【ジュリエットが消えた夜】3話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • ジュリエットの突然の別れの言葉に、レノックス公爵は激しく動揺し、怒りをあらわにするが、彼女の決意は固かった。
  • ジュリエットは神殿へ外出する際、自分が嫌いなはずの「紫のダリア」を「公爵様の執務室にぴったりだ」と意味深な言葉を残す。
  • 彼女の不可解な行動に強い疑念を抱いたレノックスは、秘書のエリオットに対し、彼女の過去3ヶ月の行動の全てを徹底的に調査するよう命じた。

【ジュリエットが消えた夜】第3話をネタバレありでわかりやすく解説する

レノックス公爵に別れを告げ、裏では彼の監視の目が光り始めているとも知らず、ジュリエットは神殿へと向かいます 。そこは聖なる祈りの場であると同時に、嫉妬と悪意が渦巻く社交の場でもありました。

「醜い人たち…」仮面の下に隠されたジュリエットの本音

神殿に到着したジュリエットは、侍女に「すぐに戻るわ」とだけ告げ、一人で荘厳な建物の中へと足を踏み入れます 。静かに祈りを捧げようとする彼女の脳裏に浮かぶのは、社交界の貴族たちが交わす心無い噂話でした。

「あの女がカーライル公爵の恋人よ…」

彼女の周りには、公爵の威光に惹かれて人が集まってきます 。彼らは表面上は笑顔で「公爵様はいかがお過ごしでしょうか」「今度お茶会にご参加を…」と誘いをかけてきますが、ジュリエットはその笑顔の裏にある本性を見抜いていました

あなた達が普段 私の陰口を叩いたり 噂話をしているのを 私は知っています

心の中で「醜い人たち……」 と吐き捨てながらも、ジュリエットは完璧な淑女の仮面を崩しません。にこやかに「お茶会へのご招待ありがとうございます」と礼を述べ、「今少々立て込んでおりまして」と、誰の派閥にも属さない孤高の存在として、その誘いを丁寧に、しかしきっぱりと断るのでした

皇帝の姪プリシラの登場!過去の因縁と刺々しい会話

ジュリエットがその場を離れようとした時、華やかなドレスをまとった一人の女性が、大げさな仕草で彼女の前に立ちはだかります 。彼女の名はプリシラ皇帝の姪という高い身分を持つ公女です 。

「お久しぶりね ジュリエット嬢」

プリシラは親しげな態度とは裏腹に、その言葉には鋭い棘を隠していました。 「……最近 皇室の親戚のカスパーと婚約したのよね」 と自らの幸福をひけらかしたかと思えば、ジュリエットの心を抉るような一言を付け加えます。

昔は レノックスに好意を 寄せてた みたいだけど……

それは、レノックスを巡る過去の因縁をわざわざ掘り返す、悪意に満ちた言葉でした。ジュリエットは表情を変えずに「ご婚約おめでとうございます」と祝辞を述べますが 、プリシラの嫌味は止まりません。「お気になさらないで。田舎にお住まいなんですもの」と、ジュリエットの立場を見下すような発言を重ねるのでした

「拾ってくださる?」プリシラの悪意に満ちた挑発

プリシラは「一緒に祈りましょう」とジュリエットをその場に引き止めると、「私が貴女のロウソクの火を灯して差し上げますわ」と申し出ます 。しかし、それは卑劣な罠でした。

プリシラは祈りのためのコインを受け取った瞬間、わざと手を滑らせ、床にコインをばらまいたのです 。そして、悪びれる様子もなくくすくすと笑いながら、言い放ちます。

ごめんなさい 手が滑ってしまったわ

ジュリエット 拾ってくださる?

さらに、周囲に聞こえるように「私たち友達ですから お安い御用よね」と畳みかけ、ジュリエットに公衆の面前でひざまずかせようとします 。誰もがジュリエットが屈辱に耐える姿を想像した、その時でした。

「私からのご祝儀です」笑顔で返した痛烈な一撃

プリシラが「早くなさい ジュリエット」と勝ち誇ったように命じた瞬間 、ジュリエットはうつむくどころか、ふわりと花が咲くように微笑んだのです。

プリシラ様 先程 お渡ししそびれていた ものがありました

次の瞬間、チャリン、チャリン、と硬貨がぶつかり合う音が神殿に響き渡ります 。ジュリエットが、自らの金貨をプリシラに向かって投げつけたのです 。金貨はプリシラの豪華なドレスに当たり、床へと散らばっていきました。

呆然とするプリシラに、ジュリエットは満面の笑みで告げます。

私からの ご祝儀です」 「おめでとうございました

そして、プリシラが使った言葉をそのまま、しかし何倍にもして返すのでした。 「手が滑ってしまい申し訳ありません」

でも私たちは友達ですから こんなことでお怒りにはなりませんよね?

あまりにも鮮やかな反撃に、プリシラは言葉を失い、怒りに顔を歪ませるのでした。

【ジュリエットが消えた夜】3話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回の話は、とにかくスカッとしました!プリシラの、いかにもな悪役令嬢っぷりには読んでいてイライラさせられましたが、その分ジュリエットの反撃が最高に気持ちよかったです。

特に痺れたのは、やられっぱなしで終わらないジュリエットの強さ。公衆の面前で屈辱を与えられそうになった絶体絶命の場面で、まさか金貨を投げつけて「ご祝儀です」と言い返すとは…!彼女がただのか弱い悲劇のヒロインではなく、知性と気高さを武器に戦う強い女性であることがはっきりと描かれた回でしたね。

社交界での孤立や陰口といった、彼女が置かれている厳しい環境も浮き彫りになりました。「公爵の恋人」という立場は、決して誰もが羨むような幸せなだけの場所ではないのだと痛感します。そんな中で、自分の尊厳を自分で守り抜く姿は、本当にかっこいいです。

レノックスとの別れを決意した彼女の強さが、今回のプリシラとの対決で証明されたように感じます。彼女はただ逃げ出すのではなく、自らの足で立ち、理不尽な悪意と戦う覚悟を決めているのでしょう。裏で進んでいるレノックスの行動調査が、この神殿での一件をどう捉えるのか…。ジュリエットの鮮やかな反撃が、二人の関係に新たな火種を生まないか、今後の展開から目が離せません!

【ジュリエットが消えた夜】3話のネタバレまとめ

  • 神殿を訪れたジュリエットは、社交界の貴族たちから陰口を叩かれながらも、笑顔の仮面で毅然と対応する 。
  • そこで遭遇した皇帝の姪プリシラから、過去の恋を掘り返されるなどの嫌味を言われる 。
  • プリシラはわざとコインを床にばらまき、「友達でしょ」と言いながら公衆の面前でジュリエットに拾うよう命じ、屈辱を与えようとする 。
  • しかしジュリエットは、逆に大量の金貨をプリシラに投げつけ「私からのご祝儀です」と反撃 。プリシラの言葉をそっくりそのまま利用し、見事にやり込めた。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
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野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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