【スティーリング二人のノア】9話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

8話では、アラン神父が深夜の診療所に強引に踏み込み、ベンの制止を振り切って秘密の3階へと階段を駆け上がりました。そこには、ベンが必死に隠し続けてきた異形の女性「ノア」の存在があり、物語は最悪の形で秘密が暴かれる一歩手前まで進みました。

【スティーリング 2 人のノア】第9話をネタバレありでわかりやすく解説する

物語の第9話では、アラン神父の追及を逃れた後のベンの行動と、再生を続けるノアの歪んだ自意識が浮き彫りになります。

樽の中に繋がれた「ノア」の惨状

ベンは、保護したノアが勝手に動き回らないよう、彼女を大きな木樽の中に閉じ込め、さらに両手をロープで縛り上げていました。目が覚めたノアは、自分の置かれた状況に驚き、「先生! これはいったいどういうこと?」と悲鳴を上げます。「ねぇ……なぜ私は縛られてるの?」と涙ながらに訴える彼女に対し、ベンの表情は冷徹そのものでした。

ベンは、彼女が昨日の夕方に勝手に2階へ下りていったことを指摘します。もしアラン神父に見つかっていれば、二人の命はなかったかもしれません。しかし、ノアは「そんなの知らないわ!」と必死に否定しました。

記憶の食い違いと消えた「怪物」の自覚

ノアは、ベンと喧嘩をした後に悲しくてずっと泣いていただけで、階下へ行った記憶はないと言い張ります。彼女の頭の中では、自分がネズミを食らったり、肉体を溶かしたりしていた凄惨な記憶が抜け落ちているようでした。

「ふざけないで、縄を解いて! 怖いわ」と懇願するノアを前にして、ベンは複雑な心境に陥ります。昨日の夜、彼女を襲ったはずの激しい発作や、異様な言葉の数々は、麻酔薬の副作用だったのでしょうか。それとも、彼女の中に複数の人格が混在しているのでしょうか。

美貌への異常な執着と「選民意識」

樽の中から出されたノアは、自分の容姿について語り始めます。彼女は、自分はこれからもっと綺麗になるのだから、悲しむ必要など何もないと豪語しました。「もっとハンサムで素敵な人のところに行けばいいだけじゃない!」と、ベンを突き放すような言葉を投げかけます。

割れた鏡に映る「醜い現実」との対峙

ノアは鏡の前に立ち、自分の姿を確かめようとしますが、そこにある鏡は粉々に割れていました。彼女は割れた鏡の破片を見つめながら、ふと自分自身の真実を口にします。「あぁ……本当にあんな無様な姿なの?」と。

彼女は、自分が醜い化物として、ベンに対してわがままばかり言っていたことを一時的に思い出したようでした。ベンに対して「先生にあんな酷い過ちを犯していたなんて」と、これまでの無礼を詫び、自分のような臭くて醜い生き物を許してほしいと、床に伏して謝罪します。

盗まれていくベンの精神と主導権

ノアの態度は、傲慢さと卑屈さの間を激しく行き来していました。謝りながらも、次の瞬間には「先生のような人には私の気持ちなんてわからないでしょうね」と、冷ややかな視線を送ります。

ベンは、彼女を支配しているつもりでいながら、実は自分の方が彼女のペースに巻き込まれ、精神を削られていることに気づき始めます。彼女の細胞再生という医学的興味を超えて、彼女という存在そのものに翻弄されている現状に、ベンは言いようのない恐怖を感じていました。

以下の表は、この時点での二人の心理状態の変化をまとめたものです。

登場人物表面的な行動内面的な真実
ベン彼女を拘束し、管理する彼女の美しさと謎に依存し、主導権を失いつつある
ノア泣いて謝り、許しを請う自分の価値を利用し、ベンの心を支配しようとしている

【スティーリング 2 人のノア】9話を読んだ感想(ネタバレあり)

第9話は、肉体的なホラーよりも、精神的な「侵食」がテーマになっていると感じました。樽の中に縛り付けられたノアの姿は痛々しいはずなのに、彼女が口を開くたびにベンの立場が弱まっていく逆転現象が非常に不気味です。

特に、鏡が割れている演出が秀逸でした。割れた鏡は、ノアの崩壊した自己イメージを象徴しているとともに、ベンの正気もまた砕け散っていることを示唆しているようです。彼女がわざとらしく謝るシーンでは、それが本心なのか、それともベンを繋ぎ止めるための演技なのか判別できず、読んでいる側も疑心暗鬼に陥ります。

物語のタイトルである『スティーリング』が、単に肉体を奪い合うことではなく、他者の心やアイデンティティを盗み取ることだとすれば、今まさにベンは自分の人間性をノアに盗まれている最中なのかもしれません。

【スティーリング 2 人のノア】9話のネタバレまとめ

  • ベンはノアを拘束して木樽の中に閉じ込め、厳重に管理しようとする
  • ノアは階下へ移動した記憶や、異形の姿で暴れた記憶の一部を失っている
  • ノアは自分の美貌を武器に、ベンを見下すような発言を繰り返す
  • 割れた鏡を見たノアが、一時的に自分の醜さを自覚してベンに謝罪する
  • ベンはノアの変わりやすい態度に翻弄され、精神的に追い詰められていく
  • アラン神父に秘密がバレるのを防ぐため、診療所はさらに閉鎖的な空間となる

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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