理恵を犠牲にしたことが確定し、彼らの間の信頼関係は音を立てて崩れ落ちました。

「生き返るからいい」のか?剥き出しのエゴ

明日香の怒りは頂点に達します。「自分が助かりたい一心で理恵を身代わりにした!!!」 と糾弾する彼女に対し、翔太はさらに冷酷な言葉を重ねました。

「どうせ起きたら『昨日』に戻ってるんだ 理恵も生き返ってる」

死の痛みを軽視する者、許せない者

「生き返るから、殺されてもいい」。そんな理屈が許されるはずがありません。「それだったらアンタが死ねば良かったじゃん!!」 「起きたら生き返るんでしょ!?」 と明日香は激しく反論します。

彼女にとって、自分の覚悟で死ぬことと、仲間の裏切りによって殺されることは、全く意味が違いました。

この対立は、「死に戻り」という異常な状況下で、人の命や痛みをどう捉えるかという、根源的な倫理観のぶつかり合いでした。そして明日香は、翔太に最後の言葉を告げます。「もういい」 「翔太のことは信じられない」

決別、そして東棟へ

翔太と完全に決別した明日香は、「私が東棟に行く…」と、一人で行動することを決意します。

彼女は、翔太たちがまだ調べていないであろう東棟の2階を探索し始めます。 購買部、ゴミ箱、ロッカーと、隠されていそうな場所を一つ一つ確認しますが、「カラダ」の一部は見つかりません。

そして、暗い廊下の先。彼女が最も会いたくない存在が、またしても姿を現しました。 「あかいふくくを くださいな~」

不気味な歌を口ずさみながら迫ってくる「赤い人」 。絶望が再び明日香を飲み込もうとしたところで、第5話は幕を閉じます。

まとめ【カラダ探し】5話を読んだ感想(ネタバレあり)

第5話は、物理的な恐怖と、精神的な恐怖が見事に融合した回でした。「赤い人」がテレポート能力を持つという新事実には、もはや逃げ場は無いという絶望を感じましたが、それ以上に心を揺さぶられたのは、翔太の裏切りと、それによって引き起こされた人間関係の崩壊です。

「どうせ生き返るから」という理由で、仲間の犠牲を正当化する翔太の姿は、この物語が持つ最も恐ろしいテーマ、「命の価値」とは何かを私たち読者に鋭く突きつけてきます。痛みも苦しみも伴う「死」を、ただのリセット可能なイベントとして片付けて良いのか。明日香と翔太の対立は、この極限状況だからこそ浮き彫りになる倫理観の対立であり、非常に重く、考えさせられるものでした。

仲間を信じられなくなり、チームが完全に分裂してしまった状況は、「赤い人」の存在以上に恐ろしいかもしれません。孤立した明日香が再び「赤い人」に遭遇するラストは、まさに絶望の極み。果たして彼女は生き残れるのか、そして一度壊れてしまった信頼関係が、再び結ばれる日は来るのでしょうか。ホラーとしての展開はもちろん、深まる人間ドラマからも目が離せません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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